「ボット」とは「自動で作業を行うプログラム」のこと
「ボット」とは、「特定の命令に従い、自動的に作業を行うプログラム」を指すカタカナ用語です。ネット上では頻繁に使われていますが、実は人の代わりになって作業などを行う「ロボット(robot)」の略語なんです。本記事では、「ボット」の種類や会話の中での使い方のほか、類語、言い換えなどについてもわかりやすく紹介します。
なお、対義語は、「手動」や「操作が手動であること」の意味をもつ「マニュアル」になるので、併せて覚えておきましょう。
「ボット」の英語は「bot」
「bot」は英語でも「robot」の略語で、海外でも使われている言葉です。日本では、SNSなどで自動配信する「bot」が有名ですが、人が問いかけた内容に対して自動的に返答する「チャットボット」が広く使われています。チャットボットの詳しい説明については後述するので、ぜひこのまま読み進めてください。
日本語においての「ボット」とは
日本でカタカナ用語として使われている「ボット」とは、次のようなものを指しています。
◆特定の命令に従い、自動的に作業を行うプログラム
◆ネット上の操作を自動化するためのプログラム
複雑なプログラムが必要で、IT分野にはそれほど詳しくない、という人にとっては、あまり馴染みが無いと思うかもしれません。しかし、生活中にも意外と「ボット」は取り入れられているんです。
チャットボット
「チャットボット」とは、「チャット+ロボット」から生まれた造語で、人がテキストや音声で問いかけた内容に対し、自動的に返答するようにプログラムされた会話システムのことをいいます。技術が進化し続けている現代においては、AI(人工知能)を取り込むなど、高度な仕組みのものも増えています。
例えば、ネットバンキングの中では、問い合わせをする際、オペレーター直接電話をするほかに、チャットでやり取りをするシステムを取り入れている銀行があります。また、チャットの中でも人が対応する場合もありますが、簡単な操作であればチャットボットが対応することがあります。
ほかにも、LINEでは、「ヤマト運輸」が「再配達」と送信すれば、「送り状番号を入力してください」など、自動で送られてくるシステムを導入しています。日本郵便にも「ぽすくま」というLINEアカウントがあるので、よく利用する人はぜひ検索してみてください。
Twitterのボット
Twitterのボットは、基本的にはTwitterの機能を使って自動的に発信できるようにしたシステムで、指定時間に自動的にツイートする、特定のキーワードに対してツイートする、ボット宛てのツイートに自動リプライするなど、さまざまな形式のものがあります。
アカウントに「〇〇bot」とある場合の多くは自動発信の設定をしていますが、「〇〇について勝手につぶやいているアカウントです」という意味で「〇〇bot」と名付けている人もいるようです。
Twitterをやっていて、どのようなbotがあるのか気になる人は、検索のところに「bot」をいれてサーチしてみてください。もしかすると、好きなジャンルのbotがあるかもしれませんよ。ちなみに、筆者が検索してみた結果も少し紹介しておきますね。
【botの例】
◆日本の名言bot
◆世界の名言bot
◆動物動画字幕bot
◆動物・癒しbot
◆ひらがな4文字をランラムにつぶやくbot
◆関西ラーメンbot
◆クサメタルbot
◆行政書士試験勉強【民法】BOT など
AppleのSiri
「Hey Siri」で話しかけると返答してくれる「Siri」は、iPhoneやiPadなど、Appleのデバイスを利用するユーザーの操作をサポートする、AIアシスタントとして搭載されています。しかし、「明日の天気は?」「時間は?」「タイマーをセットして」など、問いかけやお願いに対して自動で返してくれるので、チャットボットの一面ももっているといえます。
ボットの代表格「クローラ」とは?
インターネット上で、検索エンジンで登録するウェブサイトを巡回して収集し、特定の項目を素早く見つけ出せるように配列するプログラムを指します。WEBサイトを運営するにあたっては、検索結果で上位に表示されるようなキーワードを用いるなど、SEO対策を行うわけですが、この「クローラ」に検出してもらえるかどうかが鍵となります。
なお、「クローラ」に検出されやすいように記事を作成したり、公開記事の更新を行うことを「クローラビリティの改善」といいます。
コンピュータウイルスの「ボット」がある
インターネットの技術が進化している現代では、コンピュータウイルスの種類も莫大な数になっていますが、その中でも外部からの遠隔操作が可能になるウイルスを指して「ボット」もしくは「スパムボット」と呼んでいます。ボットを仕掛けられたコンピュータからハッカーによる情報の盗み出しが行われたり、迷惑メールが自動的に送信されたりするといった被害もあることから、総務省も公式サイトで国民にボットの存在を呼びかけて注意喚起しています。
(参照元:総務省 国民のための情報セキュリティサイト ボットとは?)
「ボット」の使い方・例文
「ボット」はロボットと同じなので、会話の中では名詞として使われます。
・好きなアーティストのボットを会話することが毎日の楽しみとなっている。
・定期的に自動でツイートができるようボットを作ることにした。
・ボットで検索した結果でSEO対策を行う。
「ボット」という名前のアプリもある
Androidのスマホのアプリの中には、GPSで子供を見守るアプリ「BoT(ボット)」があります。子供がもつスマホにこのアプリをインストールしておけば、両親のスマホから居場所がわかるようになっていますが、現在ではトークができる「BoTトーク」が登場したことで、この見守りタイプのアプリは「GPS BoT」と呼ばれています。
(参照元:GooglePlay アプリ BoT)
「ボット」の類語・言い換え
「ボット」を日本語で言い換える場合は「特定の命令に従い、自動的に作業を行うプログラム」「ネット上の操作を自動化するためのプログラム」と表現するしかありませんが、前述した「クローラ」のほか、「スパイダー」「オートマトン」といったプログラムの名称を類語として使うことができます。
インターネット上で、検索エンジンで登録するウェブサイトを巡回する「クローラ」について前述しましたが、巡回するさまが蜘蛛の巣を自由に這いまわる蜘蛛を連想させることから「スパイダー」とも呼ばれています。
日本でからくり人形と呼ばれる機械仕掛けの人形がありますが、このような自動で動くように作られた人形を、ヨーロッパではオートマトンといいます。ここから、集められたさまざまな情報を自動で処理するプログラムを指し「オートマトン」と呼ばれるようになりました。
意味や内容を理解したうえで「ボット」を活用していこう
普段何気なく「ボット」を目にしていた人も、今回「ボット=ロボット」ということが理解できたと思います。今後は「ボット」に遭遇した際は、自動で何かをするシステムということを認識した上で活用してみてください。