アジャストとはどんな言葉?
アジャストの意味は、「調整すること。調節すること」「争いなどを調停すること」です。
類語は、「アダプト」「コーディネート」。
英語で表すときは、「adjust」「adjustment」を使います。
アジャストとはどんな意味?
アジャストは、次の意味をもつカタカナ語です。
・争いなどを調停すること
アジャストは「~する」などと組み合わせて、「アジャストする」のように動詞として使う場合が多いですが、名詞として用いられるケースもあります。
カタカナ語のアジャストは名詞
カタカナ語のアジャストは、英語の動詞「adjust(調整する)」を語源としてカタカナ語になり、名詞として「調整すること」という意味を表すようになった言葉です。
動詞由来の名詞は、「する」と組み合わされ「〇〇する」といわれると、「〇〇する」で一語とみなされ、サ変動詞と呼ばれる動詞として扱われるようになります。アジャストも「する」と組み合わせて「アジャストする」といわれると、動詞になります。
「アジャストをする」といった場合は、アジャストは名詞のままです。
アジャストとアジャストメントの違い
カタカナ語のアジャストは名詞として扱われているため、「アジャストをする」や「アジャストは~」のように使われることもあります。
しかし、アジャストを名詞として用いると、英語が得意な人には違和感のある表現と思われてしまう場合があるので注意してください。
その理由は、先ほども軽く説明したように、アジャストの語源の「adjust(調整する)」が動詞だから。「調整」という名詞の意味で使いたいときは、英語では「adjust」のスペルの後ろに動詞を名詞に変える働きをする接尾辞の「‐ment」をつけた、「adjustment」が使用されます。
そのため、「調節する」など動詞の意味を表すときは「アジャストする」を使い、「調整」など名詞の意味を表すときは「アジャストメント」を用いるのが正しいと考える人もいます。
アジャストは英語だと?
アジャストは英語では、「adjust」または「adjustment」といいます。
・(入れ歯などを)ぴったりはめる
・(意見の食い違い、論争、争い、対立を)調整する。解決する。調停する
・(間違いなどを)訂正する。直す
・(差異を)調節する
・(損害賠償請求に対する支払額を)決める。清算する
・順応する。適応する。慣れる
・調整装置
・(苦情や債務などの)調停。解決
・(料金などの)修正。訂正。精算
「調整する」は上記の単語を使って、「adjust」や「make an adjustment」「make adjustments」のように表すことができます。
アジャストの分野ごとの意味
アジャストは、いろいろな分野で使われているカタカナ語です。分野ごとの意味もおさえておきましょう。
アジャストのビジネスでの意味
アジャストのビジネスでの意味は、「調整する。調節する」です。
次のように使われます。
・異なる意見をアジャストする(意味:異なる意見を事前にすりあわせる。根回しする)
・チームをアジャストする(意味:チームを調整する)
アジャストの時計での意味
時計の話でアジャストが使われたら、「駆動装置の調整」の意味になります。
時計の中に入っている駆動装置の狂いを少なくするために行われる調整を、アジャストといいます。
時計が置かれる向き、周囲の温度、磁気など、時計が使用されるであろういろいろな状況を想定し、仮定したそれらの状況で精度の狂いを極力少なくできるように調整します。
アジャストのヨガでの意味
アジャストのヨガでの意味は、「ヨガポーズの調整や修正を行うこと」です。
ヨガ指導者が、生徒のとっているポーズを観察し、膝や手首などの向きを正しい方向に修正することを意味します。身体の負担軽減や怪我の予防のため、よりいいポーズに対する気づきを得られるように手助けするために行われます。
アジャストの野球での意味
アジャストの野球での意味は、「順応。適応」です。
「助っ人選手がチームにアジャストしてきた(順応してきた)」や「メジャーの野球にアジャストする(順応する)」のように使います。
また、「戦術的に適応する」の意味でも用いられています。この意味のアジャストは、バッターがピッチャーに合わせて臨機応変にプレースタイルを変更することなど、対戦相手や試合の状況に応じたプレーをすることを表します。
アジャストのゴルフでの意味
ゴルフでのアジャストの意味は、「調整すること。調節すること」。
クラブのヘッドをボールに当てるために、手先でいろいろ調整しながら打つことなどをアジャストといいます。
アジャストの医療での意味
アジャストの医療での意味は、「調整すること。調節すること」です。
カイロプラクティックでは、手または器具を使ってずれている椎骨、仙骨、腸骨の位置を正しい位置に調整し、関節の動きなどを改善することをアジャストと呼んでいます。
また、アジャストは薬や医療器具の名前にも使われています。アジャストがつくものには、緩下剤の「アジャストA」や、気管切開チューブの「アジャストフィット」などがあります。
アジャストの使い方を例文で学ぼう
アジャストの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・スケジュールをアジャストできた。
・会社の名前を「アジャスト」に決めた。
・ピッチャーにアジャストしきれなかったのが敗因だ。
・アジャストに時間を必要としている。
・アジャストボルトで作業台の高さを調整する。
例文で出てくるアジャストボルトは、高さの調整を行うためのボルトです。
アジャストの類語・言い換え表現
アジャストの類語は、「アダプト」「コーディネート」です。それぞれの意味や使い方もおさえておきましょう。
①適応・順応すること。また、適合させること
②翻案・脚色すること
【例文】
まだ新しい環境にアダプトすることが出来ていない。
①各部を調整し、全体をまとめること
②服装・インテリアなどで、色柄・素材・形などが調和するように組み合わせること
【例文】
イベントをコーディネートする会社に就職した。
そのほかにも、日本語の「修正」「調整」「調節」「摺り合わせ」も言い換え語として使えます。
アジャストを上手に使おう
アジャストの意味は、「調整すること。調節すること」「争いなどを調停すること」です。ビジネスやスポーツなどいろいろな分野で使用されていますが、みなが知っているといえるほどメジャーなカタカナ語ではありません。
相手に意味が通じないことも考えられるので、その場合は紹介した類語に言い換えるなどしてうまくアジャストを使っていきましょう。