「平素」とはどんな言葉?
「平素」の意味は、「普段」「いつも」「常日頃」です。
類語は、「毎々」「日頃」。
英語で表すときは、「always」を使います。
「平素」とはどんな意味?読み方は?
「平素」の読み方は「へいそ」。次の意味をもつ言葉です。
・いつも
・常日頃
「平素」は畏まった印象のある言葉のため、書き言葉として使われることがほとんどです。ビジネスでは挨拶状や案内状、お礼状、詫び状などの改まったビジネスメールや、手紙の冒頭の挨拶文でよく用いられています。
また、「平素の努力が実を結ぶ」などのように、副詞として使用される場合もあります。
「平素」を使うときの注意点
「平素」は使い方を誤ると違和感のある表現になったり、相手に失礼な文章になったりします。間違いがない使い方ができるように、「平素」を使用するときの注意点を頭に入れておきましょう。
初めての人には使えない
「平素」は「いつも」という意味のため、初めて会う人や、初めてではないにしてもほどんど付き合いがないような相手への挨拶には使えません。
ただし、通信販売でいつも注文してもらっているお客様など、普段から取引している相手に何らかの理由でメールや手紙を送るときは、初めての場合でも挨拶に「平素」を使用することができます。
親しい相手や社内の人には使わない
「平素」は畏まった言葉のため、お客様や取引先の人に対する文章であっても、普段から親しくしている相手には向きません。親しい相手に使ってしまうと、よそよそしい印象を与えてしまいます。
また、一般的には社内の人間に対して「平素」を使用することはありません。しかし、上下関係の厳しい企業では、社風によって社内の挨拶文でも「平素」を用いているところがあります。社内で「平素」が使われている気配を感じた場合は、先輩などに社内ルールを確認することをおすすめします。
「平素」の前後も畏まった表現にする
畏まった印象のある「平素」は、前に来る文や後につなげる文章も畏まった物言いでないと、全体として違和感のある表現になってしまいます。
「平素よりお世話になってます」や「平素からのご注文ありがとうございます」などの、くだけた印象の文章で「平素」を使わないようにしてください。
「平素」の使い方を例文で学ぼう
「平素」の意味や、挨拶文として使うときの注意点がわかったら、実際の使い方を例文でイメージしてみましょう。
・平素よりお世話になっております。株式会社〇〇の山田でございます。
・お客様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
・平素より当ショッピングセンターをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
・平素より、当社の活動に関しまして、多大なるご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
・平素は大変お世話になっております。この度は、弊社2022年〇月△日付人事異動についてのご連絡でございます。
・平素はお世話になっております。株式会社〇〇より、新製品発表会を開催することが決定いたしました。
・平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。誠に勝手ながら、下記の期間当社の営業時間を変更させていただきます。
・平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。さて、株式会社〇〇は、食品ロスを減らすことを目指した新商品を発売することとなりました。
・平素は弊社のサービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
例文を見てもわかるように、「平素」を挨拶文として用いるときは、「平素より」と「平素は」の形で使用されるケースがほとんど。この2つの言い回しは、若干ニュアンスの差がありますが、同じように使えるので違いはあまり意識しなくても大丈夫です。
「平素」の類語・言い換え表現
「平素」の類語は、「毎々(まいまい)」「日頃」です。それぞれの意味や使い方をおさえておきましょう。
いつも。毎回。その度ごとに
【例文】
・毎々格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
・毎々お世話になっております。
普段。常日頃
【例文】
・日頃より格別のご愛顧を賜り御礼申し上げます。
・日頃より大変お世話になっております。
ちなみに、「平素」に対義語はありません。
「平素」は英語だと?
「平素」は英語では、「always(いつも、常に)」を使って表せます。
例えば、「平素より大変お世話になっております」を英訳するときは、次のようにいうとニュアンスを伝えられます。
Thank you always for your cooperation. :いつもご協力ありがとうございます。
「平素」は相手を選んでうまく使おう
「平素」は、畏まったビジネスメールや手紙などでの挨拶言葉によく使われます。
「いつも」という意味のため、初めて関係を持つ人には使用できません。また、畏まった言葉なので、親しい相手や社内の人に用いると、他人行儀な印象になってしまいます。
相手を選んで、上手に「平素」を使えるようになりましょう。