レディネスとは?心理学・保育・看護・ビジネスにおける意味をわかりやすく解説

レディネスとは「準備性」のこと

レディネスとは端的にいうと「準備性」の意味となります。心理学や教育、保育、看護などの分野で登場する言葉であり、何かを学習するときの準備状態を表します。

それ以外にも、レディネスという言葉はビジネスシーンで使われることもあり、身近な言葉となってきています。

この記事ではレディネスの意味や使い方を解説します。

レディネスの意味

レディネスとはアメリカの教育心理学者であるソーンダイクが提唱した概念です。英語では「readiness」と表記します。どのような意味で使用されているのか分野別に確認してみましょう。

心理学におけるレディネスとは

心理学の世界では「何かを習得するための準備ができた状態」を意味します。何かを学ぶためには、前提条件として知識や経験、環境といった要因が整っている必要があります。闇雲に何かを学んだり、教えたりするのではなく、レディネスに着目することが大切です。

教育・保育におけるレディネスとは

子どもの教育や保育においてもレディネスは重要です。例えば、見たものに興味を持って手を伸ばすことができる子どもにおもちゃを与えるのは、そのおもちゃで遊ぶのに必要な心身の準備性があるといえます。しかし、その子どもに自転車を与えても、発達段階からレディネスがあるとはいえません。このように、保育におけてもレディネスを考慮して関わる必要があります。

看護におけるレディネスとは

看護の世界では学生や新米看護師への教育の仕方を考える際にレディネスという言葉が登場します。学生や新人からベテランまで幅広いスキルの人材がいるため、その人のレディネスに応じた育成が必要となります。

ビジネスにおけるレディネスとは

近年は心理学や教育以外にも、ビジネスにおいてレディネスという言葉が浸透してきています。社員も仕事で必要な知識やスキルを習得していくことが求められます。「この社員に教育しても飲み込みが悪い」と感じることがあれば、レディネスが乏しい可能性もあります。

また、ビジネスに関連のある用語として次の2つとおさえておきましょう。

就業レディネス

学生が新入社員となるにあたって必要な心構えが整っている状態を指します。簡単にいうと、社会人として働く自覚が芽生えた状態。このレディネスがあるかないかで、新人研修やOJTへの取り組み姿勢も変わってくるでしょう。

職業レディネス

職業に対する自分の興味、関心、自信などから、その職業に就く準備が整った状態のこと。心理学者のホランドの理論に基づく「職業レディネステスト」では、興味のある領域を6つに分け、その興味の程度や自信度が示されます。仕事や適性に対する自己理解を深め、職業選択を考えるために用います。

レディネスの使い方・例文

例文
・人材育成においてはまずレディネスを高めることが大切だ。
・知能や理解力も含めてレディネスを構成する要素である。
・研修内容は参加者のレディネスを考慮して決める。

レディネスは効果的な学習に不可欠

闇雲に研修や教育の機会を提供しても、学習する側のレディネスが十分に整っていなければ、なかなか効果的には進みません。レディネスと意識するだけでも学習機会の提供の仕方が変わってくるはずです。ぜひ仕事にもレディネスを生かしてみましょう。