「カウンターパート」の意味や使い方は?類語、言い換え、関連語、英語も紹介

「カウンターパート」とは「自分と対等の立場にいる相手」のこと

「カウンターパート」とは、社内ではなではなく、自分が所属するところとは別の組織で、自分自身と対等の立場にいる相手のことを意味する言葉です。簡単にいえばビジネスパートナーですが、対等であるか否かがポイントになります。

カタカナ用語が多く飛び交う現代においては、知っておいたほうがいい言葉のひとつといえるので、これを機に英語表現、類語なども含めて覚えていってください。

「カウンターパート」の英語は「counterpart」

「カウンターパート」は英語で「counterpart」と表記し、「同等の人/もの」のほか、「相手役」「片割れ」や「一方」という意味で使われています。「counterpart」を使った熟語も少し見てみましょう。

・export counterpart(輸出相手国)
・foreign counterpart(外交相手)
・have a counterpart to ~(~に相当するものがある)

また、「同等の立場の人」のニュアンスでこのような使い方もします。

The professor talked to her counterpart in Columbia.
(その教授はコロンビアの教授と話をした。)

「その教授」が「counterpart」としている人なので、同等の立場なのは、「教授」ということになります。その人がいるのが「コロンビア」にいるので、「コロンビアの教授」になるわけです。

日本語においての「カウンターパート」とは

日本のビジネスシーンにおいての「カウンターパート」は、主に「仕事をするうえで協力してくれる相手」を指しています。しかし、事業によって協力形態は異なるので、どんなカウンターパートがあるのか比較しながら見てみましょう。

海外事業

今では、日本の企業であっても、国内だけにとどまらず、海外に支店や工場をもっているところは多いです。海外拠点立ち上げの際、もちろん国内の従業員も動きますが、どうしても現地に詳しい協力者が必要になります。このような、現地受け入れの窓口になってくれる機関が「カウンターパート」にあたります。

IT業界

ITの業務を事業としている企業とは違い、商社やメーカーではシステム開発や運用などは外部に委託し、簡単な管理は自社のIT担当部署で行っていることが多いです。この場合、IT企業とユーザーとなるIT担当部署が「カウンターパート」の関係になります。

コンサルティング業界

多くの企業は、運営についての助言や指導を行ってもらうため、「コンサルタント」と契約をし、定期的に面談の場を設けているものです。この場合、コンサルタントと、コンサルティングを依頼するクライアントが「カウンターパート」の関係になります。

「カウンターパート」と「パートナー」との違い

「パートナー」には次の3つの意味があります。

①ダンスやスポーツなどで二人組になる際の相手
②配偶者
③共同で仕事をする際の相手。

ビジネスシーンにおいては③の意味で使われますが、自分自身と同等の立場の人に限らず、上司などの目上の人も含まれます

一方、「カウンターパート」は「同等の立場」が条件となるため、「パートナー」とは異なります。

「カウンターパートナー」は間違い

「カウンターパート」は仕事をする際のパートナーであるため、「カウンターパートナー」と言う人もいますが、これは間違いです。英語の中でも「カウンターパートナー」という言葉はないので、誤った使い方をしないよう注意してください。

「カウンターパート」の使い方・例文

「カウンターパート」は意味が明確になれば使い方は難しくありません。わかりやすい例文をいくつか紹介するので、場面を想像しながら読んでみてください。

例文
・A社資材部の田中さんは私のカウンターパートです。
・オーストラリアに工場を作る計画があるので、早急にカウンターパートを探してもらいたい。
・今のコンサルタントに助言してもらうようになってから、業績が大幅にアップした。本当にいいカウンターパートに出会ったものだ。
カウンターパートの協力のおかげで業務がスムーズに行えるようになった。
・イギリス支店開設のためのカウンターパートがなかなか見つからないので、B社の海外事業部から紹介してもらうことになった。

「カウンターパート」の類語・言い換え

「カウンターパート」を日本語で言い換えたい場合は次の言葉が使えます。

「カウンターパート」の言い換え表現
・対等者
・同等の人
・相手方

「カウンターパート」は、役職やポジションなど、立場が同等でないといけませんが、仕事をするうえでは「協力者」や「協力企業」と表現する場合も多いです。

例文

・A社資材部の対等者は〇〇さんです。
・B社が協力企業になってくれたお陰で、大幅な予算削減が実現した。

「カウンターパート」の関連語

「カウンターパート」には「カウンターパート〇〇」といった関連語がいくつかあります。ここでは、「カウンターパート方式」「カウンターパートリスク」について解説します。

カウンターパート方式

「カウンターパート方式」を簡単な言葉で表現すると「災害支援システム」で、被災した自治体に対し、避難した人の受け入れなどを行う自治体、警察、医療を割り当て、継続的な支援を続けていくシステムのことをいいます。

この場合は、「被災した自治体」と「支援する自治体」が「カウンターパート」の関係性にあたります。

カウンターパートリスク

「カウンターパート」は、お互いに協力関係にあるため、片方になんらかの危機に陥ると、その影響を受けてしまうというリスクがあります。これを「カウンターパートリスク」といいます。

「カウンターパート」に似ている「カウンターパーティー」とは?

「カウンターパーティー」は、為替やデリバティブなどの金融取引における取引相手のことを指します。広い意味では「カウンターパート」にあたるため、「カウンターパーティー=カウンターパート」と解釈される場合もありますが、金融用語としては「カウンターパーティ」のほうが一般的に使われています。

良い関係性を築ける「カウンターパート」を見つけよう

仕事をしていく中で、社内だけでは対応しきれず、社外の協力を得なければならない状況は多々あるものです。付き合う「カウンターパート」によっても仕事の良し悪しは左右されるので、探す際は良い関係性を築ける人や企業をぜひ見つけてください。