コンバージョンとはどんな言葉?
コンバージョンの意味は、「変換」「転換」「交換」です。
コンバージョンの類語は、「CV」「コンバート」。
英語で表すときは、「conversion」を用います。
コンバージョンとはどんな意味?
コンバージョンのもともとの言葉の意味は、「変換」「転換」「交換」です。
ここから意味が広がり、いろいろな分野で異なるニュアンスをもつ専門用語として使われています。
マーケティングや広告でのコンバージョンとは
マーケティング・広告分野でのコンバージョンは、広告やメールマガジンで獲得できる「成果」を意味します。ここでの「成果」とは、広告やメールマガジンをクリックしてWebサイトを訪れた訪問者が、Webサイトを公開している企業側が目標としている何らかの行動をとることです。
コンバージョンの対象になる行動はさまざまで、次のようなものがあります。
・会員登録をする
・資料請求する
・商品に関する問い合わせをする
・アンケートに回答する
・メールマガジンに登録する
Webサイトやメールマガジンを通して潜在顧客を「成果」につながりやすい見込み顧客に「転換」することや、Webサイトやメールマガジンにかかる費用を売り上げなどの「成果」に「転換」することであると考えれば、コンバージョンの意味の「変換」と「成果」を結び付けやすいですよ。
IT分野でのコンバージョンとは
IT分野でも、マーケティング・広告分野の意味でのコンバージョンが使われています。
そのほかに、「データ形式などの変換」を表す言葉としてコンバージョンが使用される場合もあります。この意味のコンバージョンは、ある形式で保存されたデータやファイルを、異なる機種のコンピュータでも動作できるように別の形式に置き換えることを表しています。
建築分野でのコンバージョンとは
建築分野でのコンバージョンは、「すでにある建物の用途を変更し再利用すること」です。
賃貸事務所として使われていた建物を集合住宅に変更したり、倉庫を飲食店に変えたり、廃校をオフィスとして再活用したり、さまざまなコンバージョンが行われています。
建物の用途を変更することで、物件が余っている市場から物件の需要が見込める別の市場に、低コストで建物を回すことができます。建物を解体し、新たに建設するよりも費用が掛からず、その建物を売れる市場に回すことで建物としての資産価値もアップさせられます。
医療分野でのコンバージョンとは
医療分野でのコンバージョンは、癌(がん)治療で使われる言葉です。手術で切除できない状態の悪化した病巣を化学療法で小さくしてから切除手術を行う治療法を意味します。
化学療法から外科的切除へ治療方法を変更するからコンバージョンといいます。
ラグビーでのコンバージョンとは
ラグビーでのコンバージョンは、トライの後にキック権を得られるゴールキックのことです。コンバージョンキックとも呼ばれます。
コンバージョンが決まると、トライの点数の5点とコンバージョン分の2点がもらえて、計7点の得点になります。トライの点数をもっと大きな点数に「変換」することから、コンバージョンといいます。
覚えておきたいコンバージョンの関連語
マーケティングや広告のコンバージョンには、関連語がたくさんあります。重要な言葉ばかりなので、しっかりおさえておきましょう。
コンバージョン数
コンバージョン数とは、広告やメールマガジンをクリックしてWebサイトを訪れた訪問者が、Webサイトを公開している企業側が成果と考える行動をとった回数のことです。
広告やメールマガジンを出す目的は、コンバージョン数を多く得ること。広告やメルマガをみてもらうだけ、クリックしてもらうだけで終わっては意味がなく、広告やメルマガをどのようにコンバージョン数につなげるかが重要です。
コンバージョン率(コンバージョンレート)
コンバージョン率(コンバージョンレート)は、広告やメールマガジンをクリックしてWebサイトを訪れた訪問者のうち、Webサイトを公開している企業側が成果と考える行動をとった人の割合のことです。
次の計算式で求められます。
コンバージョン率の平均は、1~3%。
業界や売っている商品・サービスの種類によってコンバージョン率の平均は変わります。
また、コンバージョンを何にするかによっても、コンバージョン率は変わってきます。「商品を購入する」のような料金が発生するものをコンバージョンに設定すると割合は低くなり、「資料請求する」のような手軽にできる行動ならば割合は高くなります。
コンバージョンAPI
コンバージョンAPIは、Facebook社が提供するCookieを使わずにコンバージョンを調べる仕組みです。
