ワンマンの意味とは?使い方やワンマン経営、ワンマン社長などの関連語も解説

ワンマンとはどんな言葉?

ワンマンの意味は、「ひとりの。ひとりで。個人で」「独裁的な」です。

類語は、「一人体制」「単独」「横柄」「権威主義」「高圧的」。

英語で表すときは、「one-man」「tyrant」を使います。

ワンマンとはどんな意味?

ワンマンは、次の意味をもつカタカナ語です。

ワンマン
ひとりの。ひとりで。個人で
・独裁的な

次のような事柄に対してワンマンを使います。

・個人、または単独名義での何か(例:ワンマンシアター 個人試写室のこと。ワンマンライブ)
・通常は2人以上で行う仕事をひとりで行うこと(例:ワンマン運転)
・統括者がほかの人の意見や批判に耳を貸さず、独裁的に物事を動かすこと。また、そのように周囲を支配する独裁的な人のこと(例:ワンマン経営。ワンマン社長)

ワンマンの由来は英語の「one-man」

ワンマンの由来は、英語の「one-man」です。もともとは「ひとりの。ひとりで。個人で」という意味の言葉でしたが、カタカナ語になって「独裁的な人」の意味が加わりました。

「man」は、「男性」という意味で使われることが多い単語です。しかし、「man」という言葉ができた当初は、男女合わせた「人間」を意味する言葉として用いられており、今でも「人間」の意味があります。

そのため、女性に対してもワンマンを使うことができます

ワンマンは英語だと?

ワンマンは英語では、「one-man」と表記されます。

one-man
・ひとりだけの。ひとりだけで行なう
・ひとりの男性の。ひとりの男性による
・ひとりの男性だけを愛する

「one-man」を「独裁的な」の意味で使うのは日本だけです。「独裁的な」の意味の「ワンマン(one-man)」は、和製英語なので英語では通じません。

「独裁的な」の意味のときは、次の単語を用いてください。

「独裁的な」の意味の英語
autocrat:独裁君主。独裁者
tyrant:暴君。専制君主。暴君のような人
dictatorial:専制君主の。独裁的な。専横な。絶対的な
authoritative:権威のある。信ずべき。命令的な。有無を言わさない。厳然たる

覚えておきたいワンマンの関連語

ワンマンはほかの言葉と組み合わせて使われることが多く、身の回りにはワンマンの関連語がたくさんあります。どのような言葉があるのか、頭に入れておきましょう。

ワンマン経営とは

ワンマン経営は、経営者が会社の経営に関する意思決定をほとんどひとりで行う経営スタイルのことです。

ワンマン経営には、次のようなメリットがあります。

メリット
・会社としての意思決定が早くなる
・経営者の持つ力が強力なため、従業員が緊張感をもって仕事に臨める
・すべての責任が経営者にあることが明確なため、従業員は失敗したときに責任を負わされる心配をせずに安心して仕事できる
・経営者を中心に社員が団結しやすい

経営者が優秀な場合は、ワンマン経営のメリットが活きて業績を伸ばしやすくなります。

中小企業ではワンマン経営をしている会社が多いです。その理由は、中小企業は大企業ほど人材が豊富ではなく、優秀な人材を大勢集めるのが難しいため。経営者がリーダーシップを発揮して強力にかじ取りしないと、経営がスムーズに進みません。

ワンマン経営にはデメリットもある

ワンマン経営には、次のようなデメリットもあります。

デメリット
・すべての責任を負う経営者の負担が大きい
・経営者が横暴で自分のことしか考えていないと社員の信頼を失い、社員のモチベーションが下がったり離職が増えたりする
・社員の自律性が育たず、新しい意見が出なくなる
・部下がイエスマンばかりになり、経営者が時代の変化や自分の間違いに気づけなくなる
・後継者候補が育たず、後継者不在の会社になりやすい

ワンマン経営は、経営者がやり方を間違えると会社まるごと共倒れになってしまいます。

デメリットを小さくするには、経営者をサポートしてくれる腹心の部下を育てるのがおすすめです。腹心の部下が会社にいれば、経営者ひとりでは目が届かない細部まで会社のことをみられるようになり、従業員一人ひとりとのコミュニケーションも取りやすくなります。

腹心の部下を後継者候補として育て上げれば、経営者に何かあったときの備えにもなりますよ。

ワンマン社長とは

ワンマン社長とは、ワンマン経営をしている会社の社長のこと。

ワンマン社長は、ポジティブ思考な自信家であり、フットワークも軽く行動的な性格をしている人が多いです。

ワンマン社長は責任感が強く、会社のことはすべて自分で把握していたい、すべてに指示を出し自分の思うように動かしたいと考えがち。

自信家で、ほかの人の意見をあまり聞かない人も多く、周囲に自分の意見に従う部下ばかりを置きたがる傾向があります。

ワンマン列車とは

ワンマン列車は、車掌を乗車させず運転手ひとりで運行する列車のこと。ワンマン列車は乗り方が独特のため、乗り方を知らないと戸惑う羽目になってしまいます。ここでポイントをおさえておきましょう。

ワンマン列車の乗り方

ワンマン列車の乗り方は、有人駅から乗るときは通常の列車と変わりありませんが、無人駅から乗る場合は乗り降りの仕方が違います。

無人駅のワンマン列車の乗車口は先頭車両の後方ドアだけ、下車口は運転手がいる運転席のすぐ後ろのドアだけに限定されます。列車に乗るときは、乗車口に設置されている整理券発行機から、整理券を取ってください。整理券を取らないと、始発駅からの運賃を請求される場合があります。

切符を持っていない場合は、降りる前に整理券に書かれている番号と運賃表示器を照らし合わせて運賃を確認し、おつりが無いように運賃を準備します。両替機はありますが、お札は1,000円札しか崩せないので注意してください。

