「ご一考」とは「一度よく考える」という意味
「ご一考」は、字を見ても想像できるように「一度考えてみてください」と、相手に敬意をもって述べる言葉です。そのため、相手に伝える場合は「ご一考ください」となるわけですが、この言い方だと命令口調に感じる人もいるため、「ご一考」に合わせるフレーズも考えなければなりません。
本記事では、意味や使い方のほか、類語、言い換え表現、英語表現についてもわかりやすく解説します。
「ご一考」の読み方・意味
「ご一考」は「ごいっこう」と読みます。熟語として使われる「一」には、「最上のもの」「物事の最初」「ちょっと」など、また、「考」には、「かんがえる」「調べる」の意味があります。それら二つの漢字を合わせた「一考」に「ご」をつけることで、相手を敬う敬語になるわけです。
・少し考える
・最上のものを考える など
「ご一考」の使い方・例文
「ご一考」は、こちらからの提案について考えたり検討したりしてほしいときだけでなく、一度出された案に対し「もう一度考え直してみてください」とお願いする場合にも使います。
敬語表現のため、目上の人に使っても失礼にはなりませんが、前述したように、「ご一考ください」では上から目線だと捉える人も少なくないので、表現方法にも注意が必要です。ここでは、代表的なフレーズをいくつか紹介するのでぜひ覚えていってください。
ご一考いただけますでしょうか
二重敬語のように見えるかもしれませんが、「ご一考」に「いただける」の丁寧語である「いただけます」を合わせた言葉なので、正しい敬語です。さらに、「~でしょうか」がついても二重敬語になりません。
「ご一考いただけますでしょうか」は、「一度考えてもらえますか?」といったニュアンスで使います。
ご一考いただけますと幸いです
「幸いです」は、「~してくれると嬉しいです」「~してくれるとありがたいです」という意味の言葉です。「ご一考いただけますと幸いです」は、「一度考えてもらえると嬉しいです/ありがたいです」といったニュアンスになります。
ご一考のほど
「~のほど」は、「~しれくれるよう」の意味で、「ご一考のほど」で「一度考えてくれるよう」となります。「~よろしくお願い申し上げます」など、「お願いする」の意味をもつ言葉とセットにして使います。
上記の例文は、「一度考えてもらえますようよろしくお願い申し上げます」といったニュアンスになります。
ご一考いただきたく
「~いただきたく」は、相手に何かをお願いしたいときに使う、やわらかい表現の言葉です。「思います」の謙譲語である「存じます」とセットで使うことが多いです。
上記の例文は「一度考えてもらいたいと思います」といったニュアンスになります。
「ご一考」の類語・言い換え表現
「ご一考」は、少し固い表現なので、やわらかい言葉に言い換えたい場合は「お考え」や「ご検討」が類語として使えます。
お考え
「ご一考」の言い換えとして使えますが、とてもカジュアルな表現なので、使うシーンは考えなければなりません。
ご検討
「検討」には、「物事をよく調べて考えること」という意味があり、「ご一考」の言い換えとして使えます。「ご一考」よりもわかりやすく、目上の人にも使える言葉なので、ビジネスシーンではよく登場します。
「ご一考」の英語表現
「ご一考」を英語で表現する場合は、「consider=よく考える、検討する」「consideration=よく考えること、検討、考慮」を使います。
・I would appreciate it if you could consider it.
(ご一考いただければ幸いです。)
・Please give it your consideration.
(ご一考ください。)
「ご一考」の意味を理解し正しく使おう!
ビジネスシーンでは、相手へのお願いをする場面は多く発生しますが、選ぶ言葉を間違えると不快な気持ちにさせてしまいます。「~いただけますと幸いです」など、セットにする言葉もいくつかパターンを覚え、状況に応じて正しく使うようにしてください。