ハイブリッドとは?ハイブリッド車って?分野ごとの意味、使い方、言い換え、英語も紹介

「ハイブリッド」とは「異種同士を組み合わせたもの」のこと

「ハイブリッド」という言葉を耳にすると、「電気自動車」を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、ハイブリッドとは、簡単にいえば「雑種」。つまり、異なる種類のものを組み合わせたものを指します。

そして、反対語は「サラブレッド=thoroughbred」。これを見ると「ハイブリッド」が電気自動車の意味ではないと理解できますよね。

ほかにも、さまざまな業界で意味の異なる「ハイブリッド」が存在します。本記事では、意味や使い方だけでなく、言い換え、英語についてもわかりやすく解説します。

「ハイブリッド」の英語は「hybrid」

ハイブリッドは英語で「hybrid」と表記し、次のような意味をもつ英単語です。

【名詞】
・雑種
・混血
・かけ合わせ
・合成物 など
【形容詞】
・雑種の
・混合の など

「hybrid」を使った熟語も少し紹介しておきますね。

・hybrid analyses(混合解析)
・hybrid animal(雑種の動物)
・hybrid culture(混合文化)
・hybrid experiment(混合実験)
・hybrid cars(ハイブリッド車)
・hybrid fiber(ハイブリッド繊維)
・hybrid fuel(ハイブリッド燃料) など

日本語においてのハイブリッドとは?

日本語においての「ハイブリッド」は、車の種類以外にもいろいろと存在しています。そこで、どんな「ハイブリッド」があるのか、分野ごとに紹介していきます。

「車」のハイブリッド

車業界においてのハイブリッドとは、2つ以上の動力源が備わっている車のことをいい、「ハイブリッドカー」や「ハイブリッド車」などと呼ばれています。多くの場合は、「電気」と「ガソリン」の2つそ備えた車を指しています。

ハイブリッドカーは、低速時は電気モーターを使用し、燃費が良くなる速度になったときにはガソリンに切り替えて走行します。これによりCO2や排気ガスの排出が抑えられるため環境に良く、さらに、ガソリン車と比較して燃費効率がよいのがメリットとされています。

そして、「ハイブリッドバッテリー」と呼ばれる、大容量の駆動用バッテリーと、ライト、ワイパーなど、電気で動かす装備品のための補機バッテリーの2種類が搭載されているのが一般的です。また、どちらのバッテリーも、寿命があるため、弱ってくると交換が必要になります。

軽自動車にはハイブリッドが少ない?

普通自動車では、一般的なガソリン車と比較し、ハイブリッド車のほうが高価格に設定されています。軽自動車に搭載した場合でも同じことが言えるため、車体価格の安さが魅力な軽自動車にハイブリッドバッテリーを搭載した場合、小型の普通自動車と近い価格にまで跳ね上がってしまいます。これが、軽自動車にはハイブリッド車が少ない主な理由です。

ただし、現在は、ガソリンで動かすエンジンを電気モーターでアシストする仕組みの「マイルドハイブリッド」を搭載した軽自動車も販売されるようになっています。
(マイルドハイブリッド:データ参照元:SUZUKI

「パソコン」のハイブリッド

パソコンは、設定により一時的に使用できないようにする「スリープ機能」と呼ばれるものがあります。しかし、パソコンがスリープ中にバッテリー切れを起こすと、作成中のデータは保存されず、最後に保存した状態に戻ってしまいます。

その場合、バッテリーが切れてもデータが保存されるようになる「スリープ機能」があり、これを「ハイブリッドスリープ」といいます

「学業」のハイブリッド

新型コロナの影響で、学校の授業もオンライン化が進んでいますが、それだけでなく、現在では「ハイブリッド授業」という形態も増えてきたようです。

ハイブリッド授業とは、「オンライン授業と対面授業を組み合わせた形式」で実施されるもので、さらに、次の3つの方式にわけられます。

ハイフレックス型
同じ内容の授業を、オンラインでも対面でも受講することができる形式をいいます。ハイフレックス型での授業を進めている中で、対面での授業が困難になった場合でも、フルオンラインへの移行が容易に行えるメリットがあります。しかし、講師はオンラインの学生、対面の学生両方に目を配らなければならないため、負担が大きくなるといったデメリットもあります。
ブレンド型
全15コマの授業を計画している教科において、授業の目的にあわせ、対面の回があったり、オンラインの回があったりする形式をブレンド型といいます。

