コンセンサスとは「みんなの合意」のこと
ビジネスシーンではカタカナ語が好んで用いられることがありますが、コンセンサスも使用頻度が高い言葉の一つ。
「コンセンサスを得る」などの使い方が定番ですが、意味がわからないと困ることもあるかもしれません。
コンセンサスとは簡単にいうと「みんなの合意」のこと。今回は、コンセンサスの基本的な意味と使い方についてご紹介します。
コンセンサスの意味
コンセンサスの意味を詳しくみていきます。主に使われる意味とマイナーな意味があるので、どちらも覚えておきましょう。
コンセンサスとは?
簡単にいうと「みんなの合意」ですが、実際には次のようなニュアンスとなります。
・複数人の合意
・複数人の意見の一致
自分一人の意見ではなく、複数の人の意見が一致している状態であることがポイントです。仕事において、関係者で意見を一致させ、合意を得るような場面が多々あります。
多数決ではなく、全会一致で結論を出すような方法のことを「コンセンサス方式」といいます。
上記の意味が主ですが、ときどき「根回し」の意味で使うことも。この場合、意見の一致そのものではなく、それに至るために事前に複数人から承諾を得ておくことをコンセンサスといいます。
金融・証券用語としてのコンセンサスも
株式投資においては、アナリストや証券会社の業績予想をコンセンサスといいます。市場予想平均のことです。「コンセンサス予想」ということもあります。
調べ方としては、証券会社で公開されているコンセンサスもあり、個人投資家も見ることができます。
金融情報のサービス会社であるQUICKが出す「QUICKコンセンサス」というものがあります。
コンセンサスの使い方・例文
コンセンサスは「得る」と「取る」の言い方がよく用いられます。明確な違いはないものの、次のように使い分ける傾向はあります。
コンセンサスを得る
→「複数人の合意」を得るときに使うことが多い
コンセンサスを取る
→「根回し」をするときに使うことが多い
これが逆になったからといって間違いではなく、実際には文脈からどちらの意味で使っているのか判断されるでしょう。
・会議に先立って、部長のコンセンサスを取っておく必要がある。
・bouteXホールディングスの経常利益コンセンサスは3000万円だ。
コンセンサスの英語
コンセンサスは英語で「consensus」と表記します。日本語の意味と同じように「意見の一致」「合意」「総意」を指します。コンセンサスを得る、取るという表現としては次のものが挙げられます。
reach a consensus
get a consensus
到達するという意味の「reach」や、得るという意味の「get」は組み合わせて使いやすいです。
【類語】コンセンサスとアグリーメントの違い
アグリー(agree)には「同意する」、アグリーメント(agreement)には「同意」の意味があります。アグリー、アグリーメントは、個人が何かに同意をすることを指します。
一方、コンセンサスは個人の同意ではなく、全員の同意=合意を示します。関係者のアグリーメントが集まり、結果的にコンセンサスが得られるというイメージです。
【おまけ】コンセンサス配列とは何かわかりやすく
「コンセンサス配列」は分子遺伝学で登場するワードであり、日常生活で耳にする機会はまずないでしょう。
コンセンサス配列とは、複数の異なる生物の間で、類似している遺伝子の塩基配列を指します。あるいは、タンパク質のアミノ酸配列で共通部分がみられるときも該当します。
コンセンサスはビジネスで頻出の重要単語
コンセンサスは、ビジネス会話でも頻出のため、必ず知っておきたいカタカナ語の一つといえます。
突然上司から「コンセンサスを得ておいて」と言われても、「みんなの合意」という意味がわかっていれば焦らずに済みます。この機会に覚えておきましょう!