「辛辣」とは「とても手厳しい」という意味
辛辣とは、「とても手厳しい」ことを指す言葉で、現代のネット内では「辛辣で草」といった使い方をよく見かけます。これは、「辛口コメントで笑える」ことを意味しますが、ネット用語の意味と本来の意味は同じなのでしょうか。本記事では、「辛辣」の正しい意味や使い方のほか、類語、言い換え表現、英語表現などもわかりやすく紹介します。
なお、「辛辣」の対義語は、「柔和(にゅうわ)=優しくて穏やかなさま」や「遠慮=他人への言動を控えめにすること」「優しい」「情け深い」などがあてはまるので、併せて覚えておきましょう。
「辛辣」の読み方・意味
「辛辣」は「しんらつ」と読みます。それぞれの漢字の意味は次のとおりです。
【辛】
・五味のひとつである「からい」
・つらい。くるしい。
【辣】
・味がピリッと辛いこと。
・きびしい。むごい。
どちらも同じような意味をもつ漢字であり、それが二つ組み合わさることで、「極めてからい味」を表す場合と、「極めて厳しいさま」を表す場合があります。
しかし、現代においては、「極めて厳しい」「とても手厳しい」の意味で使われることが多いです。
「辛辣」の使い方・例文
「辛辣」は、「辛辣な〇〇」というような形容詞として使ったり、「辛辣さ」と名詞として使ったりするのが一般的です。
・今日の会議では辛辣な言葉を受けたが、自分が準備不足だったので仕方がないことだ。
・辛辣な意見こそ耳を傾けるべき助言が多いと思う。
・どんなときでも辛辣な態度で接してくる〇〇さん、今とても忙しそうだが、誰も手を貸そうとはしない。
・辛辣なコメントが多くても、正しいと思ったことは貫いてほしい。
・彼を目覚めさせるにはまだまだ辛辣さが足りない。
ネット用語「辛辣で草」の意味や使い方は?
ネット上で「笑い」を表現する際に「w」を使いますが、非常に面白いときには「wwwww」と重ねます。これが、草原の「草」をイメージさせることから、「笑い」を「草」の漢字で表すことも多いです。
つまり、「辛辣で草」は、「辛口すぎて笑える」「手厳しさに笑ってしまう」といった意味で使われるわけです。
「辛辣」の類語・言い換え表現
「辛辣」を別の言葉に言い換えたい場合は次のようなものが使えます。
・歯に衣着せぬ
・ずけずけと物を言う
・厳格な
・容赦のない
・シビアな など
また、熟語では「辛口(からくち)」「痛烈(つうれつ)」「毒舌(どくぜつ)」があります。
【辛口】
・評価や意見などが厳しいこと。
【痛烈】
・批判や攻撃などが非常に手厳しく行われること。
【毒舌】
・非常に手厳しい言葉を投げかけたり、悪口・皮肉を言ったりすること。
・辛口な意見が多すぎる会議だった。
・痛烈な批判に心が折れそうになった。
・彼の毒舌にはもう耐えられない。
「辛辣」の英語表現
「辛辣」を英語で表現したい場合は、「手厳しい」「とげとげしい」「心を傷つかせるような」などの意味をもつ「harsh」が一番使いやすいでしょう。
・Too many harsh opinions.
(辛辣な意見が多すぎる。)
・He is a very harsh person.
(彼はとても辛辣な人である。)
・You should not talk about it in such a harsh way.
(そのような辛辣な言い方はやめたほうがよい。)
「辛辣」の意味を理解し正しく使おう!
人の成長に、ときには「辛辣」な言葉も必要です。しかし、その人のためにと思っていても、性格によっては萎縮して逆効果な場合もあります。そのため、「辛辣な言葉」を投げかける場合は、思いつきで口にするのは控えたほうが懸命です。
また逆に、人から向けられる「辛辣」な言葉や態度は、ただの皮肉の場合もあると思いますが、自分では気づいていない部分を指摘してくれている場合もあります。「辛辣だ」と単純に受けるのではなく、その言葉や態度の意味をしっかりと考えるようにしましょう。