学校内の人数を調整できるメリットがありますが、オンラインでしか参加できない学生は授業が受けられないというデメリットもあります。

分散型
学生をA、Bなどのグループにわけ、同じ回の授業で、Aグループは事前収録した動画収録の授業を受講し、Bグループは対面授業を受講する、といった分散形式をとったものを「分散型」といいます。学生側は、収録したものをあとから見直せるメリットがありますが、講師はオンライン、対面の両方を準備しなければならないので負担が大きくなるといったデメリットもあります。

「ゴルフ」のハイブリッド

フェアウェイで使うウッドと、ロングアイアンの中間的な機能をもたせたクラブを「ハイブリッドクラブ」といいます。「ここはウッドか、アイアンか…」と迷う状況のときに主に使われます。

「ピアノ」のハイブリッド

グランドピアノのように、ハンマーで弦を叩いて音を出す仕組みの「アコースティックピアノ」と、センサーが反応して音を出す「電子ピアノ」のいいとこどりをして造られたピアノを「ハイブリッドピアノ」といいます。

鍵盤のタッチ感はアコースティックピアノとほぼ同じで、音はセンサーの反応で出る仕組みです。そのため、アコースティックピアノではできない、ヘッドホンを装着しての演奏が可能です。

「ファッション」のハイブリッド

ダウンジャケットの袖を取り外してベストとして使える、トレンチコートに取り外し可能なフリース生地の裏地がついているなど、2種類の要素が備わっているデザインをハイブリッドをいいます。

「ハイブリッドな人」ってどんな意味?

「〇〇さんて、ハイブリッドな人だよ」といった言葉を耳にすることがあります。物のように扱われているように感じるかもしれませんが、「2つ以上の能力がある」の意味で使われることが多く、どちらかといえば誉め言葉なんです。

ハイブリッドな人の例
・英語と中国語が話せる。
・営業マンとしても優れているが、IT分野の知識も豊富である。
・複数の教科の教員免許をもっている。

ハイブリッドワーカーとは?

「ハイブリッドワーカー」とは、例えば、平日は会社員として働き、空いた時間で小説家として執筆しているような人のこと。また、会社員として働きながら、個人でネットショップを運営している人もハイブリッドワーカーにあたります。

いずれも、金銭的理由で複数の仕事をしているのではなく、好きで兼業しているといった特徴があるのが「ハイブリッドワーカー」です。

「ハイブリッド」の使い方・例文

分野ごとに意味が異なる「ハイブリッド」ですが、実際の会話ではどのように使われるのでしょうか。例文でチェックしてみましょう。

例文
ハイブリッド車に乗り換えたのでガソリン代が安くはなったが、電気代が増えた。当然だが…。
ハイブリッド授業を受けるために、ノートPCを買い換えた。
・家でもピアノの練習をしたいのでハイブリッドピアノを購入した。
・もっといろいろと勉強をしてハイブリッドな人になりたい。

「ハイブリッド」の類語・言い換え

「ハイブリッド」をほかの言葉に言い換える場合、次のようなものがあります。

ハイブリッドの言い換え表現
・雑種
・混成物
・一体化
・一緒にする
・ブレンド など
例文1
ハイブリッド車。
・電気駆動とガソリン駆動を融合させた車。
例文2
・ジャケットとベストの両方を兼ね備えたハイブリッドファッション。
・ジャケットとベストを一体化させたファッション。

「ハイブリッド」の分野ごとの意味を正しく理解しよう

車以外にもたくさんの「ハイブリッド」が世の中には存在します。正しい意味をきちんと理解し、各分野での「ハイブリッド」を正しく理解できるようになってください。