コーポレートとはどんな言葉?
コーポレートは、「企業の」「団体の」「法人の」「共同の」「集団的な」という意味をもつ形容詞です。
コーポレートの類語は、「コーポレーション」「カンパニー」「ホールディングス」。しかし、これらの言葉はすべて名詞なので、言い換えには使えません。
コーポレートを英語で表すときには、「corporate」を使用してください。
コーポレートについて、くわしくみていきましょう。
コーポレートとはどんな意味?
コーポレートは、次の意味をもつカタカナ語です。
・団体の
・法人の
・共同の
・集団的な
ビジネスの場合は、「共同の」や「集団的な」の意味ではあまり使用されません。
しかし、マンションやアパートの名前によくついている「コーポ」は「コーポレート」の略で、「共同住宅」や「集団の住宅」という意味で用いられています。身近で目にする機会が多い意味なので、「共同の」や「集団的な」もしっかり頭に入れておきましょう。
コーポレートの英語
コーポレートを英訳するときには、「corporate」を使います。
・法人化された、法人格がある
・組織の
・団体の
・集合的な
・共同の
・統合された、結集した
「corporate」とカタカナ語のコーポレートは、ほぼ同じ意味で使用できます。
覚えておきたいコーポレート〇〇
形容詞のコーポレートは、コーポレート〇〇のようにほかの言葉とくっつけて熟語にして用いるのが一般的な使い方です。どのような言葉になって使用されるか、例をみていきましょう。
コーポレートガバナンスとは
コーポレートガバナンスは「企業統治」という意味です。
企業は出資している株主のものという考え方をもとに、企業の経営を監視し、健全に運営できるようにする仕組みのこと。
企業の不祥事を予防し、収益力を強化することで、株主に利益を最大限還元できるようにするのがコーポレートガバナンスの目的です。
具体的には、次のような取り組みを行います。
・社外取締役の設置
・社内規則の明確化
・情報開示 など
コーポレートガバナンスコードとは
コーポレートガバナンスコードは、企業がコーポレートガバナンスを実施するうえで参照すべきものとして、金融庁と東京証券取引所が作成した指針です。
上場企業は、コーポレートガバナンスコードをしっかり守ることが求められています。
2021年に、コーポレートガバナンスコードの改訂が行われる予定です。新しいコーポレートガバナンスコードは、2021年6月頃の施行になるのではないかといわれており、金融庁から改定案が出されています。興味のある方は目を通してみてください。 参考 「コーポレートガバナンス・コードと投資家と企業の対話ガイドラインの改訂について」の公表について金融庁
コーポレートファイナンスとは
コーポレートファイナンスの意味は、「企業財務」「企業金融」。
企業の価値を最も大きくするために行う、企業の財務活動のことです。必要な資金を株主の出資や負債を増やすことで調達し、事業に投資して利益を出し、資金の調達先に利益還元したり返済したりする活動をひっくるめてそう呼びます。
狭い意味で、資金の調達部分のみをコーポレートファイナンスと呼ぶ場合もあります。
コーポレートベンチャーキャピタルとは
コーポレートベンチャーキャピタルの意味は、投資会社ではない企業が自社の事業を大きくするための戦略として、ベンチャー企業に投資すること。または、そのための組織。
協力することで自社の事業に新たな利益が期待できそうだと判断した、有望なベンチャー企業に投資します。
ベンチャー企業が失敗したときのことを考えると、合併や買収よりは出資のほうがダメージが小さくて済みます。また、自社のみで新たな分野に参入するよりもベンチャー企業に投資するほうがリーズナブルで、結果も早く出る可能性が高くなります。
そのため、コーポレートベンチャーキャピタルは、小さなリスクで事業拡大の可能性を高められる、合理的な方法と考えられています。
コーポレートサイトとは
コーポレートサイトは、企業公式の会社案内のためのウェブサイトのこと。
会社概要や企業理念、製品・サービスの紹介といった従来の会社案内の紙製パンフレットに載っているような内容が、コーポレートサイトに記載されています。そのほかにも、ニュースリリースや採用情報、IR情報、新規取引情報なども書かれる場合があります。
コーポレートロゴとは
コーポレートロゴは企業のロゴマークです。
印象的なものは覚えやすいので、社名を聞いてもどの企業かわからなくても、ロゴをみれば「あの会社だ」と思い出せるケースはよくありますよね。そのため、コーポレートロゴは、企業にとって非常に重要なものと考えられています。
コーポレートロゴは、企業のブランドイメージを視覚的に表す役割ももつため、企業理念や社風、ビジョンを込めたデザインが考えられる場合が多いです。
また、コーポレートロゴの変更を繰り返すと人々の記憶に残らなくなってしまうので、中長期的に使われるのに耐えるだけの完成された造形美を備えている必要があります。
コーポレートカードとは
コーポレートカードは、企業がカード会社に申し込んで社員に配布する、大手企業向けの法人カードです。
法人の口座だけでなく、個人の口座も支払口座に設定できるケースがあります。
法人口座の場合は、部署や社員ごとに分けて処理していた支払業務をまとめて管理できるようになるため、経理の仕事が楽になります。
個人の口座で支払うときには、コーポレートカードで個人の買い物をすることも可能です。この場合は、経費として認められる分だけを経理に精算し、その分のお金を会社から個人の口座に振り込んでもらうことになります。
個人口座の利用は会社の手間が増えるため、許可されるかどうかは会社の判断次第です。
コーポレートの使い方を例文で学ぼう
コーポレートの意味がわかったら、次はビジネスシーンでのコーポレートの使い方を例文でイメージしてみましょう。
・上場を機にコーポレートブランドを刷新する。
・コーポレートカードを使用して経費を支払う。
・社名の変更にともないコーポレートロゴを一新した。
コーポレートブランドの意味は、企業ブランド。企業が行う事業のブランドや商品のブランドの上にくる、企業そのもののブランドのことです。
コーポレートの類語
コーポレートの類語は、「コーポレーション」や「カンパニー」「ホールディングス」です。
しかし、これらの言葉はすべて会社を意味する名詞。コーポレートは形容詞なので、言い換えには使えません。
コーポレーション
コーポレーションは、コーポレートを名詞にしたものです。
・社団法人
・株式会社
大きな会社をコーポレーションと呼びます。
カンパニー
カンパニーは次の意味をもつ言葉です。
・商会
・商社
会社の規模に関係なく使える言葉で、小さな個人商店もコーポレーションもカンパニーに含まれます。
ホールディングス
ホールディングスは、次の意味で使います。
自社が親会社であることを示すため、親会社の社名にホールディングスが使用される場合もあります。
コーポレートの意味を理解し使いこなせるようになろう
形容詞のコーポレートは単独で使われることはあまりなく、コーポレート〇〇のように熟語になって用いられる場合がほとんどです。
記事で紹介したコーポレート〇〇のほかにも、コーポレートの関連語はたくさんあって、ビジネスシーンでも頻繁に登場してきます。
それが何を意味する言葉なのか推測できるように、コーポレートの意味をしっかり理解しておきましょう。