「有志」とはどんな言葉?
「有志」の意味は、「ある物事に関心を持ち、かかわろうとする意志のあること。また、その人」です。
類語は、「希望者」「志願者」。
英語で表すときは、「volunteer」を使います。
「有志」とはどんな意味?読み方は?
「有志」の読み方は「ゆうし」です。次の意味で使われます。
②、①の状態に当てはまる人、人々
ある物事に対して興味がありそれにかかわってみようと考えている状態が「有志」です。ここには、それを実現させるために役立つ行動を実際に行うところにまでは至らない、「気持ちだけ」の状態も含まれます。
また、そのように考えている人や、そのような人が集まってできた集団のことも「有志」といいます。
「有志」は人や集団に使うことが多い
「有志」は、「考えている状態」に対しても使える言葉ですが、実際には「そのように考えている人や集団」に対して用いることが多いです。
人や集団を指して「有志」といわれたら、「〇〇したい人」という意味だと解釈するとわかりやすいですよ。
「有志」と「ボランティア」の関係
「有志」は、ある物事に関心がありそのことに関わりたいと思っている人や、実際にそのことに参加し行動する人のことを意味します。「有志」といった場合、その物事に参加することが有償であるか無償であるかを問いません。
カタカナ語で「ボランティア」といった場合、社会や何かに困っている人のために無償で何かをすることや、そのような行動をする人を意味します。
「ボランティア」よりも「有志」のほうが意味が広いです。「有志」のなかに「ボランティア」が含まれていると考えてください。
「有志」の使い方を例文で学ぼう
「有志」の意味がわかったら、次は言葉としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・定年退職する上司へ有志で退職祝いを贈るため、賛同者を募るメールを部署のメンバーに送信した。
・イベントスタッフを有志で集める。
・炊き出しボランティアに有志で参加した。
・有志による勉強会を開催する。
覚えておきたい「有志〇〇」
「有志」は別の言葉と組み合わせて「有志〇〇」の形で使われることも多いです。よく用いられる関連語もあわせて頭に入れておきましょう。
「有志一同」は間違いといわれることも
餞別や香典、お祝いなどでお金や品物を贈るときに、「有志一同」という表現が使われることも多いですが、これは間違った日本語といわれる可能性の高い言い方です。
その理由は、「有志」には「人々」の意味が含まれており、「一同」は「そこにいる人々全部」という意味をもつからです。「有志一同」とすると「人々」の意味が重複してしまうため、間違いと考える人も多いのです。
実際に使っている人も少なくないのですが、正しい言葉遣いが求められるビジネスマンとしては、「有志一同」の表現は避けるほうが無難でしょう。
「有志一同」の代わりに、グループ名を使った「営業部 有志」や「営業部 一同」のような表現を用いることをおすすめします。
「有志」の類語・言い換え表現
「有志」の類語は「希望者」「志願者」です。それぞれの意味と使い方もおさえておきましょう。
あることについて、願い望んでいる人
【例文】
参加希望者を募集する。
あることを望み、願い出る人
【例文】
特別対策チームの志願者を募る。
「有志」は英語だと?
「有志」を英語で表すときは、「volunteer」を使います。
・(奉仕や援助などを)自発的に申し出る
・進んで(~しようと)申し出る
・志願する、進んでことに当たる
カタカナ語のボランティアは、社会奉仕活動の意味で使われることが多いですよね。
一方、英語の「volunteer」はもっと身近な単語です。日常的な「誰かちょっと手伝ってくれませんか?」や「誰かやりませんか?」のような感じで、大勢のなかから有志を募るときにも使用されます。
また、「有志一同」を英訳するときは、「volunteer staff」や「everyone concerned(関係者一同)」などを用いるとニュアンスを伝えられます。
「有志」の意味を正しく理解しよう
「有志」の意味は、「ある物事に関心を持ち、かかわろうとする意志のあること。また、その人」です。
ボランティアと意味が似ていますが、「有志」といった場合は有償、無償を問いません。
また、よく用いられる言い回しに「有志一同」がありますが、これは「人々」という意味が重なる二重表現のため、間違いといわれることが多いです。
「有志」の意味をしっかり理解し、正しく使えるようになりましょう。