「オンデマンド」の意味は?授業や印刷のオンデマンドって?例文、類語、英語も紹介

「オンデマンド」とは「要求に応じたサービス」のこと

テレビやインターネットの中でもよく目にする「オンデマンド」は、放送済みのドラマなどの動画配信サービスが広く認知されているため「動画配信」のことだと思っている人も多いでしょう。しかし、「オンデマンド」とは、「利用者の要求に応じて、その都度サービスなどを提供する」という意味をもつ言葉なんです。

本記事では、「オンデマンド」の意味のほか、どのようなオンデマンドが存在するのか、言い換え表現、英語表現などについてもわかりやすく紹介します。

「オンデマンド」の英語は「on demand」

「オンデマンド」は英語で「on demand」と表記し、「要求に応じて」「注文対応の」といった意味をもつ単語として使われています。

・on demand from~
(~からの要求に応じて)
・on demand book
(注文本)
・on demand broadcasting
(オンデマンド放送)
・Karaoke on demand
(通信カラオケ)
・payment on demand
(要求払い)

また、現代はオンライン授業も広く行われていますが、「いつでも見ることができる」という授業は「On-demand class(オンデマンド授業)」や、録画された授業の意味の「Video class」が使われます。

なお、ダウンロード形式の授業については「Downloadeble class」という言葉があります。

日本語においての「オンデマンド」とは

日本では、動画配信サービスのほかにもさまざまな「オンデマンド」があります。ここでは代表的なオンデマンドをいくつか紹介します

VOD(Video On Deamand)

ドラマ、映画などの映像コンテンツを配信するサービスを「VOD(ビデオオンデマンド)」といい、その多くがストリーミング再生になっています。

VODの例

・Amazon Prime Video
・dTV
・FOD
・Paravi
・Hulu
・Netflix
・U-NEXT など

例文

・買い物するためにAmazonのプライム会員になったが、サービスの一つになっているのならVODも利用したほうがお得だよね。
・最近はVODが普及したので、ドラマを録画するといった手間が省けるようになった。

「ストリーミング」と「ダウンロード」

「ストリーミング」と「ダウンロード」の違いは次のとおりです。

【ストリーミング】
一定量に達するまでダウンロードし、以降は再生しながら継続的にダウンロードが行われます。
【ダウンロード】
デバイスにすべての動画をダウンロードするため、再生時にはインターネット接続は不要です。

オンデマンド出版

本や書籍において、利用者の要求で必要な数量を提供するシステムで、「オンデマンド出版」や「オンデマンド本」と呼ばれており、提供方法が3種類あります。

【プリントオンデマンド】
印刷して製本するという、一般的な書籍の形式です。
【ネットワーク型オンデマンド】
ネット配信し、利用者はダウンロードして読む形式です。
【パッケージ型オンデマンド】
CD-ROMやメモリーカードにデータを入れて提供する形式です。

例文

これまでは荷物が増えるので1~2冊の本を持ち歩くのが精一杯だったが、オンデマンド出版が登場してからたくさんの本を外で読めるようになった。

オンデマンド印刷

オンデマンド印刷とは、レーザーの静電気でドラムユニットに文字や図柄を描き、描いたところにトナーを定着させて印刷する仕組みで、レーザープリントよも呼ばれています。短時間で乾燥するメリットはあるものの、色の再現性には限界があるといった特徴があります。

例文
顧客向けのハガキはオンデマンド印刷にしよう。

オンデマンド授業

インターネット経由で、教室で行う授業の一部、または授業の全部を代替えする仕組みです。非同期のため、自分のペースで授業が受けられます。大学の授業では「オンデマンド講義」と呼ぶ場合もあります。

そのほか、定期的にインターネットを利用した、「eラーニング」を社内研修として取り入れている企業がありますが、これも一種のオンデマンド講義といえます。

例文
コロナ渦で対面での授業が減り、オンデマンド授業に切り替わる科目が増えた。

動画のオンデマンド配信のメリット・デメリット

多くの人が利用しているVODは、便利なサービスのため、メリットばかりが目につくかもしれませんが、デメリットもあるということを覚えておきましょう

メリット

・好きなタイミングで好きな動画が観られる。
・製作側は、何度でも撮り直しが可能。
・SNSなどでの宣伝がしやすい。

デメリット

・双方向ではないため、視聴者とのコミュニケーションがとりにくい。
・いつでも視聴できるため、観てほしいタイミングで観てもらえない。

「オンデマンド」の類語・言い換え

オンデマンドをほかの言葉に言い換える場合は、「動画配信サービス」など、前述したそれぞれのサービスの名称となりますが、類語には、「2WAYコミュニケーション」や「オーダーメイド」があります。

2WAYコミュニケーション

双方向通信のことで、情報の発信者と受け手側が双方向でやり取りが行われる仕組みのことを「2WAYコミュニケーション」といいます。例としては、「アマチュア無線」「チャットルーム」「インスタントメッセージ」などがあげられます

オーダーメイド

情報の受け手の要求によって、という点においてはオンデマンドと同じですが、「オーダーメイド」はカバン、衣服など、物に対しての要求を指します

「オンデマンド」の関連語

「オンデマンド」の意味を理解するうえで、セットで覚えておきたい関連語があります。

クラウドゲーム

コンピューターゲームをストリーミング配信するサービスを「クラウドゲーム」といいます。クラウドコンピューティングという言葉が広く知られる以前は「ゲームオンデマンド」と呼ばれていました。

オンデマンドコマース

「コマース」とは、「取引・通商・貿易」の意味をもっており、「オンデマンドコマース」とは、顧客から受注してから、商品の仕入れや製造を行う形態を指します。そのため「受注生産」と呼ばれるものも「オンデマンドコマース」にあたります。

「オンデマンド」の意味を正しく理解して便利に活用しよう

インターネットが普及している現代においては、動画配信以外にも多くの「オンデマンド」が存在します。それぞれの分野で細かい形式は異なりますが、「要求に応じたサービス」の前提は同じだということを理解しておきましょう