「及び」とは「~と」という意味
文書の中でたびたび目にする「~及び」は、「~と」の意味で、名詞と名詞をつなく接続詞として使われます。しかし、「並びに」「かつ」など、似た意味をもつ言葉も多数存在するので、どのように使い分けるべきか迷う人もいるでしょう。
記事では、「及び」の正しい意味や使い方のほか、似た意味の言葉との使い分け、言い換え、英語などもわかりやすく紹介します。
なお、「及び」の対義語には、「または」や「あるいは」があてはまるので、これを機に関連付けて覚えておきましょう。
「及び」の読み方・意味
「及び」は、「および」と読み、「~と」と同じく、複数の物事を並べて述べる際の接続詞の役割をもっており、通常の会話の中ではなく、主にフォーマルな場面で使われます。
「及び(及ぶ)」には「届く」の意味もある
「~と」の意味で使われることが多い「及び」ですが、「ある状態に達する」「届く」ことを指す場合もあります。
・今回の台風による水害は、沿岸地域だけではなく街の中心地など、広範囲に及びました。
・スマホの料金について、高いと感じている人は利用している中の90%近くに及びました。
「及び」の使い方・例文
「及び」を「~と」の意味で使う場合は、次のような決まりがあります。
・複数の名詞が並ぶ場合は、最後にくる言葉と、その前の言葉の間に置く。
・読点をつける場合は「及び」の前につける。ただし、つけなくても間違いではない。
・web日誌へのアクセス権は、課長及び主任に限定します。
・リーダー、及びエリアマネージャーは金曜の13時にA会議室に集合してください。
・各プロジェクトのマネージャー、チームリーダー、及びサブリーダーで中間報告会を実施します。
「及び」の類語・同義語・言い換え表現
「及び」の言い換え表現としては「~と」になりますが、似た意味をもつ類語はいくつかあります。
「及び」と「並びに」の意味の違い
「並びに」も複数の物事を並べる際の接続詞の役割を果たしますが、「及び」よりも、大きな分類で物事を並べるときに使います。
たとえば、男性と女性を並べる場合は、性別としての大きな分類になるので「男性並びに女性」であり、日本語と英語の場合は、言語の中の分類なので「日本語及び英語」です。
・今回の新作発表会では、各製品の設計担当者及び管理責任者、並びにお取引先様の設計担当者及び部門長と、人数を制限させていただきたく存じます。
「及び」と「かつ」の意味の違い
「及び」は名詞同士をつなぎますが、「かつ」は、動詞や形容詞をつなぐ接続詞として使います。
・お客様に満足していただくためには、迅速かつ丁寧な対応が求められる。
「及び」と「または」の意味の違い
「及び」は、並べる物事の両方を指しますが、「または」は、「並べる物事のどちらか一方」の意味で使われます。
・こちらのセットは、スープまたは食後のドリンクをお選びいただけます。
「及び」の英語表現
「及び」を英語で表現したい場合は、「~と」の意味がある「and」や「as well as」を使います。
【今回の会議では、社長及び副社長が出席されます。】
・The President and Vice President will be present at this meeting.
・The President as well as Vice President will be present at this meeting.
「及び」の意味を理解し正しく使おう!
「~と」の意味で使える「及び」は、難しい言葉ではありませんが、フォーマルな場面で用いられるため間違った使い方は避けたいものです。特に、法律や契約に関する書類で間違うと大変なことになってしまいます。そのためにも、類語の意味もしっかりマスターし、状況に応じて正しく使えるようにしておきましょう。