フィードバックの意味とは?フィードフォワードとの違いって?英語、例文、言い換え表現も紹介

フィードバックとは「反応」「結果」「帰還」という意味

「フィードバック」は、一般的なビジネスシーンでは「反応」「結果」、制御工学や心理学の分野では「帰還」の意味で使われています。そのため、なにを指しているのか、文脈の判断が必要になる言葉のひとつです。

また、「反応」「結果」の意味での「フィードバック」は、ビジネスで成功していくために重要な要素であり、どのように生かしていくのかも考えなければなりません。

本記事では、意味や「フィードバック」を使った例文のほか、言い換え表現、英語、やり方についてもわかりやすく紹介します。

フィードバックの英語は「feedback」

カタカナ用語の多くは英語がもとになっており、フィードバックもそのひとつ。英語では「feedback」と書き、次のような意味で使われています。

・(利用者からなどの)意見、反応、評価
・元のシステムを制御すること
・(制御工学や心理学の)帰還

「feedback」を使った熟語を少し紹介しておきます。

・consumer feedback(消費者からの評価)
・feedback from an individual(個人の意見)
・feedback circuit(帰還回路)

フィードバックの日本語の意味

日本語としての「フィードバック」は、分野によって意味が異なります

①制御工学分野のフィードバック
・帰還。
・入出力があるシステムにおいて、出力された結果を入力側に戻し、出力を制御すること。
②心理学や生態学のフィードバック
・帰還。
・代謝や内分泌の自己調整機能。
③一般企業や教育現場などのフィードバック
・自身の言動・行動について意見を聞き、周りにはどのように見えているかを知る。
・物事の反応や結果から改良・調整を加えること。
・製品やサービスなどを利用している顧客からの反応・意見・評価。また、これらの評価や意見を関係者に伝えること。

①②の意味は特殊な分野なので、一番多く使われている意味は③になるでしょう。しかし、その中でも製造業、サービス業、教育などで細かい意味は異なるので、状況に応じた解釈が必要です。

スマホ画面にでるフィードバックとは?

Googleマップ使用時、ときどき「データの問題を報告」といったメッセージがでることがあります。このように、サービスを提供している会社に使用状況を送信する仕組みを「フィードバック」といいます。

また、iPhone、iPadでは、入力内容を読み上げ、テキストの自動修正や候補を音声で案内してくれる「入力フィードバック機能」があります。

フィードバックの使い方・例文

「フィードバック」には、いろいろな意味が含まれているため、内容によって解釈が異なります。よく見聞きするのは「フィードバックを受ける」「フィードバックする」ですが、ほかにも使い方があるので、今回は一般的なビジネスシーンでの使用例をいくつかあげてみました。

例文1
お客様からのフィードバックを受け、サービス改善に努めます。
例文1のフィードバックは、「意見」「評価」の意味で使われています。実際に商品を使ったり、サービスを利用している顧客からの意見や評価は、さらに良いものを提供するうえで大切な要素です。
例文2
こちらでチェックしてフィードバックするので、気楽に資料作成していいよ。
例文2のフィードバックは、内容をチェックして「改良・調整を加える」の意味で使われています。

資料を作成する際、「これで大丈夫かな?」「この情報でいいのかな?」と迷ってばかりだと先に進みません。この例文では、「考えすぎなくてもいいからとりあえず資料作ってみてね」のニュアンスの会話です。

例文3
部長からのフィードバックをもらって資料を修正した。
例文3は、例文2と同じで内容をチェックして「改良・調整を加える」の意味で使われています。例文2では、フィードバックを「する側」ですが、例文3は「される側」で、「改良する点を指摘してもらい、それに沿って修正する」というニュアンスの会話です。
例文4
消費者からのフィードバックを反映し、改良品を作ってみました。
例文4は「意見」「評価」の意味で使われています。「消費者からの意見や評価を反映し、改良品を作ってみました」となります。

フィードバックのやり方

会社で資料作成に関するフィードバックをする際、ポイントが明確になっていなければうまく反映につながらなかったり、受け手に理解されなかったりします。ここでは、フィードバックのやり方を簡単に紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

フィードバックする際のポイント
①良かった点を具体的に述べる。
②悪かった点、改善すべき点を具体的に述べる。
③改善方法についてのアドバイスをする。
④次回に向けてのアドバイスをする。

フィードバックをする側は、受け手に伝わるように内容をまとめなければなりません。また、改善すべき点をあげる際や、改善方法を示す場合は、理想ではなく、実現が可能な内容でなければ意味がありません。

フィードバックを受ける人のやる気を損なわない言い回しにするのも大切な要素です。フィードバックをした場合は、その後の進捗確認など、フォローも忘れずに行いましょう。

「フィードバック」と「フィードフォワード」の違い

フィードバック(=feedback)とフィードフォワード(=feedfoward)は、「back(後ろに)」と「back(前に)」という違いを見てもわかるように、反対語の関係になっています。

フィードフォワードは、未来に起こりそうなことを予測し、それに対する対応を考えることをいい、過去にあったものに対して行動を起こすフィードバックと違いがあるというわけです。

また、批判的な表現をすると、フィードバックは「ダメ出し」ともいえますが、フィードフォワードは新しい意見を出すことができるので、優秀な人材を育てるための手段としても用いられます。

フィードバックの類語・言い換え表現

フィードバックを日本語で言い換える場合は次の言葉があてはまります

フィードバックの類語(言い換え表現)
・意見
・評価
・感想
・反応
・手ごたえ
・批評
・反動
また、似た意味をもつカタカナ用語としては、「レビュー」「リアクション」「チェックバック」などがあります。

レビュー

通販サイトでよく見られるレビューは、多くの人が「商品に対する感想」と認識して利用していると思います。しかし、本来は「評論」「批評」「再調査」の意味があるので今後は意識をして使ってみてください。

【評論】
物事のよしあし・価値などについて論ずること。
【批評】
よい点、悪い点を指摘し、その物事の価値を決めること。
【再調査】
もう一度調べなおすこと。

リアクション

リアクションには、「反応」「反動」の意味があります。フィードバックの類語としては、「反応」の意味がもっともあてはまるといえます。

チェックバック

チェックバックは、「さかのぼって確認する」という意味をもつカタカナ用語です。過去にあったことに対して行動を起こす点においてはフィードバックの意味に似ています。

しかし、実際には主に映像業界などで制作物に対しての修正指示を出すことを指しており、一般的なビジネスシーンで使われることはまずありません

フィードバックを活用して成長につなげよう

資料などを作成してもらい、自分で修正して完成させると、作成者が不備を自覚しないため、能力アップにつながりません。特に新人に対しての適格なフィードバックは、有能な人材を育てることにもなるので、大いに活用していきましょう。