アイスブレイクとは?正しい意味、ビジネスでも使える例、英語、言い換えも紹介

「アイスブレイク」とは「緊張をときほぐす手法」のこと

初対面の人同士や会議の冒頭では、場の空気が凍り付いたように硬くなっており、会話がなかなかはずみませんよね。このような雰囲気が続くと良い意見交換もできません。そのために、場の空気が和らげる手法のことを「アイスブレイク」といいます

「アイスブレイク」は、ビジネスシーンだけでなく、学校やイベントにおいても用いられるため、ぜひ知っておきたい言葉です。本記事では、ビジネスシーンでの意味、例、使い方のほか、英語表現、言い換えなどについてもわかりやすく紹介します。

「アイスブレイク」の英語は「icebreak」

「アイスブレイク」を英語で表現すると「icebreak」ですが、日本で使われている意味を海外の人に伝える場合は「break the ice」という言葉になります。

もとは、「緊張を解きほぐす」「場を和やかにする」という意味で「break the ice」が使われていましたが、日本においてカタカナ用語にする際に「アイスブレイク」に変化しました。そのため、英単語表現はできるものの、「アイスブレイク」は和製英語といえます。

なお、英語圏で「break the ice」はこのように用いられます。

・break the ice by~(~して緊張を解きほぐす)
・break the ice with~(~の緊張を解きほぐす)
・I offered her a cup of tea and tried to break the ice.
(私は彼女に紅茶を出し、アイスブレイクしようとした。)

英語圏の人とのアイスブレイクのポイント

「アイスブレイク」は、場の空気を和ませるのが目的なので、ネガティブな発言や会話の内容はNGです。そのほかのポイントを簡単にまとめると次のようになります。

・出身地、天気のことなど、お互いの共通点を見つける。
・学歴、宗教など、プライベートに踏み込む内容は避ける。
・各個人で考えがまちまちである政治の話は避ける。
・会話が続くよう、質問形式にする。

会話例もいくつか紹介しておきます。

アイスブレイクにおすすめの例文

・It’s hot today.Was it hot where you live too?
(今日は暑いですね。あなたのお住まいの地域も暑かったですか?)
・How long have you been in Japan?
(日本に来てどのくらいになりますか?)
・How long will you stay in Japan?
(日本での滞在期間は?)
・Are there any places you would like to visit in Japan?
(日本で行ってみたい場所はありますか?)

日本のビジネスシーンにおける「アイスブレイク」とは

初対面や、あまり親しくない人が集まって行われる会議もよく行われますが、場の空気が硬い状態だと良い意見交換ができません。自由な発言がしやすい状況を作るため、ビジネスシーンにおいても「アイスブレイク」は重要だと考えられています。そのほか、会議だけでなく、プレゼンや研修などでも、参加者同士が打ち解けやすいよう、「アイスブレイク」を用いることが多いです。

アイスブレイク実施のメリット

・初対面同士でも打ち解けられる
・場の空気が和らぎいろいろな意見が出やすい
・会に馴染むことで積極的に参加しやすくなる

ビジネスで使われるアイスブレイクの例

ビジネスシーンにおいての「アイスブレイク」は重要な要素だということがわかっても、どのようにすればいいのか迷う人もいるでしょう。ここではよく使われる例をいくつか紹介しておきます。

「自己紹介」「他己紹介」

新しく担当になって初めての顧客対応の場合は、簡単な自己紹介をすることでアイスブレイクになります。また、担当者が増える、担当者が変わるなど、新しい人を紹介する場合は、その人の紹介、つまり「他己紹介」から話を広げる方法もあります

地域の話題

都会にある企業から緑豊かな環境の企業に訪問したときなどは、「やはり緑に囲まれて仕事をするのはいいですね」「そろそろ稲穂も重くなってきましたね」というように、その地域に馴染み深い内容の話をすると、相手も返答がしやすいので、アイスブレイクの話題としてはおすすめです。

天気の話題

「今週はうっとうしい日が続きますね」「今日は暑いですね」など、当たり障りのないない天気の話題は、話をすることが苦手な人でも使いやすい手法です。

アイスブレイクに適さない話題

「アイスブレイク」は、その場の空気を和ませるのが目的なので、緊張感をもたせたり、場の空気を凍りつかせる話題は避けなければなりません。英語圏同様に、日本においても、さまざまな考えがある政治や宗教の話題はふさわしくありません。

また、学歴など個人のプライベートに関する話題は避けましょう。芸能ネタについては、相手の好みを知っている場合は問題ないですが、わからない場合は安易に話題にするのはやめたほうがいいです。

「アイスブレイク」の使い方・例文

ビジネスシーンでは、まだ緊張感たっぷりの新入社員研修をはじめ、通常の会議やプレゼンなどで用いられることが多いです。

「アイスブレイク」を使った例文

アイスブレイクで緊張がほぐれたせいか、とても活発な意見交換が行われていた。
・会議前のアイスブレイクではみんな積極的に話をしていたのに、会議に入ったら静かになってしまった。
アイスブレイクを設けてから会議を開始したときは、いつも活発な意見交換ができているように感じる。

「アイスブレイク」の類語・言い換え

「アイスブレイク」をわかりやすい日本語でいうと次のようになります。

「アイスブレイク」の言い換え表現

・雰囲気づくり
・環境づくり
・ムードづくり
・雰囲気づくり など

そのほか、カタカナ用語の類語としては「ファシリテーション」があげられます。

「ファシリテーション」の意味

①物事を円滑に行えるようにする。
②スムーズに進行できるよう支援する。
③活動に至るまでの過程や実行動が簡単に行えるようにする。
④取り仕切る
⑤仲介する など

「アイスブレイク」には、④や⑤の意味は含まれていませんが、場の空気を和ませることでスムーズな進行につなげることができるため、①~③の意味では類語といえます。

学生の間でも「アイスブレイク」は行われる

小学校のクラスなどでアイスブレイクを用いる場合は、クイズや簡単なゲームが行われることが多いですが、中学生や高校生になると小学生のような活発さがありません。そのため、ネット上やテレビの中で流行っていることを話題にするほうが場の空気は和みやすいです。

大学生のアイスブレイクは頭を使うものがおすすめ

小学校~高校までのアイスブレイクとは異なり、少し頭を使うような事柄を選ぶのがおすすめです。例えば、その週に起こった出来事の発表、心理テスト、自己紹介などは、準備するものもほとんどなく手軽にできます。また、現代ではオンラインでの授業や研修も行われているので、「家にあるものでのしりとり」「ミュート機能で何を言ったかあてるゲーム」とういのもあります。

正しい「アイスブレイク」で有意義な時間を過ごそう

「アイスブレイク」がうまく行えるかどうかでその後の会議や研修などの充実度が変わってきます。間違った話題を振ることなく、相手に併せた話ができるよう、日頃から準備をしておきましょう