コストパフォーマンスの意味とは?類語やタイムパフォーマンスについても解説

コストパフォーマンスとはどんな言葉?

コストパフォーマンスの意味は、「費用対効果」です。

類語は、「対費用効果」「費用便益比」「お買い得感」「お値打ち感」。

コストパフォーマンスは、そのまま訳すと「cost performance」になります。しかし「cost performance」は、一般的にはあまり使われていません。「reasonable」など、別の表現を用いないとニュアンスが伝わらない可能性が高いです。

コストパフォーマンスとはどんな意味?

コストパフォーマンスは、次の意味をもつカタカナ語です。

コストパフォーマンス
費用対効果

「費用対効果」は、わかりやすくいうと「支払う金額に対して効用や価値がどのくらいあるかを割合で表すもの」です。

単純に価格がどれだけ安いかをいうものではありません。何かを得るために投入した費用と、それを支払うことで得られた価値やメリットの比較により、それを得た人が感じる「お得感」や「満足度」がどの程度あるかを示しています。

製品やサービス、給料を払って雇う従業員などに対して使われます。

コストパフォーマンスは、「コスパ」や「CP」と略していわれる場合も多いです。

コストパフォーマンスが良い・悪いとは

コストパフォーマンスは、費用に対してそれを支払う人が、「このくらいあればまあ合格としよう」と考える基準よりも質や数、量などが優れているかどうかで「良い」「悪い」と評価されます。

ここでいう費用は、購入するときに発生する費用だけではありません。燃料費、保険料、修理費用など、使用するうえで将来的にかかる費用もすべて含まれます。また、そのものに費やす「労力」や「時間」がコストに含まれるケースもあります。

基準よりも優れているときに「コストパフォーマンスが良い(高い)」、逆に劣っているときは「コストパフォーマンスが悪い(低い)」といいます。

コストパフォーマンスは、その良し悪しを数値で算出することも可能です。数値を求めるときは、次の計算式を使用します。

得られる効果(利益)÷費用

コストパフォーマンスは費用と成果のバランスが重要

コストパフォーマンスは、それを使う人(買う人)にとって費用と成果のバランスがとれているかが重要です。

望む結果を得るために、支払ってもいいとその人が思える範囲の価格におさまっている商品やサービスのなかで、なるべく少ない費用で大きな成果を上げられるものが、「コストパフォーマンスが良い(高い)」と評価されます。

製品やサービスを提供する側の企業が考える費用と成果のバランスが、製品やサービスを購入する消費者の考える費用と成果のバランスと合っていなければ、どんなにいいものであっても購入してもらえません。

消費者目線でのコストパフォーマンスを意識する必要があります。

コストパフォーマンスは英語だと?

コストパフォーマンスは、そのまま英語に直すと「cost performance」です。

cost performance
価格性能。性能対価格比

「cost performance」は、製品開発に携わる一部の職業の人々が主に使う経済専門用語。一般的にはあまり使われない表現なので、通じない場合が多いです。

一般的には、「cost performance」の代わりに次のような表現が使用されます。

コストパフォーマンスの英語
reasonable:(値段などが)それほど高くない、まあまあの。(品質などが)まあまあ良い、悪くない
cost-effectiveness:性能価格比。費用有効性。費用対効果。コスト有効度
value for money:金額に見合う価値(のあるもの)。値段相応のもの
value fot the price:値段相応の価値

「コストパフォーマンスが高い」と英語でいいたいときは、上記の表現を用い「good value for money」「good value for the price」などのように表します。

コストパフォーマンスとタイムパフォーマンス

コストパフォーマンスといった場合、「労力」や「時間」も含めてコストを考えるケースもありますが、「金額」に重点が置かれていることが多いです。

タイムパフォーマンスは、コストパフォーマンスから派生して新しく生まれた和製英語。あるもののために消費する時間と、それによって得られる価値やメリット、満足度との割合を意味します。

短い時間で高い成果や満足が得られる場合、「タイムパフォーマンスが高い」といいます。

例えば、次のような判断がタイムパフォーマンスに基づく判断といえます。

例①
時間を有効活用するため、価格は高くなってしまうけれど時短に役立つハイテク家電を購入する
例②
遠くのスーパーに買い物に行けば同じ品物を安く購入できることはわかっているけれど、買い物にかかる時間を節約するため、価格が高い近所のスーパーで買い物を済ませる

コストパフォーマンスの使い方を例文で学ぼう

コストパフォーマンスの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
コストパフォーマンスが高い自動車をランキングにして紹介する。
・性能を重視し無駄を省いた設計により、コストパフォーマンスの高い製品に仕上がった。
・この商品は、コストパフォーマンスの良さで人気がある。
コストパフォーマンスに優れたサービスを慎重に見極める。

コストパフォーマンスの類語・言い換え表現

コストパフォーマンスの類語は、「対費用効果」「費用便益比」「お買い得感」「お値打ち感」です。それぞれの意味や使い方もおさえておきましょう。

対費用効果
【意味】
費用に対する効果の度合い

【例文】
対費用効果が悪すぎる事業からの撤退を検討する。

「対費用効果」は、「費用対効果」の別の言い方です。

費用便益比
【意味】
事業によって社会にもたらされるものにより、一定期間の間に発生した経済的な価値(発生した便益の総計)を、事業にかかった総費用で割った値

【例文】
人口減少により、費用便益比が小さくなる懸念がある。

「費用便益比」は道路事業など、公共事業の話で使われる言葉です。「B/C(Benefit/Cost)」といわれる場合もあります。

お買い得感
【意味】
値段の割に品質・性能が良く、また分量が多いなど、買うと得だという感じ

【例文】
リニューアルされた新型車は燃費性能が向上しており、お買い得感が強まっている。

お値打ち感
【意味】
値段の割に品質がいい、量が多いなどの理由で消費者が買い得だと感じること

【例文】
セール期間中は、お値打ち感のある商品を多数ご用意して、皆様のご来店をお待ちしております。

そのほかにも、文脈によっては次のような表現も、コストパフォーマンスの言い換えに使用できます。

コストパフォーマンスの言い換え表現
儲けが大きい(少ない):儲けが大きい取引ができた。
燃費がいい(悪い):この車は燃費がいい。
割がいい(割に合わない):割がいい仕事に就けた。
コストに見合う(見合わない):サプライチェーンを見直し、コストに見合わない部分を一つひとつ修正していく。

コストパフォーマンスを意識して働こう

コストパフォーマンスの意味は、「費用対効果」です。

商品やサービスを選ぶときに、どれを買ったらより大きな満足が得られるか、コストパフォーマンスを重要視する消費者が増えています。そのため、単純に性能や品質を追求したいい商品やサービスを発表すれば売れるというわけではなくなっており、企業はコストパフォーマンスを重視したものを開発しなければならなくなっています。

ひとりの従業員として考えたときにも、コストパフォーマンスは無視できません。

従業員を雇っている会社は、その従業員を雇用するために払っている費用と、従業員が会社にもたらす利益のバランスをみてその従業員を評価しています。コストに見合った働きができているか、自分の仕事ぶりでのコストパフォーマンスにも意識を向けて日々の仕事に臨むようにしましょう。