アライアンスとはどんな意味?メリット、デメリット、関連語も解説

アライアンスとはどんな言葉

アライアンスの意味は「同盟」「縁組み」。ビジネスの場合は、「業務提携」「戦略的同盟」という意味になります。

アライアンスの類語は、「企業同盟」「企業連合」「企業提携」です。

英語で表すときは、「alliance」を使ってください。

アライアンスとはどんな意味

アライアンスという言葉そのものの意味は、「同盟」「縁組み」「連合」「提携」です。

ビジネスの場合は、次の意味になります。

アライアンス
・業務提携
・戦略的同盟

アライアンスは、複数の競合企業や異業種企業が、利益追求、業務拡大、新規事業の立ち上げ、販売力・技術力の強化など、共通の目標を目指すために協力的な体制をとる経営スタイルです。

それぞれの企業が、資金や技術、人材などの経営資源を提供することで相乗効果が期待できます。

アライアンスは英語だと?

アライアンスを英語で表すときは、「alliance」を使います。

alliance
・互いに利益を得るための同盟を結ぶこと
・同盟関係
・同盟国、同盟団体、提携国、提携団体
・性質や形態の近縁、類似
・縁組み、結婚による姻戚関係

カタカナ語のアライアンスの意味はすべて、英語の「alliance」の意味に含まれているので、英訳するときはいつでも「alliance」を使用できます。

アライアンスとM&Aの違い

M&Aは、「Mergers(合併) and Acquisitions(買収)」を略した言葉で、「企業の合併・買収」という意味です。M&Aは異なる企業がひとつの企業になります。一方、アライアンスはそれぞれの企業が独自性を維持したまま協力体制を取っており、ひとつの企業になるわけではありません。

アライアンスでも企業がお互いの株式を持ち合ったり、一方の会社が相手の企業の株式を取得したりする資本提携が行われる場合もありますが、経営への影響を最小限にし、独自性を維持するためにも株式比率を1/3未満にするのが一般的です。

注意
アライアンスとM&Aは違うものと考えるのが一般的ですが、M&Aがアライアンスといわれる場合もあります。どちらのニュアンスで使われているかは、文脈から判断してください。

アライアンスのメリット

アライアンスにより、企業は次のようなメリットを得られます。

メリット
・それぞれの企業が負担する資金や労力を、すべて自社で行う場合よりは節約できる
・お互いの経営資源を活用することで、互いの苦手分野を補うことができ、顧客によりいいサービスや商品を提供できる
・相手の企業がもつ知識やノウハウなどを習得できる
・相手企業の社員との人材交流を通じて刺激を受け、自社の社員のモチベーションがアップする
・企業間に上下関係がなく、対等な立場でビジネスに関わるため、M&Aよりも早く契約をまとめることができ、事業を早く展開できる
・M&Aよりも解約がしやすいため、失敗したときのリスクを小さくできる

アライアンスのデメリット

アライアンスはメリットがたくさんありますが、いいことばかりというわけでもありません。次のようなデメリットもあるため、アライアンスについて検討するときは、メリットとデメリットをあわせて考えるようにしてください。

デメリット
・相手企業に自社の技術やノウハウを盗まれる恐れがある
・相手企業経由で、顧客データや技術、ノウハウなどの情報が外部に流出するリスクがある
・現場で衝突が起こる可能性がある
・成果が保障されているわけではない
・どちらか一方のメリットがなくなった時点で、それ以降の協力関係を維持することが難しくなる

アライアンスの使い方を例文で学ぼう

アライアンスの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・類似のサービスを提供する企業のアライアンスに参画することを決めた。
アライアンスに加盟する。
・異業種とのアライアンスをまとめる。
・業界で、アライアンスが盛んに実施されている。
アライアンスを通じて事業を拡大する。

アライアンスの類語・言い換え表現

アライアンスにカタカナ語の類語はありません。言い換えが必要な場合は、日本語の「企業同盟」「企業連合」「企業提携」を使ってください。

例文
・同業者で組織する企業同盟に参加する。
・企業連合の技術をもとに新製品を開発する。
・企業提携により、充実したサービスを提供できるようになった。

航空業界でのアライアンス

航空業界でのアライアンスは、複数の航空会社が提携、同盟を組んで作られる国際的な組織です。いくつかありますが、規模が大きいのは、「スターアライアンス」「ワンワールド」「スカイチーム」の3つ。世界的な大手航空会社はほぼすべて、この3つのうちのどれかのアライアンスに加盟しています。

アライアンスに加盟する航空会社が契約する内容は、そのアライアンスによって異なりますが、次のような提携が結ばれていることが多いです。

・コードシェア便(共同運航便)の運航
・マイレージプログラムの相互提携
・チェックインカウンターや空港ラウンジなどの相互利用
・整備面での協力
・燃料や部品の共同調達
・事故など非常事態が起こった場合の対応の協力

複数の航空会社がこれらを協力して行うことで、経営コストの削減や顧客サービスの充実が図れます。

航空会社に多くのメリットを与えてくれるアライアンスですが、加盟するためには一定レベルの安全運航基準やサービスの基準を満たす必要があり、加盟後も基準をクリアできているか定期的に確認されます。アライアンスのメリットを得続けるためには、航空会社自身も努力して業務全体の質を維持・向上させなければなりません。

覚えておきたいアライアンスの関連語

アライアンスは、ほかの言葉と組み合わせて熟語として使われることもあります。アライアンスの関連語の意味も確認しておきましょう。

アライアンスの関連語
アライアンス契約とは:アライアンスするための契約
アライアンスパートナーとは:アライアンスの契約を結んだ相手企業のこと
アライアンス企業とは:アライアンスパートナーと同じ意味

アライアンスは、企業名に使用されることもあります。

社名に使われているアライアンス
アライアンスパーソネル:ハワイの人材派遣会社。ハワイのローカル企業や日系企業に強く、日本語で就職相談ができる
アライアンス・バーンスタイン株式会社:ニューヨークに本社がある大手資産運用会社アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーの日本法人

【おまけ】ゲームでのアライアンス

アライアンスは、ゲームでも使われています。興味のあるゲームがないか探してみてください。

アライアンス・アライブ
アライアンス・アライブは、魔族に支配された人間の世界を舞台にした全年齢対象RPG。

2017年にニンテンドー3DS用のゲームが発売され、その後、PlayStation 4、ニンテンドーSWITCH、PC、iOS、Android向けのHDリマスター版も発表された。攻略に役立つサイトがインターネットで公開されている。

アライアンスレイド
アライアンスレイドは、ファイナルファンタジーXIV(FF14)で使われている用語。

FF14では、レイドコンテンツ(多数のプレイヤーが協力して、強敵を攻略するコンテンツ)は、通常1パーティ8人で行われる。アライアンスレイドはこのパーティを3パーティ集め、24人で攻略に挑む変則的なバトルコンテンツ

アライアンスの意味を理解しておこう

「業務提携」「戦略的同盟」を意味するアライアンスは、ビジネスではよく使われるカタカナ語です。似たような言葉にM&Aがありますが、この2つはニュアンスが違います。

アライアンスや関連語の意味を正しく理解し、耳にしたときに困らないようにしましょう。