「ご了承ください」とは「理解して受け入れてください」ということ
「ご了承ください」は、「理解して受け入れてください」と、相手にお願いする際に使う言葉で、会話だけでなく、ビジネスメールでもよく登場します。しかし、目上の人に対してはより丁寧な「ご了承くださいますようお願い申し上げます」と言い換えるのが適切であり、ほかにも類語を使ったほうがいい場合もあります。
本記事では、正しい意味や使い方のほか、言い換え表現、類語、英語についてもわかりやすく紹介します。
「ご了承ください」の読み方・意味
「ご了承ください」は、「ごりょうしょうください」と読みます。「了承」は、「事情をくみ取り理解する」の意味があり、「ご了承」にすることで、相手に向けた言葉に変わります。そして、最後に「ください」をつけると、相手へ要求する形となります。
つまり、「ご了承ください」で、「どうぞ事情をくみ取って理解してください」と、相手にお願いする言葉となるわけです。
「ご了承ください」は目上の方にも使える
「ご了承ください」は、シンプルではありますが、敬語のため、目上の人に使っても問題はありません。しかし、最上級の敬語ではないため、言葉遣いに厳しい方に使うと気分を害される場合もあるので注意が必要です。
ご了承くださいますようお願いいたします
「ご了承ください」は敬語でも、少し強いニュアンスがあります。しかし、「くださいますよう」にすると、表現もやわらかくなり、さらに丁寧な言葉になります。そして、それを「お願い」するため、とても丁寧に「理解して受け入れてください」ということを伝えられます。
・ご了承ください。
→どうぞ事情をくみ取って理解してください。
・ご了承くださいますようお願いいたします。
→どうぞ事情をくみ取って理解してくださいますようにお願いいたします。
「ご了承ください」の使い方・例文
ビジネスシーンにおいて、「ご了承ください」は比較的よく登場する言葉です。多くの場合、「前もって」「そのつもりで」を意味する「あらかじめ」を前につけて使います。
・来週の日曜日は臨時休業とさせていただきます。あらかじめご了承ください
・新型コロナ対策で、明日から2週間社員食堂は休業となります。急で申し訳ございませんがあらかじめご了承ください。
・先日お知らせした保養所のクーポンは先着順となりますのでご了承ください。
「ご了承ください」に対する返事
「ご了承ください」の返事としては、「わかりました」「理解しました」を意味する、次の言葉があてはまります。
・了承しました
・承知しました
ただし、敬語にはならないため、目上の人に対しては「承知いたしました」と応えるのが適切です。
「ご了承ください」の類語
「ご了承ください」の類語として、「ご容赦ください」「ご承知おきください」があります。どれも同じニュアンスではありますが、厳密には意味が違うので、正しく使い分けられるようしっかり覚えておいてください。
ご容赦ください
「ごようしゃください」と読みます。「容赦」には「許す」「手加減する」の意味があり、「ご容赦ください」は次の二つの意味をもつ言葉となっています。
・お許しください
・どうぞ手加減してください
また、「許してください」の意味で使う場合は、事前に許しを乞うだけでなく、すでに起こってしまった出来事に対しても使えます。
ご承知おきください
「ごしょうちおきください」と読み、「承知」には次の意味があります。
・事情などを知っていること
・相手の要求を聞き入れること
・相手の事情などを理解すること
「ご~ください」で「事情を知っておいてください」「事情を理解しておいてください」と、相手に丁寧にお願いする言葉となります。
「ご了承ください」の言い換え表現
「ご了承ください」は、相手に理解して受けもらう際のお願いの言葉です。そのため、場合によっては、次のような、さらに丁寧な表現にすることをおすすめします。
・ご了承のほどお願い申し上げます
・ご了承くださいますようお願い申し上げます
「ご了承ください」の英語表現
「ご了承ください」を英語で表現する場合、「understand(=理解する)」や「understanding(=理解)」を使います。
・Please understand.(なにとぞご了承くださいませ)
・Thank you for your understanding.(ご了承ください)
また、「あらかじめご了承ください」と言いたい場合は、「in advance」を最後につけ、「Thank you for your understanding in advance.」とします。
「ご了承ください」の意味を理解し正しく使おう!
メールやチャットを利用して仕事をする機会が増えている昨今、「ご了承ください」を使う機会はとても多いといえます。文章だけでも相手に不快感を与える場合もあるので、特に目上の人に対しては、丁寧語での言い換え表現を使うなど、状況に応じて上手に使いこなせるようになりましょう。