イデオロギーとは何か
イデオロギーの意味は「歴史的、社会的立場に制約された考え方」や、「政治、社会に関する基本的な考え」です。比喩として「空論」のニュアンスで用いられる場合もあります。
イデオロギーを言い換えできるカタカナ語の類語は、「ドグマ」と「ドクトリン」。日本語の場合は、「観念形態」や「思想形態」「価値体系」「思考形態」「考え」も言い換えに使えます。
英語で表すときには、「ideology」を使用してください。
イデオロギーって何?
イデオロギーは、政治・道徳・宗教・哲学・芸術などの分野で使われる場合が多いカタカナ語です。意味をくわしくみていきましょう。
イデオロギーとはどんな意味?
イデオロギーは、次の意味をもつカタカナ語です。
・政治、社会に関する基本的な考え
・比喩として「空論」のニュアンスで使われる場合もある
「社会はこうあるべきだ」という特定の立場に立った考え方が、理論的にまとめ上げられたものがイデオロギーです。
反対の考え方をする人が、対立する考え方を指して批判的に「机上の空論」というニュアンスで、イデオロギーを使う場合もよくあります。
イデオロギーの例を一覧で紹介
次のようなものがイデオロギーになります。
・民主主義
・権威主義
・資本主義
・社会主義
・共産主義
・独裁主義
・帝国主義
・環境主義 など
個人的な考え方ではなく、その考え方を信じている人々に共通する集団としての考え方が、イデオロギーです。
イデオロギーは英語だと?
イデオロギーを英訳するときには、「ideology」という英単語を使います。
カタカナ語のイデオロギーはドイツ語の「Ideologie」に由来する言葉のため、「イデオロギー」と発音しますが、英語の「ideology」は「アィディィアラァヂィ」と発音します。
・特定の社会階層でのイデオロギー、観念形態、価値観や信念の体系、信条
・哲学での観念論
「ideology」も、カタカナ語のイデオロギーと同じく、「空理」や「空論」という批判のニュアンスで使われる場合があります。
イデオロギーの関連語
イデオロギーとほかの言葉を組み合わせて熟語にした関連語もたくさんあり、イデオロギー関係の話ではよく登場します。
イデオロギーについて考えるときに重要な言葉が多いので、しっかり学んでおきましょう。
イデオロギー対立
イデオロギー対立の意味は、異なるイデオロギーが対立することです。
政治的な考え方や思想体制が異なるグループや集団が、自分たちの考え方の正しさを主張し、激しい論争が繰り広げられることをイデオロギー対立といいます。
イデオロギー闘争
イデオロギー闘争とは、イデオロギー対立がもとで起こる闘争のこと。
異なるイデオロギーをもつグループや集団が、それぞれの主張を戦わせ、激しくぶつかり合うのがイデオロギー闘争です。
イデオロギー分析
イデオロギー分析とは、イデオロギーを分析することです。
特定の集団がもっている考え方を分析することを、イデオロギー分析といいます。
イデオロギー装置
イデオロギー装置とは、特定のイデオロギーを発生させるものです。
宗教、学校教育、家族、法律、政党、組合、新聞やテレビなどの情報、文学、美術、スポーツなどがイデオロギー装置といわれています。
イデオロギー的
イデオロギー的とは、「思想的な観点」や「政治信条的な観点」という意味です。
例えば、「イデオロギー的な考え方」の場合は、「思想的、政治信条的な観点での考え方」というようなニュアンスになります。
イデオロギーの使い方を例文で学ぼう
イデオロギーの意味がわかったら、次は言葉の使い方を例文でイメージしてみましょう。
・イデオロギーに沿った行動をとる。
・イデオロギーの違いを超えて協力する取り決めがなされた。
・インターネットサイトで、イデオロギーの診断テストを試してみた。
イデオロギーとアイデンティティ
アイデンティティーは、自分自身が自分であること。または、自分がどのような人間なのか、自分というものを定義するときによりどころになる考え方のことです。
イデオロギーは多くの人に関係してくる集団の考え方なので、アイデンティティーとは別のものですね。アイデンティティーは、次のように使います。
イデオロギーの類語・言い換え
イデオロギーは、「ドグマ」や「ドクトリン」に言い換えることができます。それぞれの意味や、使い方をおさえておきましょう。
ドグマ
ドグマは次の意味で使われる言葉です。
・柔軟性を欠く無批判な信念
・独断。独断的な説
ドグマは宗教的なイデオロギーと言い換えでき、次のように使用されます。
ドクトリン
ドクトリンの意味も確認しましょう。
・政策上の基本理念や基本原則
ドクトリンは、政治的なイデオロギーと言い換えできます。
イデオロギーを正しく理解しよう
イデオロギーは、政治や宗教がらみの話題でよく使われる言葉です。
「イデオロギー対立」や、「イデオロギー闘争」という関連語があることからもわかるように、イデオロギーの話は非常にデリケートな話題であるケースが大半。うかつに使用すると、トラブルに発展する可能性が高いです。
そのため、ビジネスで用いるには気を遣う話題になります。どのようなものがイデオロギーにあたるのかおさえておき、うっかり触れないように周りに気を配る必要があります。
また、イデオロギーはニュースで使われる場合も少なくないため、社会人の知識として正しく理解しておきましょう。