Cookieとは、スマホやパソコンでWebサイトを閲覧したときに、スマホやパソコンのWebブラウザに保存される情報のこと。ユーザーが、同じサイトをまた訪問するときに残しておくと便利なユーザー情報が保存されます。
コンバージョンを調べるときに使う方法は、日本ではCookieを用いるやり方が主流ですが、個人情報保護のためCookieの利用が世界的に制限されるようになっています。
コンバージョンAPIは、Cookieの代わりに広告主のサーバーに集まったデータをFacebook社の広告サーバーへ直接送信し、Facebook社がもつユーザー情報などのデータと付き合わせてコンバージョンを計測します。このやり方なら、Cookieの利用が制限されてもコンバージョンを正確に計測できます。
コンバージョンタグ
コンバージョンタグは、広告やメールマガジンが、どれくらいWebサイトを公開している企業側が考える「成果」につながったかを測定するタグです。
購入完了ページや登録完了ページ、アンケートの回答送信完了ページなど、ユーザーに目標の行動を起こしてもらった後に異動する「コンバージョン完了ページ(サンクスページ)」に設置します。
コンバージョントラッキング
コンバージョントラッキングは、ユーザーが自社の広告やメールマガジンをクリックした後、Webサイト上でどのような動きをしたのかを追跡し、コンバージョンを計測するツールです。
どのような経路でコンバージョンに至ったのか、またはコンバージョンせずにどの部分で離脱したのか計測できます。また、どの広告がコンバージョンに結び付きやすいのかも調べられます。
直接コンバージョン
直接コンバージョンは、コンバージョンの種類のひとつです。使う人によって定義が変わるので、どの意味で用いられているかを確認する必要があります。
意味2の直接コンバージョンは、5回訪問して5回目でコンバージョンしたケースでは、その5回目を指します。こちらの意味の場合は、「ラストクリックコンバージョン」とも呼ばれます。
間接コンバージョン
間接コンバージョンは、コンバージョンの種類のひとつ。これも使う人によって定義が変わります。
意味2の間接コンバージョンは、5回訪問して5回目でコンバージョンしたケースでは、1回目から4回目の訪問を指します。最後の5回目をアシストしている訪問のため、直接コンバージョンしているわけではないですが重要視されます。
間接コンバージョンは、「再来訪コンバージョン」や「アシストコンバージョン」と呼ばれることもあります。
総コンバージョンとユニークコンバージョン
総コンバージョンとユニークコンバージョンも、コンバージョンの種類です。
総コンバージョンは、コンバージョンされた回数の総数のこと。同じ人が2回コンバージョンした場合は2となります。
ユニークコンバージョンは、コンバージョンした人の人数です。同じ人が2回コンバージョンした場合は1となります。
コンバージョンの使い方を例文で学ぼう
コンバージョンや関連語の意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・アパレル業界向けに、コンバージョンを上げるコツを紹介する講演会を行う。
・コンバージョンの設定を確認する。
・プログラムのデータをコンバージョンする。
・閉店した百貨店を市役所にコンバージョンする。
コンバージョンの類語・言い換え表現
コンバージョンの類語は、「CV」と「コンバート」です。
「CV」は、マーケティングや広告のコンバージョンの略語。
「コンバート」は、IT分野の「データ形式などの変換」の意味でのコンバージョンの類語です。こちらの意味の場合、コンバージョンより「コンバート」のほうがよく使われます。
・ハイレゾ音源をダウンコンバートせずに再生したい。
コンバージョンは英語だと?
コンバージョンは、英語だと「conversion」という単語を使って表します。
・(部屋や建物などの)改装、改築
・(計量単位や通貨などの)変換、換算、両替
・(信念や宗教などの)転向、改宗
・(アメフトの)コンバージョン
・(マーケティングや広告の)コンバージョン
「conversion」の代わりに「transition(移り変わり、移行)」や「switch(転換、変更)」が使用されることもあるので、あわせて頭に入れておくことをおすすめします。
コンバージョンの意味を正しく読み取ろう
「変換」「転換」「交換」の意味をもつコンバージョンは、さまざまな分野で異なるニュアンスの専門用語として使われています。
それぞれの分野での意味を理解し、どのニュアンスで使用されているのか、正しく読み取れるようになりましょう。