解任とは「任務を解く」という意味
「解任」とは、ある特定の人物の「任務を解く」ことを指す言葉で、反対語は「ある特定の役目につくことを命令する」という意味の「任命」があてはまります。どちらも、ビジネスシーンにおいては、部長、取締役など、なんらかの高位の役職に対して使います。
また、「解任」には混同されやすい類義語もいろいろとあるため、明確に使い分けをするためにも違いも含めてきちんと覚える必要があります。
本記事では、「解任」の正しい意味や使い方のほか、英語表現や関連語についてもわかりやすく解説します。
「解任」の読み方・意味
「解任」は「かいにん」と読み、次の意味をもつ言葉です。
・任務を解くこと
・職務をやめさせること
「解任」の対象となる人物の意思は関係なく、「周囲の意思」により決定されるのが特徴です。
なお、日本の会社においては、「取締役」「会計参与」「監査役」など、高位の役職について使用する言葉とされています。
たとえば、「営業部の主任を解任する」といった使い方はしないので覚えておきましょう。
「解任」の使い方・例文
「解任」は会社組織だけではなく、スポーツ業界の役職についても使います。会話の中ではどのような登場の仕方をするのか、例文をいくつか紹介します。状況を頭に思い浮かべながら読んでみてください。
・A株式会社が、不祥事を起こした取締役の解任を発表した。
・代表取締役の解任を要求する。
・会社資金の横領が発覚し、関与していた役員3名が解任された。
・プロ野球チーム〇〇の監督が、シーズン途中で解任されることになったらしい。
「解任」の類義語・言い換え表現
「解任」の類義語としては、「解職」「免職」「罷免」などがあります。それでは、それぞれの意味について詳しく解説します。
辞めさせる職務の違いにより、「解任」の言い換え表現として使えるものと使えないものがあるので、意味をしっかり理解しておきましょう。
「解任」と「辞任」の違い
「辞任(じにん)」とは、今までついていた職務を、任期終了を待たずに辞退することを意味する言葉です。「解任」は「本人の意思に関係なく辞めさせる」ことですが、「辞任」は「自らの意思で辞める」という点において違いがあります。
「解任」の英語表現
「解任」を英語で表現する場合は「免職」「解職」「解雇」などの意味をもつ「dismissal」を使います。
・dismissal by parliament(議会による解任)
・dismissal consent(解任同意)
・dismissal notice(解任通知)
・Request the dismissal of the director.(取締役の解任を要求する。)
「解任」の関連語
「解任」には、ほかに「解任〇〇」といった関連語が存在します。知識として覚えておくと便利なものをいくつか紹介しておきます。
解任動議(かいにんどうぎ)
「動議」とは、会議の予定議案以外の議案を提出することをいいます。「解任動議」は、解任についての議題がない会議の中で、急に解任についての議案を提出するという意味です。
解任登記(かいにんとうき)
「登記」とは、一定の事項を公に示すために帳簿を記載することを意味する言葉です。会社では、役員などの名前を公開しているため、解任した場合はそれを登記しなければなりません。これを「解任登記」といいます。
「解任」の意味を理解し正しく使おう!
「解任」を「クビ」と解釈している人がいるかもしれませんが、「クビ」は会社そのものを辞めさせる「解雇」であり、役職を解く「解任」とは違います。
また、職種によって「解任」ではなく「免職」や「免職」に言い換えるほうが適している場合もあるので、類義語の意味も含めてきちんと理解し、正しく使いこなせるようにしてください。