「アウェイ」とは「敵地」のこと
よそ者の雰囲気を感じた際などに口にする「アウェイ」は、日本語の中では「敵地」や「自分にとって居心地の悪い場所」という意味で使われる言葉です。
また、サッカーやバスケなどのスポーツにおいては、相手チームの本拠地となる場所を指し「アウェイ」といい、対義語となる自チームの本拠地は「ホーム」といいます。
ビジネスシーンでは、会議などのフォーマルな場面ではあまり使わないかもしれませんが、通常の会話の中では登場することも多いので、使い方や言い換え表現も含めて覚えていってください。
「アウェイ」の英語は「away」
「アウェイ」は英語で「away」と表記し、次の意味をもつ単語として使われています。
【副詞】
・離れて
・(時間的に)先で
・(次第に)消えて
・現象して
・逃げて
【形容詞】
・離れたところに
・(人が)不在で
・遠征地での
【名詞】
・遠征(試合)
「away」を使った熟語も少し紹介しておきます。
・go away
(立ち去る)
・cut away
(切り取る)
・right away
(すぐに)
・away back
(ずっと以前)
・away back in ~
(~年の昔に)
・away from heat and moisture
(高温多湿を避けて)
・away from the desk
(席を外して)
・I am running away.
(私は逃げます。)
そのほか、英語の中では、「あと〇〇分で到着する」ということを伝える際に「away」を使う場合があります。
・I am five minutes away.
これは、普通に訳すと「私は5分の距離にいます」ですが、「あと5分で着くよ」というニュアンスでも使えます。
日本語においてのアウェイとは
日本語においての「アウェイ」は、大きくわけて次の2種類の意味があります。
①敵地
②自分にとって居心地の悪い場所。場違いな雰囲気。
なお、スポーツ界であっても、野球では「敵地」を「ビジター」と呼ぶので、豆知識として覚えておくと便利です。
「アウェイ」と「アウェー」どちらが正しい?
「アウェイ」は、ものによっては「アウェー」と表記されている場合がありますが、結論からいうとどちらも間違いではありません。ただ、英語では「away」で発音記号が「əwéi」なので、「アウェイ」のほうが近いといえます。
「アウェイ」の使い方・例文
「アウェイ」は「敵地」を意味するのか、「自分にとって居心地の悪い場所」「場違いな雰囲気」を意味するのかで使い方が変わります。
たとえば、よく使われる「アウェイ感」「アウェイな感じ」は、「居心地が悪い」といったニュアンスになりますが、「アウェイ戦」といえば、「敵地に乗り込んでの試合」の意味になります。
また、「完全アウェイ」という表現もありますが、これは、「自分の周りが敵だらけである」といった状況下で使われます。では、会話の中ではどのように登場するのか、例文でチェックしてみましょう。
・明日は九州に移動してアウェイ戦だ。
・四国の地元ファンはとても熱いので完全アウェイだと思っていたが、自チームのファンも多数いたので勢いづくことができた。
・仕事帰りの地味なスーツでライブに行ったらアウェイ感でいっぱいになった。
・結婚披露宴に出席したが、同席の人が新婦の友人ばかりで終始アウェイな感じがしていた。
・資材部で経験を積み、突然倉庫に異動になったら、周りが若い社員ばかりで毎日アウェイ感を感じている。
「アウェイ」の類語・言い換え
「自分にとって居心地の悪い場所」「自分にとって不利な環境」のニュアンスの「アウェイ」を日本語で言い換えたい場合は次の言葉が使えます。
・不利な条件
・不利な環境
・不利な立場
・不都合な立ち位置
・不都合な状況
・最悪なシチュエーション
・マイナスの条件 など
自分自身にとって不利な状態、居心地が悪い状況を表す言葉が類語となるわけですが、状況によって適したフレーズは異なります。そのときどきでふさわしいと思う言葉を上手に選んでください。
また、カタカナ用語の類語は、「自分にとって居心地の悪い場所。場違いな雰囲気。」の意味の場合は「ミスマッチ」が使えます。
ミスマッチ
「ミスマッチ」とは、「釣り合わない」「釣り合わない同士が結びついている」という意味のカタカナ用語です。そのほかにも「合っていない」ことを指す際にも使われるので、「自分自身にとって居心地の悪い場所。合っていない場所」を指す「アウェイ」の類語としても使えます。
・あの部署は自分にとっては完全にアウェイだよ。
・あの部署は自分にはミスマッチだと。
なお、ミスマッチの反対で、「合っている」ことは「マッチ」というので、「マッチしていない」という表現もできます。
四字熟語で表すと「四面楚歌(しめんそか)」
「四面楚歌」は、次の意味をもつ四字熟語です。
周囲がすべて敵や反対する人で、自身が孤立し、助けや見方がいないさま。
ですので、場違いで孤立しているアウェイ感を表現する際には「四面楚歌」も使えるというわけです。
なお、「誰も助けてくれる人がおらず、たった一人でいるさま」を表す四字熟語として「孤立無援(こりつむえん)」があります。これを機に「アウェイ」「四面楚歌」「孤立無援」を関連づけて覚えておくと記憶に残りやすいでしょう。
ビジネスでもスポーツでも使う「アウェイ」をマスターしよう
「アウェイ」はビジネスとスポーツで異なる意味で使われるカタカナ用語です。正しい意味を理解し、状況に応じた使い方ができるようになってください。また、類語や言い換え表現もいろいろあるので、「アウェイ」が使いにくいときは、その場にあった言葉を選んで使うようにしましょう。