バッファとは「余裕」のこと
バッファいう言葉はわかりそうで、わからない。そんなカタカナ語に分類されるかもしれません。簡単にいうと「余裕」という意味がありますが、これだけではピンとこないでしょう。
バッファは、ビジネスでも日常会話でも使うチャンスがある言葉です。この記事でバッファの意味や使い方をマスターしましょう!
分野別!バッファの意味
バッファという言葉は、意外にもたくさんの分野で使用されてます。身近な例もあるため、順番にみていきましょう。
ビジネスにおけるバッファは「余裕」や「ゆとり」
仕事においては、何事も少し余裕やゆとりを持たせて計画を立てることが大切になります。このような余裕やゆとりのことをバッファと呼びます。時間的なゆとり、人員的なゆとり、物理的なゆとり。余裕を持たせるべき点はいろいろとあるため、意外と使用シーンが多いです。
・納期や予算の余裕
・予備や在庫の余裕
・人的余力
・不測の事態に備えたサポート体制 など
上記のような事柄に対して「バッファがある」「バッファを含める」などという形で使用することができます。
人間関係におけるバッファは「仲介役」
個人と個人、会社と会社などにおいて、人間関係を取り持つ役割を担う「仲介役」にあたる人のことをバッファといいます。例えば、A社に協力や業務提携を求めたい場合、A社と良好な関係にあるB社に仲介役に入ってもらう場合は、B社がバッファといえます。個人同士であっても、間に入ってくれる人がいたら、その人はバッファです。
国際関係におけるバッファは「緩衝」「緩衝国」
緩衝とは、2つの立場の間で生じる衝撃を和らげることを意味します。国と国の関係においては、2つの国の間に別の国が入り、クッションとしての役割を果たすことがあります。これを緩衝国といい、バッファともいいます。
ITにおけるバッファは「一時的な保存場所」
コンピュータでデータを受け渡しする際には、一時的に保存する場所があります。この一時的な保存領域のことをバッファといいます。身近な例でいうと、パソコンからプリンターにデータを出力するとき、そのデータは一時的にバッファとなっている領域に保存されます。
また、プログラミングでは「バッファオーバーフロー」という言葉があります。書き込もうとしたデータが、バッファよりも大きい場合に問題が発生することを意味します。
金融業界におけるバッファは「金銭的余裕」
金融業界では「金銭的な余裕」といったニュアンスでバッファという言葉を使用します。
具体的には「資本バッファ」という言葉が使われています。これは、不測の事態が生じて、金融機関の資金繰りが悪化してしまうリスクに備えた「余裕」のこと。金融機関に対して、リスクに備えた積み増しが求められています。
ストリーミング再生におけるバッファは「途切れない仕組み」
動画や音楽をストリーミング再生する際に、バッファという言葉に触れることがあります。ストリーミングでは、バッファがいっぱいになるまでデータがたまったら、動画や音楽の再生が開始します。再生した分だけバッファの領域が減るので、バッファにまたデータがたまっていきます。動画が途切れ途切れ再生されないようにバッファが設けられているのです。
バッファという言葉は、シチュエーションによっては「クッション」というカタカナ語に置き換えられます!
バッファの使い方・例文
・新人の営業には、Aさんがバッファとして同行してくれ。
・A社とは長年築いてきた関係があるので、今回のB社との交渉にはバッファとしての役割を依頼しようと思う。
・自分のスケジュール帳を改めて見たらバッファがまったくなかった。
・パソコンで動画再生をするとすぐにバッファ中となるのは、セキュリティソフトの影響もあるかもしれない。
バッファの英語表現
英語では「buffer」と表記します。基本的な意味は「緩衝物」となりますが、日本語と同じように「余裕」といったニュアンスでも使用可能です。
・余裕を持たせる have a buffer
・余分な在庫 buffer stock
・バッファとして as a buffer
このように使用できます。日本語とほぼ同じなので使いやすい英語といえます。ただし、英語の「buffer」はスラングとして使われて「老いぼれ」の意味となることがあります。誤解を招かないように注意しましょう。
バッファは一度覚えると活用できる言葉
バッファという言葉は、イマイチ意味がとらえにくい印象を受けますが、一度覚えてしまうと簡単です。「余裕」と「ゆとり」の意味があると覚えておけば基本的には困りません。予備やゆとりとなっている物、人、時間、すべてについて「バッファ」という言葉で表現できます。ぜひ会話の中で取り入れてみてください!