「温故知新」とはどんな言葉?
「温故知新」の意味は、「過去にあった物事を研究して、そこから新しい知識や見解を見つけ出すこと」。
類語は、「覧古考新」「承前啓後」「継往開来」「彰往察来」です。
英語では、「Things present are judged by the things past.」などと表現します。
「温故知新」とはどんな意味?
「温故知新」は「おんこちしん」と読み、次の意味を表す四字熟語です。
・先人が残した古い教えから、現代に役立つ新しい解釈を得ること
「温故知新」の「温」と「故」という漢字の意味をみてみましょう。
・おだやか。やさしい
・たずねる。ならう
・つつむ。つつみこむ
・もと。もともと。もとから知っている
・特別なこと。できごと。わざわい
・ことさらに。わざわざ
・死ぬ。死んだ
・ゆえ。わけ
冷めてしまった料理も正しい手順で温め直せば、また美味しく食べられるようになりますよね。古くなって忘れ去られた知識も、書物を読んだり、先人に尋ねたりして正しく習えば、また活用できる知識にできます。
つまり、「温故知新」は、昔のことを学びなおして自分の知識が増えれば、それをもとに新しい知識を編み出すこともできるようになりますよという意味の四字熟語です。
「温故知新」の語源は論語
「温故知新」の語源は「論語」です。「論語」は、昔の中国の思想家 孔子やその弟子たちの言葉を、孔子の死後にまとめた書物。「温故知新」は、この「論語」のなかに出てくる次の文から日本語になりました。
書き下し文に直すと次のようになります。
これは、「孔子先生はおっしゃった。昔の出来事や古くからの教えを学び、現代にも通じる新しい知識を得ることができれば、人を指導する師となれるだろう」という意味です。
「故(ふる)きを」は「古きを」と書かれることもありますが、これは誤用なので間違えないように注意してください。
「温故知新」の使い方を例文で学ぼう
「温故知新」の意味がわかったら、次は言葉の使い方を例文でイメージしてみましょう。
・活用されていなかった過去の研究に目を向け、温故知新のイノベーションを目指す。
・イベント期間中は、古代エジプトの王侯貴族が食していたメニューを現代風にアレンジした、温故知新な料理を提供する。
・私の座右の銘は温故知新です。
「温故知新」の類語・言い換え表現
「温故知新」の類語は、「覧古考新」「承前啓後」「継往開来」「彰往察来」です。
承前啓後(しょうぜんけいご):昔からのものを受け継いで、未来を切り開くこと
継往開来(けいおうかいらい):先人の事業を受け継ぎ、発展させながら未来を切り開くこと
彰往察来(しょうおうさつらい):昔の出来事を明らかにして、これから先のことを予測すること
これらの四字熟語は、すべて「温故知新」と同じようなニュアンスをもっています。ただし、難しい言葉すぎてあまり一般的ではないため、「温故知新」の言い換え語として使うと相手に意味が通じない可能性が高いです。
言い換えが必要なときは、「歴史から学ぶ」を用いることをおすすめします。
「温故知新」は英語だと?
英語にも「温故知新」に似たことわざがいくつかあります。知識として頭に入れておきましょう。
Today is yesterday’s pupil.:今日という日は昨日の弟子である
He that would know what shall be, must consider what has been.:どうなるか知りたければどうであったかを考えなければならない
【おまけ】「温故知新」の雑学
ビジネスには関係ないですが、身の回りにある「温故知新」も簡単におさえておきましょう。
温故知新でいこっ!
「温故知新でいこっ!」は、TOMOSUKE氏が監修したWeb連動型音楽配信企画「日向美ビタースイーツ♪」で制作、発表された楽曲。
「日向美ビタースイーツ♪」は、歴史ある古い建物が次々と壊され、新しいお店に変わっていく商店街を舞台にストーリーが進んでいきます。
古いものがなくなることを残念に思った商店街の女の子たちが、地元の人たちに「昔のもののよさ」を伝えるため、商店街のイベントとして「温故知新祭り」を企画。商店街の会長からの依頼で、女の子たちは祭りを盛り上げる「温故知新」を題材にした曲を作ることになり、完成したのが「温故知新でいこっ!」です。
焼肉 温故知新
「焼肉 温故知新」は、埼玉県戸田市にある焼肉屋さん。実店舗のほかに、上質な国産牛を中心としたメニューをお取り寄せできるオンラインショップも運営しています。
「温故知新」してみよう
新しいものをゼロから考え出すのは大変ですよね。そんなときは昔の事柄に目を向けてみましょう。
先人の知恵から学び、それを現代に合わせて発展させる「温故知新」の考え方は、ビジネスでも重要です。
「温故知新」を意識して仕事をしてみましょう。