「ご清祥」とは、「健康や幸せを喜ぶ」の意味をもつ挨拶の言葉
「ご清祥」は手紙の中で使う挨拶の言葉で、ビジネス文書でも頻繁に登場します。いくつかの決まったフレーズがあるので覚えやすいですが、間違った使い方をしないためにも意味を理解しておく必要があります。
本記事では、「ご健勝」「ご清栄」などの類語との使い分け、例文などもわかりやすく紹介します。
ご清祥の意味・読み方
「ご清祥」は「ごせいしょう」と読みます。
「清」は、「澄んだ水」「澄んでいる」という意味をもつ漢字で、「汚れ、悪いことがない」ことを表しており、「祥」は、「喜ぶべきこと」「めでたいことの兆し」という意味をもっています。
そして、これら二つの漢字をあわせた「ご清祥」は、相手に「悪いことがなく喜ばしいこと」を伝える言葉となります。
「ご清祥」の使い方・例文
「ご清祥」は、相手が幸せであることを喜んでいることを伝える言葉なので、幸せな暮らしをしていない人や、病気の人に対しては使えません。
また、文中では単独で使うことはなく、ある程度決まったフレーズがあるので、いくつかのパターンを覚えておくと便利です。
ご清祥のこととお慶び申し上げます
「ご清祥のこととお慶び申し上げます」は、「幸せに過ごしていることを私は喜んでいます」という意味になります。
・立秋の候、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
ご清祥のことと拝察申し上げます
「拝察(はいさつ)」は、「推測している」ということをへりくだって言う言葉で、「幸せに過ごされていることでしょう」といったニュアンスになります。
・時下ますますご清祥のことと拝察申し上げます。
・晩夏の候、皆様にはますますご清祥のことと拝察申し上げます。
「ご清祥のことと」のほかの表現
挨拶文では、比較的簡単な「ご清祥のことと」を使うことが多いですが、「ご清祥の由」「ご清祥の段」という表現もあります。
「由」の読み方は「よし」で、「物事の内容」という意味があり、「段」は「だん」と読み、「くだり」「こと」を指しています。
・時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
・時下ますますご清祥の由、心よりお慶び申し上げます。
・時下ますますご清祥の段、心よりお慶び申し上げます。
「ご清祥」の類語・言い換え表現
「ご清祥」の類語として「ご清栄」「ご健勝」がありますが、厳密には意味が異なるので、状況に応じて使い分けをしてください。
ご清栄
「ご清栄」は「ごせいえい」と読みます。「ご清祥」と同じく、相手の幸せな生活に対しての喜びの気持ちが含まれています。しかし、「ご清祥」にはない「繁栄を願う」気持ちも表現しています。
また、「ご清祥」は、主に個人に使いますが、「ご清祥」は個人、法人の両方に使えるといった点でも違いがあります。
・時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
・立春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
ご健勝
「ご健勝」の読み方は「ごけんしょう」で、相手は元気で健やかに過ごしていることを意味する言葉です。繁栄ではなく、身体の健康を表すので、個人宛ての挨拶文に使います。
・時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
「ご清祥」の英語表現
英語で「ご清祥のこととお喜び申し上げます」を表現する場合は、「元気で過ごしていることと思います」というニュアンスの次の文章が使えます。
I hope you are doing well.
「ご清祥」の意味を理解し正しく使おう!
「ご清祥」などを使った挨拶文を必要とする手紙や文書は、社会人でなくても必要なことがあります。現代ではメールでも使われるので、基本的なフレーズは見本を見なくても頭に浮かぶようにしておきましょう。