バーンアウトとはどんな言葉?
バーンアウトの意味は、「燃え尽き症候群」です。
類語は、「抜け殻のようになる」「腑抜けになる」「気持ちが折れる」。
英語で表すときは、「burnout」を使います。
バーンアウトとはどんな意味?
バーンアウトは、次の意味をもつカタカナ語です。
バーンアウトは、アメリカの精神心理学者 ハーバート・フロイデンバーガー氏が名付けた症状です。強い責任感を持って熱心に仕事をしていた人や、使命感に燃えて精力的に業務に没頭していた人が、ある日突然仕事に対するやる気や熱意を失ってしまう状態を表します。
心身にかかる負荷が限界を超えてしまい急に発症する場合や、熱心に取り組んでいた仕事に一区切りついたことがきっかけで心の緊張の糸が切れ発症するケースが多いです。
バーンアウトは、「バーンアウト症候群」や「バーンアウトシンドローム」と呼ばれることもあります。
バーンアウトの症状
バーンアウトの状態になると、次のような症状が現れます。
・朝起きられなくなる
・会社に行きたくなくなる
・食欲が低下する
・片頭痛やめまいなど、身体的な不調を感じる
・アルコールの量が増える
・今まで楽しいと感じていた仕事がつまらなくなる
・人と話したくなくなる
・同僚やお客さんの顔をみるとイライラするようになる
・今までできていた周囲に対する気配りができなくなり、いい加減な対応をしたり、思いやりのない態度で接したりするようになる
・仕事終わりに感じていた達成感がなくなる
・仕事に対して感じていた有能感がなくなり、虚しさや自己嫌悪の気持ちがわいてくる
急に遅刻が増えたり、欠勤が続いたり、業務や人に対して無気力で感情のない様子をみせたりするようになったら要注意です。
バーンアウトになりやすい人
バーンアウトは、仕事で過剰に心のエネルギーを使い続けることで発症するといわれています。
人と接し、密にコミュニケーションを取る仕事には、心のエネルギーがたくさん必要です。そのため、医師や看護師、介護職、教師、接客サービス業などでバーンアウトになりやすいといわれていました。しかし、現代では業種に関わらず心身にストレスがかかる状況が増えているので、あらゆる職種でバーンアウトを発症する可能性が高まっています。
次のような人は要注意
職種に関わらず、働く人はみなバーンアウトに気をつけたほうがいいですが、次のような人はとくに注意が必要です。
・仕事関係者やお客さんと深い信頼関係を築こうと頑張る人
・残業や休日出勤が多い、ノルマが厳しい、重労働をしている、勤務時間が不規則など、身体への負担が大きい仕事をしている人
・精神的なストレスが大きい仕事をしている人
・職場の人間関係に悩みや苛立ちを感じている人
・仕事に追い立てられて休む暇がないほど忙しい人
・会社から正当に評価されていない、仕事内容に見合った給料をもらえていないと感じている人
・テレワークで仕事とプライベートの区切りがあいまいになり長時間働いている人
・プライベートに大きな問題を抱えている人
・新入社員や転職者、他部署からの異動者など、新しい職場環境に入って日が浅い人
インターネットで調べると、バーンアウトになっていないか診断できるサイトをみつけられます。あてはまる人は調べてみてください。
バーンアウトとうつ病の違い
バーンアウト(バーンアウト症候群)とうつ病は、似ているけれど違うものといわれています。
うつ病は、精神疾患のひとつです。興味や喜びの感情が消えて一貫して気分が落ち込みます。自分を罰する思考に陥ってしまうのも特徴です。
バーンアウトは発症すると、心身の疲労によって仕事に対する強い不安を感じやすくなります。また、周囲に対する思いやりの気持ちを失い、イライラが増加するという特徴もあります。
バーンアウトは、機能不全や激しい疲労状態であって、まだ精神疾患ではありません。しかし、バーンアウトからうつ病に移行する場合もあります。うつ病が悪化すると社員が退職してしまったり、最悪自殺してしまうケースも。バーンアウトを甘くみるのは、得策ではありません。
バーンアウトの立ち直り方・治し方
バーンアウト(バーンアウト症候群)が疑われる場合は、ためらわずに医師に相談するのがおすすめです。
セルフケアでは、通常よりも長く睡眠時間を確保するようにし、日中も適度な休息を心がけてください。疲労を感じたら、すぐに休息を取るようにします。頑張りすぎないように、考え方を変えるのも効果的です。
また、職場の上司に相談し、仕事上のストレスから離れる方法を探すことも重要。部署の変更や雇用契約の変更など、会社に対策を取ってもらうのが難しい場合は、休職するのもひとつの方法です。
バーンアウトを予防するには
バーンアウトを予防するには、まず、健康第一を肝に銘じ、どんなに忙しくても食事と睡眠はしっかりとることが重要です。
人に接する仕事では、自分の役割や立場をわきまえ、相手に共感しすぎないほどほどの距離感を意識しましょう。職場とプライベートのそれぞれに、相談できる相手をみつけてください。
仕事とプライベートの線引きをしっかりする必要もあります。趣味に没頭したり、友人と遊ぶ時間を確保したりして、楽しい息抜きの時間を意識的に作りましょう。
バーンアウトの使い方を例文で学ぼう
バーンアウトについてわかったら、次は言葉の使い方を例文でイメージしてみましょう。
・職場環境を整えたことで、従業員のバーンアウトが減少した。
・テレワークにより、バーンアウトの問題が増加していることがわかった。
・5月はバーンアウト状態に陥る社員が増える時期だ。
・BTSのテヒョンとジンは、バーンアウトを経験したことを告白している。
バーンアウトは英語だと?
バーンアウトを英語で表すときは、「burnout」という単語を使います。
・疲れ切った人、燃え尽きた人
・電気器具の焼損
・ロケットの燃焼終了
英語の「burnout」は、「燃え尽き症候群」以外の意味で使用されることもあるので、英文を和訳する場合は気をつけてください。
バーンアウトの類語・言い換え表現
バーンアウトの類語は、「抜け殻のようになる」「腑抜けになる」「気持ちが折れる」です。次のように使います。
・時間をかけて準備してきた企画が中止になり、彼は腑抜けになってしまった。
・クレーム対応に気持ちが折れる。
【おまけ】その他のバーンアウト
ビジネスでバーンアウトといった場合、「燃え尽き症候群」を意味するケースがほとんどです。しかし、別の分野では、バーンアウトが異なる意味で使われることもあります。どのようなバーンアウトがあるかみてみましょう。
カーアクションやスタントを傍若無人に駆使し、ライバルの車や障害物の数々を文字通り破壊しながらゴールを目指す。
スタート前にタイヤを空転させて摩擦でタイヤを温め、グリップを高める方法。派手な白煙が上がるため、会場を盛り上げるパフォーマンスとしても使われる。
バーンアウトしない働き方を意識しよう
バーンアウトの意味は「燃え尽き症候群」です。
現代の働き方には、バーンアウトの原因になるストレスがたくさんあります。日頃から心身に気を配り、バーンアウトしない働き方を心がけましょう。