降りるときは、運賃箱に整理券と切符または整理券と運賃を入れて下車します。運賃を余分に入れてもおつりは出ません。定期券を持っている人は運転手に見せてから降ります。

Suicaを使ったワンマン列車の乗り方

ワンマン列車は、乗車駅と下車駅のどちらもIC利用エリアでないと、SuicaなどのICカードを利用できません。

乗車駅と下車駅のどちらもIC利用エリアであることを確認したうえで、Suicaを使用しましょう。乗車駅の改札の読み取り機にICカードをタッチして列車に乗り込み、下車するときは運転手にSuicaを見せて下車、下車駅の改札の読み取り機にタッチすればOKです。

確認不足でうっかり下車駅がIC利用エリア外なのにSuicaでワンマン列車に乗ってしまった場合は、乗車駅でタッチしていても、運賃を現金で支払わなければなりません。

また、Suicaに乗車駅でタッチしてつけた乗車駅記録が残っているので、そのままではSuicaを使うことができなくなります。駅員に事情を説明して、入場記録を取り消してもらってください。

ワンマンバスとは

ワンマンバスとは、運転手がひとりで運行する路線バスのこと。

現代の路線バスは、運転手ひとりで運行させるのが当たり前になっています。しかし、昔の路線バスは、運転手のほかに乗車切符の発行や運賃の受け取り、ドアの開け閉め、乗客の案内などの仕事を受け持つ車掌が乗っており、2人体制で運行されていました。

時代が進み、両替器付運賃箱、整理券発行機、自動放送装置、車内運賃表示器などの機械が開発されたことで車掌が不要になり、運転手ひとり体制でも運行できるようになりました。運転手ひとりで運行するバスも街を走るようになったことで、ワンマンバスという呼び名が生まれたのです。

ワンマンライブとは

ワンマンライブとは、ミュージシャンやバンドなど音楽アーティストや音楽グループが、単独でライブや公演を行うこと

ワンマンショーも、同じような意味で使われるカタカナ語です。

ワンマンズドリーム

「ワンマンズドリーム」は、東京ディズニーランドで公演されていたショーの名前です。「ワンマンズドリーム」のワンマンとは、ディズニーの生みの親 ウォルト・ディズニー氏のこと。

このショーは、ウォルト・ディズニー氏が考え出した、ディズニーの世界をテーマにしています。ミッキーマウスやミニーマウスのほか、「ノートルダムの鐘」のフロローなど、ディズニー映画のキャラクターたちが多数登場します。

1988年から1995年に「ワン・マンズ・ドリーム」が公演され、その後リメイク版の「ワンマンズ・ドリームII」が上演された大変人気のあったショーでした。しかし、2019年12月に「ワンマンズ・ドリームII」の公演も終了しています。

ワンマンアンドンとは

ワンマンアンドンは、デコトラの飾りとして使われるアンドン(電飾看板)の一種です。

ワンマン運転している路線バスのフロントガラスの内側に付けられる、「ワンマン」と表記されたアンドンをまねて取り付けられる、装飾用のアンドンをワンマンアンドンと呼びます。ワンマンアンドンは、2つ並べて取り付けることが多いです。

アンドンに書く言葉は、トラックのニックネームや、好きな言葉、大事な人の名前など、運転手の好みで自由に決められます。

ワンマンアンドンは、「わがままなアンドン」とも呼ばれます。

ワンマンドゥとは

ワンマンドゥは朝鮮料理のひとつで、小麦粉で作った皮に肉や野菜、豆腐、春雨などで作った餡を包んだ「大きい饅頭」のこと。「ワン」は漢字だと「王」と書かれ「大きい」という意味、「マンドゥ」の漢字表記と意味は「饅頭」です。

マンドゥの形状にはバリエーションがあり、餃子や肉まんのような形をしているものなど、いろいろな見た目のものが作られています。

日本でも、bibigoの冷凍食品「王マンドゥ」などで、ワンマンドゥを味わうことができます。bibigoの「王マンドゥ」は、CMに韓国の人気俳優 パク・ソジュン氏を起用したことで注目を集めています。

ワンマンの使い方を例文で学ぼう

ワンマンの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
ワンマン体制を見直し集団指導体制に移行する。
・旅客便のワンマン運航の実現には、解決しなければならない大きな課題がある。
・来年にワンマンツアーを開催する。

ワンマンの類語・言い換え表現

ワンマンの類語は、「一人体制」「単独」「横柄」「権威主義」「高圧的」です。それぞれの意味と使い方を頭に入れておきましょう。

一人体制
【意味】
担当者ひとりでこなす状態のこと

【例文】
夜間の業務を一人体制で回している。

単独
【意味】
・ただひとり。ただひとつ
・ほかから独立していること

【例文】
クリスマスに単独公演を開催する。

横柄
【意味】
ひどくいばって、人を無視した態度をとること。驕り高ぶって人を見下すさま

【例文】
横柄な態度の上司にうんざりする。

権威主義
【意味】
権威を絶対的なものとして重視する考え方。権威をたてにとって、自分の考えや行いを絶対に正しいものと考える態度や行動。権威に対して盲目的に服従したりする態度や行動

【例文】
社長の権威主義的な振る舞いに嫌気がさす。

高圧的
【意味】
人を威圧するさま、権力を笠に着て偉そうに接するさま

【例文】
先輩がものすごく高圧的な人で困っている。

ワンマンの意味を正しく読み取ろう

カタカナ語のワンマンは、「ひとりの。ひとりで。個人で」と「独裁的な」のまったく異なる2つの意味をもっています。

身の回りには、ワンマンとつくものがたくさんあるので、それがどの意味でワンマンを使っている言葉なのか、正しく読み取れるようになりましょう。