「ご武運を」とはどんな意味?ビジネスで使える?使うときの注意点や返し方も解説

「ご武運を」とは?

「ご武運を」の読み方は「ごぶうんを」。「ご武運をお祈りします」の後ろを省略した言葉です。

戦争や戦に赴く武人に対して使う言葉で、「戦場での幸運をお祈り申し上げます」や「幸運が長く続きますようお祈り申し上げます」という祈りの気持ちを表しています。

戦に勝つこととあわせて、「負けてしまった場合も無事に帰ってこれますように」という気持ちを込めて用いられる場合もあります。

現代日本で「ご武運を」はどう使われる?

戦争に巻き込まれることなく長い年月を過ごしてきた日本では、「ご武運を」本来の意味で使うことはまずなくなりました。

代わりに、重大な議論を戦わせるときや法廷闘争など、「戦い」と称すことができるようなシーンで用いられる場合があります。

「ご武運を」は、鬼滅の刃やキングダムといった戦闘系のアニメやゲームなどで使われたことで、学生など若い人たちの間でよく知られる言葉になっています。そのため、受験や就活面接など重大な競いの場に赴く友達に向けて「ご武運を」が使用されるケースもあります。

「ご武運を」はビジネスで使える?

「ご武運を」は、ビジネスでも使われることがあります。

重要なプレゼンに臨む人、大きな仕事に挑戦する人、新しい環境で挑戦をする人などに対して、励ましや応援の気持ちを込めて使用します。

「ご武運を」は上司には使わない

本来の「ご武運を」は、勝つため生きるために敵を殺し、負ければ自分が殺される可能性がかなり高い、本当の戦争に行かなければならない人に対して用いる言葉です。

現代の日本では、ほとんどの人がそのような状況に直面することはないですよね。そのため「ご武運を」は、ビジネスや日常生活のなかで軽々しく使うべきではないと考える人もいます。

少なくとも上司などの目上の相手や、親しい関係性が築けていない人には使用しないほうが無難です。

多少本来の使い方とは違う言葉の使い方をしても許容してもらえる、親しい相手にのみ用いるようにしましょう。

「ご武運を」といわれたときの返し方は?

「ご武運を」は、現代の日本では励ましや応援の言葉として使われています。

そのため、誰かから「ご武運を」といわれたときは、「ありがとうございます」や「感謝申し上げます」などのお礼の言葉で返事をしましょう。

「ご武運を」の使い方・例文

「ご武運を」の意味がわかったら、次は言葉としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・いい結果が出るよう、みんなのご武運を願います。
・全国大会でのご武運をお祈りします。
・みなさまのご武運をお祈りいたします。

「ご武運を」の類語・言い換え表現

「ご武運を」は、軽々しく口にしないほうがいいと考える人が少なくない言葉のため、代わりに使える表現も頭に入れておきましょう。

「ご武運を」の類語は、「ご多幸をお祈りします」「健闘をお祈りします」「頑張ってください」「吉報をお待ちしております」です。それぞれの意味や使い方をおさえておきましょう。

ご多幸をお祈りします
【意味】
幸の多いことをお祈りします

【例文】
みなさまのご多幸をお祈りします。

健闘をお祈りします
【意味】
立派に戦うことをお祈りします
※目上の人には向かない表現

【例文】
みなさんの健闘を心よりお祈りします。

頑張ってください
※目上の人やすでに全力で頑張っている人には向かない表現

【例文】
自分を信じて頑張ってください。

吉報をお待ちしております
【意味】
喜ばしい結果を待っています

【例文】
休み明けの吉報をお待ちしております。

「ご武運を」は英語だと?

「ご武運を」を英訳するときは「good luck」を使います。

good luck
僥倖。(思いがけない)幸運。強運

「good luck」は、「頑張ってね」や「成功するといいね」などのニュアンスで使用されます。

「ご武運を」は相手を選んで使おう

「ご武運を」の意味は、「戦場での幸運をお祈り申し上げます」や「幸運が長く続きますようお祈り申し上げます」です。

ビジネスで使用されることもありますが、本来は戦場に向かう武人に対して使う重い言葉のため、軽々しく口にするべきではないと考える人もいます。

「ご武運を」は相手を選び、親しい間柄でのみ用いるようにしましょう。