アカデミックには2つの意味がある
アカデミックという言葉からは、大学などの機関における学問を連想する方が多いでしょう。
実際、学問に関係する意味もあるのですが、それとは別に「古臭い」といったニュアンスで用いられることも。どちらの意味で使われているのか、文脈から考えることになります。
今回は、わかりそうでわからない「アカデミック」の意味や使い方、英語について解説します。
アカデミックの意味
アカデミックには大きく2つの意味があります。ポジティブな意味、ネガティブな意味があるので少し注意が必要となります。
意味①:学問で正統的で堅実なこと
学問に関する意味がこちら。他の表現としては「学問的」や「学究的」ということもできます。
アカデミックとは、学問に対する取り組み方が正統であり、堅実であること。基本的にはポジティブな意味合いとなります。大学や研究機関などではアカデミックという言葉の使用を好みます。
意味②:伝統的、形式的で古臭いこと
伝統や形式にとらわれすぎて、新しさがない状態をアカデミックと表現することがあります。この場合は「古臭い」というマイナスの意味で使われます。
・大学関係者が集うアカデミックな場だ。
・数十年、時代の流れを考慮せず、同じことをしている点で非常にアカデミックな会だ。
「アカデミックな人」とはどんな人?
アカデミックには2つの意味があるため、「アカデミックな人」の解釈も分かれます。
・学者気質で、探究心がある人
・理屈や理論を重視する人
・形式ばっていて、退屈な人
・伝統にとらわれていて、古臭い人
上記のように、いい意味もあれば、悪い意味も。もし自分がアカデミックな人だと言われたら、必ずしも褒め言葉ではないかもしれないので文脈がから読み取る必要があります。
アカデミックの類語
アカデミックと似た言葉として、響きもそっくりな「アカデミア」と「アカデミー」があります。アカデミックは形容詞として使いますが、こちらは用法が異なります。
アカデミア
アカデミア(academia)は、「学究的な世界」や「学究的環境」などを意味する言葉です。例えば「日本のアカデミアが抱えてきた◯◯の問題」「アカデミアの協力」など名詞としてと使うことができます。
アカデミー
アカデミー(academy)は、学問の指導者の団体という意味があります。その意味から「学校」や「研究機関」のことを示す場合も。名詞として「音楽のアカデミー」「アカデミーを設立」などと使うことができます。
アカデミックの関連語
アカデミックという言葉には、他の言葉を組み合わせてできる関連語がいくつかあります。順番に確認していきましょう。
アカデミックライティング
学術的な文章を書くスキルのこと。大学などでのレポート、卒業論文、学位論文、投稿論文などを書く技術を指します。こうした書き物では、言語表現も構成も、日常生活で触れるものとはあり方が異なります。わかりやすい文章、客観的な文章が求められます。
アカデミックハラスメント
大学などの教育機関で、教育や研究上の権力を持つ人が学生や部下を傷つけるような言動を行うことです。学生の進級や卒業などを正当な理由なく認めないことや、学生に不当な経済的負担を強制することなど、内容は多岐にわたります。
学生や部下に対する暴言や過度な叱責、プライバシーを必要以上に侵害して介入することなども該当します。
アカデミックガウン
アカデミックガウンとは、卒業式や学位授与式で着るガウンのこと。帽子とセットで着用します。大学によって着る習慣があるところもあれば、そうでないところも。また、学士・修士・博士など学位によってもガウンが異なる場合があります。
なお、限られた機会にしか着用しないため、購入ではなく、レンタルで済ませる方もいます。
【おまけ】あつまれどうぶつの森の「アカデミックなめいが」
あつまれどうぶつの森(あつ森)では、いろいろな家具やインテリア用品を集めて楽しむことができます。美術品のアイテムに「アカデミックなめいが」があり、レオナルド・ダ・ヴィンチの人体図が描かれています。
これは、紀元前の書物を元に人体の比率を表した絵。伝統的で学問的な要素も含まれているため、ネーミングに「アカデミック」という言葉が入ったのでしょう。
また、「アカデミックなめいが」には本物と偽物があるなど、凝った設定となっています。
アカデミックの意味は文脈から読み取る
アカデミックといえばまずは「学問的」の意味をおさえておくことがマストです。ただ、「形式ばっている」「古臭い」というネガティブな意味になってしまうこともあるため、文脈から解釈する必要があります。
2つの意味があることを知っておき、会話の中で混乱しないようにしましょう。