クールダウンとはどんな言葉?
クールダウンの意味は、「興奮状態を静めること」です。
類語は、「クーリングダウン」「カームダウン」。対義語は、「ウォーミングアップ」です。
英語で表すときは、「cool down」を使います。
クールダウンとはどんな意味?
クールダウンの基本となる意味は、「興奮状態を静めること」です。この意味をもとに、次の2つの意味合いで使われています。
②高ぶった感情を冷やすこと
それぞれの意味のクールダウンはどのような目的で行われるのか、その方法も見てみましょう。
運動後のクールダウンの目的・効果
運動後のクールダウンは、次の目的のために行われています。
・疲労物質を除去する
・硬くなった筋肉を伸ばす
「めまいや吐き気を予防する」とは
運動中の身体はたくさんの血液を全身に送るために心拍数を増加させています。そして、全身に送り出された血液は、筋肉が収縮してポンプの働きをすることで効率よく心臓に戻されています。
激しい運動の後急に体を動かすのをやめてしまうと、心臓は急激な変化に対応できません。心拍数は上がったままなのに、筋肉ポンプの働きが止まってしまうため、心臓に戻ってくる血液の量が減少してしまいます。このことにより、身体が貧血状態に陥ってめまいや吐き気を起こしてしまう場合があるのです。
クールダウンとして軽い運動を行うことで、筋肉ポンプの働きを緩やかに持続させ、めまいや吐き気を予防できます。
「疲労物質を除去する」とは
運動直後の筋肉や血液のなかには、疲労物質がたまっています。これが長く身体に残ることで、疲労感が長引いてしまうのです。
クールダウンの軽い運動を行うと、筋肉にたまった疲労物質を血中に排出できます。筋肉ポンプの働きによって血液の循環がよくなることで、血液中の疲労物質が全身に循環され、疲労回復を促せるといわれています。
「硬くなった筋肉を伸ばす」とは
運動後の筋肉は、硬く張った状態になっています。クールダウンは、この硬くなった筋肉をほぐして柔軟性を回復させ、筋肉への血流量を増やす目的でも行われます。
これは、筋肉痛の軽減やケガの予防に役立つといわれています。
運動後のクールダウンの方法
運動後のクールダウンは、まず軽い有酸素運動を行い、その後静的ストレッチでしめるのがいいといわれています。
有酸素運動はゆっくり目のジョギングから、徐々に深呼吸しながらのウォーキングに移行していくのがおすすめ。有酸素運動の時間は5分~10分程度で十分です。
有酸素運動で体の状態が落ち着いてきたら、運動でたくさん使った筋肉を中心に、各部位20秒~30秒ほど弾みをつけずにゆっくりと筋肉を伸ばす静的ストレッチを行います。心地いいと感じる程度で止めるのがポイントで、痛みを感じるほど伸ばすのは頑張りすぎです。
クールダウンに時間をかけすぎると汗で体が冷えてしまうなど逆効果になるので、有酸素運動とストレッチトータルで10分~15分程度で終わりにしましょう。
感情のクールダウンの目的・効果
高ぶった感情を冷やすクールダウンの目的は、怒りの感情やイライラする気持ちをそのまま表に出してしまうことによって相手を傷つけたり、周囲とトラブルになったりする事態を避けることです。
熱くなりすぎた気持ちを落ち着かせ余裕を取り戻すことで、感情をコントロールしやすくなります。
感情のクールダウンの方法
感情のクールダウンには、次のような方法がおすすめです。
・何も考えない行動しない
・怒りから意識をそらす
・その場から離れる
深呼吸する
カッとなった瞬間や、怒りがなかなか解けないときに、ゆっくり深呼吸すると気持ちを落ち着かせられます。
ゆっくりと時間をかけながら深呼吸するのがポイントです。鼻から息を吸い、怒りやイライラの気持ちも吐き出すイメージで、口からじっくり時間をかけながら息を吐き出してください。
何も考えない行動しない
怒りを感じているときに何かを考えたり行動したりすると、不満がどんどん増していき怒りのボルテージが余計に上がってしまいます。意識的に何も考えず、何も行動しないようにすることで怒りを鎮めましょう。
しかし、何も考えないことは練習しないとできないので、次のようなイメージで頭のなかを真っ白にするトレーニングをしてみてください。
怒りから意識をそらす
怒りの感情のもとになったものから意識をそらすため、何か別のものに意識を向けるようにしましょう。怒りやイライラから意識をそらすには、次のような方法がおすすめです。
・好きな曲のサビを心の中で歌う
・心の中でゆっくり6秒数える
・目の前にある何かに意識を集中しひたすら観察する
・「何とかなるさ」「どうってことない」など、自分を落ち着かせる言葉を事前に用意しておき、カッとなったときに心の中で自分に語り掛ける
その場から離れる
可能ならば、怒りの原因になっている人や場所から離れ、ひとりになりましょう。
いったん離れることで、怒りのもとが追加される事態を防げます。無言で席を立つと心証が悪いので、「クールダウンしてくる」とひとこと断ってから席を立つようにすることをおすすめします。
クールダウンの使い方を例文で学ぼう
クールダウンの意味や目的などがわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・クールダウンの必要性を説明する。
・過剰なダイエットブームはクールダウン傾向にある。
・誘惑に負けそうなときに気持ちをクールダウンさせるおすすめの方法を紹介する。
・ウマ娘のクールダウンは、長距離が得意なウマ娘に向くスキルだ。
クールダウンは英語だと?
クールダウンは英語だと、「cool down」と表されます。
・頭を冷やす、冷静になる、落ち着く、収拾する、(感情が)収まる、鎮まる
・(関係などが)冷え込む
・(愛情や熱意などが)弱まる
名詞として使う場合は、「cooldown」と表記されることもあります。
クールダウンの類語・言い換え表現
クールダウンの類語は、「クーリングダウン」「カームダウン」です。クールダウンの意味とこれら2つの言葉の意味は、少し違いもあるので頭に入れておきましょう。
クールダウンとクーリングダウンの違い
「クーリングダウン」は、次の意味をもつカタカナ語です。
激しい運動をした後、心身を平静にもどすために行う軽い運動
【例文】
練習後のクーリングダウンを習慣にする。
「クーリングダウン」は、気持ちを落ち着ける意味では使われません。その点がクールダウンとの違いです。
クールダウンとカームダウンの違い
「カームダウン」は次の意味をもっています。
気持ちを落ち着かせること。気を静めること
【例文】
カームダウンルームを設置した。
カームダウンは、クールダウンと違い運動後の心身の状態を落ち着かせる意味では用いられません。
パニックを予防する効果が期待できるといわれている。
クールダウンの対義語
クールダウンの対義語は、「ウォーミングアップ」。次の意味をもつ言葉です。
激しい運動をする前に体を温め、体がしっかり動くように整えるために行う準備運動
【例文】
怪我の予防にはウォーミングアップが大切だ。
クールダウンを役立てていこう
クールダウンは、「興奮状態を静めること」を意味するカタカナ語です。
運動後の心身の状態を落ち着かせることを意味する場合と、気持ちを落ち着けることを意味するケースがあります。
クールダウンは、ビジネスでは気持ちを落ち着ける意味で用いられる場合が多いです。紹介したクールダウンの方法を頭に入れておき、いつでも使えるように準備しておきましょう。