レイオフとは「一時解雇」の意味?リストラとの違いは?メリットや英語も解説

レイオフとは「一時解雇」のこと

レイオフとは一時解雇のことです。一時解雇というと意味は簡単に思えますが、「リストラ」や「一時帰休」との違いの説明が求められると、困ってしまう方は多いでしょう。

今回は、レイオフの意味やリストラとの違いまで幅広く解説します。労務関連の用語としてこの機会に覚えておきましょう。

レイオフの意味

まずはレイオフとは何か、そして何の目的で行われるのかを解説します。似た意味の言葉として、リストラや一時帰休との違いについても確認しましょう。

レイオフとは?

レイオフは一時解雇のことですが、業績が悪化した企業で、人件費を削減する目的で行う雇用調整です。雇用を一時的に止める状態となり、業績が回復するまでの措置と位置づけられます。

レイオフでは基本的に再雇用が前提となっていますが、再雇用に至らない場合もあり、ケースバイケースといえます。なお、レイオフは製造業などで実施される傾向にあります。

リストラや一時帰休との違い

まず、解雇には「普通解雇」「懲戒解雇」「整理解雇」の3つがあります。このうち、リストラは「整理解雇」にあたり、余剰人員を整理して解雇を行います。リストラの場合は一時的な措置ではないため、前提として再雇用がなく、その点でレイオフとは違いがあります。

一時帰休とは、業績悪化などを理由に従業員を一時的に休業させることです。「自宅待機」や「一時休業」なども同義となります。休業の場合は、休業手当が発生します。雇用関係に関して、レイオフの場合は一時的に解消しますが、休業では維持される点が異なります。

レイオフのメリットとデメリット

レイオフにはどんなメリットやデメリットがあるのか、雇用者と労働者の視点で整理します。

雇用者側

一定期間のコストカットができることがメリットです。加えて、レイオフでは再雇用が前提であるため、人材やノウハウの留保を期待できます。ただ、デメリットというわけではありませんが、日本では労働者保護の観点からレイオフを用いるケースは少ないことが実情です。主にアメリカなどでレイオフが選択されています。

労働者側

一般的には勤続年数が短い順にレイオフの対象となり、一時的とはいえ職を失うことには変わりなく、どうしてもマイナスなイメージはあります。しかし、「特別退職金」が出る場合もあります。勤続年数によっては年収に相当する額がもらえるケースもあり、これは大きなメリットとなります。

また、一時的に解雇されている期間を自由に過ごすことができます。もともと企業に対する不満があった場合には、転職を考えるきっかけが得られます。業績が回復しないリスクがある点はデメリットなので、その間に別の道を考える方もいます。

レイオフの使い方・例文

レイオフという言葉は「レイオフする」「レイオフされる」など動詞のような使い方のほか、名詞としても使うことができます。

例文
・田中さんのように勤続年数が長い従業員でもレイオフされるほど、会社の業績は悪化しているようだ。
・アメリカではレイオフ制度を導入する企業は珍しくない。
・このパイロットは半年間のレイオフを経て、訓練を受けた後、久しぶりに航空機を操縦した。

レイオフの英語

レイオフの英語は「lay off」または「layoff」です。日本語と同じように一時解雇という意味があります。アメリカなど北米ではレイオフが実施されてきた経緯があるため、国民にとっても馴染みのある言葉となります。

ちなみに、「解雇する」の意味を持つ英語は「fire」です。「火」の意味を持ちますが、ビジネスシーンでは決まり文句となっています。「君はクビだ!」は「You’re fired!」で伝わります。アメリカの前大統領のトランプ氏もテレビ番組の中でよく「You’re fired!」を使っていました。

サッカーや筋トレにおけるレイオフとは

レイオフといえば「一時解雇」の意味が基本となりますが、サッカーや筋トレなどスポーツ分野においてもレイオフという用語があります。意味が異なるため、参考として確認しておきましょう。

サッカーのレイオフ

サッカーで縦パスを受けた選手の「落としのパス」のことをレイオフと言います。パスを受けた選手が、ワンタッチで前を向いている味方の選手にパスを出してサポートします。3人の選手で行う戦術となります。

筋トレのレイオフ

筋トレにおいてレイオフといえば「完全休養」のことを指します。筋トレを連日行うと、疲労が蓄積されます。疲労感やストレスがあるくらい負荷が多くなっているときは、1週間や2週間などレイオフしてもいいという考え方があります。

レイオフは社会人なら知っておきたい労務関連用語

レイオフは日本で頻繁に実施されるわけではないため、アメリカなどと比べると、馴染みの薄い言葉かもしれません。しかし、パンデミックや景気の影響を受け、業績が悪化する企業も少なくありません。リストラ、一時帰休、レイオフという言葉は、労務関連用語として覚えておいて損はないでしょう。