「知見」の意味とは?「知見を広げる」の使い方や類語、英語表現も解説

「知見」とはどんな言葉?

「知見」の意味は「知識。見識」「物事についてよく知り、よく理解すること」「知識によって立てた見解。物事に対する見方や考え方」です。

類語は、「経験」「蘊蓄」「見解」。

英語では「knowledge」を使います。

「知見」は「ちけん」と読み、次の意味で使われます。

知見
・知識。見識
・物事についてよく知り、よく理解すること
・知識によって立てた見解。物事に対する見方や考え方

現場に行き、自分が直接見たり聞いたりして得られた知識を「知見」といいます。

しかし、実際の体験や経験を経ることなく得た知識は「知見」ではないと、はっきり定義されているわけではありません。そのため、本を読んで学んだことや人づてに教えてもらったこと、インターネットで検索した情報などが「知見」と呼ばれる場合もあります。

「知見」の使い方を例文で学ぼう

「知見」の意味がわかったら、次は言葉としての使い方を例文でイメージしてみましょう。よく用いられる言い回しのニュアンスもあわせて紹介します。

例文1
知見を有する
【意味】
知識や見識を持っている

【例文】
専門的知見を有する人材を採用する。

例文2
知見を広げる
【意味】
世の中の事柄を見聞きして広い知識を得ること

【例文】
防災に関する知見を広げることを目的としたイベントを企画する。

例文3
知見を得る
【意味】
体験を通して知識や見識などを得ること

【例文】
留学して多くの知見を得たことで、自分の将来に対する考え方が変わった。

例文4
知見を増やす
【意味】
その人の持っている知識や経験を増やすこと

【例文】
仕事に関する知見を増やすため、資格取得を決意した。

例文5
知見をいただく
【意味】
ほかの人が持つ知見を教えてもらうこと

【例文】
講演会に参加し、貴重な知見をいただくことができた。

例文6
知見をお借りする
【意味】
ほかの人が持つ知見を教えてもらうこと。困った事態にあるときに、その分野の知見を持つ人の協力を仰ぐ場合に使われる言葉

【例文】
自力ではどうにもならず、専門家の知見をお借りすることになった。

例文7
知見がない
【意味】
物事をよく知らないさま

【例文】
企業としての将来を考え、知見がない分野だが挑戦することになった。

例文8
知見が狭い
【意味】
その人の持っている知識や経験が狭いこと

【例文】
知見が狭い自覚があるため、いろいろな人の話を積極的に聞きにいくことを心がけている。

例文9
知見が浅い
【意味】
その人の持っている知識や経験が浅いこと

【例文】
スマホに関する知見が浅い人向けに、製品の特徴や魅力をわかりやすく伝える販促方法を考える。

例文10
知見が深い
【意味】
その人の持っている知識や経験が豊富なこと

【例文】
この会社は、3Dプリンターに関する知見が深い。

「知見」の類語・言い換え表現

「知見」の類語は、「経験」「蘊蓄(うんちく)」「見解」です。「知見」と完全に同じ意味ではありませんが、似たようなニュアンスで使えます。

経験
【意味】
実際に見たり、聞いたり、行ったりすること。それによって得られた知識や技能など

【例文】
これまでの経験を活かせる再就職先を探す。

蘊蓄
【意味】
・蓄えた深い学問や知識
・ものを積み、蓄えておくこと

【例文】
人に話したくなる蘊蓄を紹介する。

見解
【意味】
・ある物事についての価値判断や評価。意見
・広く基本的なものの見方

【例文】
専門組織が公式な見解を示した。

「知見」は英語だと?

「知見」を英語で表すときは、「knowledge」を使います。

knowledge
・知っていること、自覚、認識
・特定のものについての情報、事実
・経験や学習で得られた知識、知恵、知見
・熟知、精通
・共有される総体としての知識、学識、学問

「knowledge」の代わりに、「expertise(専門知識)」や「experience(経験)」「wisdom(知恵)」が使用されることもあります。

ただし、「wisdom」は自分の知見には使えません。必ず「ほかの人の知見」という文脈で用いてください。

ビジネス会話で「知見」を使ってみよう

「知識。見識」などの意味をもつ「知見」は、プライベートではあまり口にする機会がありませんが、ビジネスではよく用いられる言葉です。

この記事で紹介した言い回しを頭に入れて、機会があったら「知見」を用いてみてください。