「起承転結」とは「文章や話をわかりやすくするための構成」のこと
ほとんどの人が学校で習った「起承転結」ですが、言葉そのものを意味はしっかりと学んではいませんよね?ビジネスシーンにおいても文章を書くことや、順序立てて話をする機会は多く、内容を理解しやすくするためにも「起承転結」の構成でまとめるのは重要な要素の一つです。
本記事では、「起承転結」の言葉の意味だけでなく、例文や英語表現などについてもわかりやすく紹介します。
「起承転結」の語源・意味
「起承転結」は、漢詩の構成法である絶句がもとになっています。絶句は、第一句を「起句」、第二句を「承句」、第三句を「転句」、第四句を「結句」というため、このような構成をまとめて「起承転結」と呼ぶようになりました。「起承転結」それぞれ次のような役割をもっています。
【起】
詩意を起こす
【承】
起句を受けて発展させる
【転】
場面や視点を転じる
【結】
全体を締めくくる
「起承転結」の使い方・例文
「起承転結」は、人に何かを伝える際に、内容がわかりやすくするための方法です。ここでは、「車通勤の際、いつものルートで事故があり大渋滞をしていたが、う回路を知っていたので大幅に遅れることはなかった」という出来事を、「起承転結」に分類した例文を紹介しておきます。
私はいつも、所要時間30分に混雑を考慮した15分を余分にとって、到着の45分前に駐車場を出発します。
しかし、今日は、車が多いだけでなく、なかなか前に進む気配がありません。この道から離れるのはあと信号を3つ過ぎなければなりませんが、高速道路ではないため、何が起こっているのかも調べる方法がありませんでした。
このままでは大幅に遅れてしまうと考えた私は、一つ目の信号で、左折。ちょっと狭い住宅街の道でいつもは使わない道を走って行くことにしました。この選択のおかげで、いつもの5分遅れ程度で到着することができました。
「起承転結」を使った例文
「起承転結」が会話に使われることは少ないかもしれませんが、参考までに例文を紹介しておきます。
・会議の発表では何についての報告なのかがわかりにくくなるので起承転結ではなく、まず結論から述べてくれるかな。
ビジネスシーンには不適切な「起承転結」
ビジネスシーンでのプレゼンや会議での発表においては、まずは結果を述べ、その後に背景の説明をするのが要領の良い発言とされています。そのため、文章としては綺麗に「起承転結」でまとめられていても、聞いている側としては、とてもまどろっこしいものに感じてしまい、ビジネスマンとしての能力は低くみられがちです。
「起承転結」の類語・同義語・言い換え表現
「起承転結」は構成の名称なので、ほかの言葉への言い換えはできませんが、似たような意味をもつ言葉には「序破急」や「骨組み」があります。
「始め」「中」「終わり」というように物事が展開していく流れのこと。
【骨組み】
物事の全体をささえる仕組み。
「起承転結」の英語表現
英文の中では、日本の文章のような「起承転結」という概念は存在しません。そのため、日本の「起承転結」を説明する際は、それぞれの意味を以下の英語で表現することになります。
【起】導入=introduction
【承】進展=development
【転】意外な展開=twist
【結】結論=conclusion
ビジネスでは「起承転結」が適さないこともある
文章の構成として基本的な「起承転結」ですが、ビジネスシーンでは、5W1Hが推奨されることが多いです。5Wは、who(誰が)、when(いつ)、where(どこで)、what(何を)で、1Hはhow(どのように)です。
文章を作るうえで「起承転結」で作れる能力は必要ですが、社会人であれば5W1Hでまとめられる技術も身に着けておきましょう。