モチーフとは簡単にいうとどんな言葉?
モチーフの意味は、「創作行動を起こさせる原動力、刺激、動機となる中心的な題材」です。
類語は、「イメージ」「テーマ」「コンセプト」。
英語で表すときは、「motif」を使います。
モチーフとはどんな意味?
モチーフは文学や美術など、芸術分野で使われる言葉で、次の意味を表します。
別の分野では、異なる意味を表す言葉としても使用されています。
ビジネスでのモチーフの意味
ビジネスでのモチーフは、次の意味を表す言葉として用いられる場合が多いです。
そのビジネスを始めようと考えた「動機」や、ヒントになった「題材」をモチーフといいます。
ビジネスでのモチーフは、芸術分野で使われるモチーフの意味に似た意味合いなので覚えやすいですね。
音楽でのモチーフの意味
音楽の分野では、文学や美術でのモチーフとは異なる意味です。
1小節以下のフレーズでは、拍子(音楽のリズムを形成する基本単位)を作るのが難しいことから、基本は2小節でモチーフとされます。
ひとまとまりの旋律は、いくつかのモチーフを集めて作られます。ひとつの旋律のなかで同じモチーフを繰り返し使用する場合もあります。
ファッションやデザインでのモチーフの意味
ファッションやデザインの分野でのモチーフも、文学や美術でのモチーフとは異なる意味で使われます。次の意味を表すケースが多いです。
また、毛糸編みやレース編みでは、小さな模様を編んだものをいくつかつなぎ合わせて大きな作品を作るときの、その個々に編んだ小片をモチーフと呼びます。
モチーフ編み
モチーフ編みは、かぎ針で花やリボンなどのモチーフを編む編み方です。
ヘアアクセサリーやコースターなど小物作品から、たくさんモチーフを編んでつなげれば、ブランケットやクッションカバーとして大きな作品に仕上げることもできます。
アクセサリーでのモチーフの意味
アクセサリーでのモチーフは、次の意味を表します。
愛、命、希望、夢、幸福などの思いや願いを、大切な誰かに伝えるため、目に見える形あるものとして表現したものがアクセサリーでのモチーフです。
リボン:人との結びつき、縁
花:幸せ、美しさ、愛情
クローバー:愛・富・健康・名誉、密かな恋の象徴
月:女性、永遠の美しさ、知性を高め心を落ち着ける
太陽:男性、魔除け、力強さ、生命力
星:魔除け、希望、光、幸運
蝶:復活、変身、美、飛躍、上昇
クロス:地・水・火・風、天と地の交流、生命、永遠
鍵:希望の扉を開く、閉ざされた心の扉を開く、災いや不運から大切なものを守る
馬蹄:幸せを運ぶ、魔除け
翼、羽根:飛躍、上昇
しずく:生命エネルギー
猫:魔除け、幸福、商売繁盛
数学でのモチーフの意味
数学でのモチーフは、幾何学的に考える対象の本質的な部分のこと。数論幾何学で使われる言葉です。
数論幾何学とは
数論幾何学は、整数に関するいろいろな問題を幾何学を使って考える学問です。
幾何学は、図形や空間の性質を研究する学問。
数論幾何学は、整数について考えるときに図形と結びつけ、数の問題を視覚的にとらえられるようにして考えていきます。
数論幾何学のモチーフとは
算数や数学の問題は図を描いて考えるとわかりやすくなりますが、図形に置き換えても複雑すぎて容易には理解できない、難しい数の問題もたくさんあります。そのような問題を解くときは、置き換えた図形をいろいろな側面から調べ、問題解決のヒントとなる数値的な情報を得ていきます。
その結果得られる、複数の情報は一見まったく異なるもののように見えますが、ある条件のもとでは共通する性質をもっていることがあります。それは偶然ではなく、異なるもののように見えても「本質的には同じ」なのではないかと考えることが重要なポイント。こうすることで、その図形(数の問題)の本質にたどり着きやすくなります。
モチーフとは、ある図形についてさまざまな視点から可能な限りたくさん調べ、多くの情報を得たときに、それらの情報すべてに共通している図形の本質的な部分のことをいいます。
モチーフは英語だと?
モチーフは、フランス語の「motif」からカタカナ語になった言葉です。 英語でも、そのまま「motif」というスペルで使われています。
・文学や芸術作品などの主題、テーマ
・(音楽)まとまりを作る旋律の最小単位
・(ジャンパーやトレーナーなどの胸の)飾り、模様、文字
・(メーカーや型などを示す自動車の)飾り、デコレーション
英語で話す機会があったら使用してみてください。
モチーフの使い方を例文で学ぼう
モチーフの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・カラフルなモチーフが可愛い子供用カーディガンです。
・戦国武将モチーフのTシャツを作成する。
・バレンタイン向けに名画をモチーフにしたチョコレートを企画する。
モチーフの類語・言い換え表現
モチーフの類語は、「イメージ」「テーマ」「コンセプト」です。これらのカタカナ語の意味は、モチーフの意味と少し違いもあるのでみてみましょう。
モチーフとイメージの違い
イメージは、次の意味をもつカタカナ語です。
②ある物事についていだく全体的な感じ
モチーフは「創作行動を起こさせる原動力、刺激、動機となる中心的な題材」であり、イメージはモチーフとなったものなど何かについて考えたときに心に浮かぶ映像のこと。意味に違いがありますね。
モチーフとテーマの違い
テーマは、次の意味で使われる言葉です。
モチーフとテーマの違いを考えるとき、人によって異なる説明がされる場合があります。それは、モチーフの意味がひとつではないため。それぞれの考え方をおさえておきましょう。
モチーフは「創作のきっかけ」テーマは「伝えたい主題」
ひとつ目の考え方は、文学や美術の分野でのモチーフの意味「創作行動を起こさせる原動力、刺激、動機となる中心的な題材」を根拠にしたものです。
この考え方の場合、モチーフは「人に創作行動を起こさせるきっかけ」であり、その影響は創作をする本人にしか及びません。対してテーマは、作品や商品を通してそれを創作した人が伝えたい主題であるので、影響力は作品や商品を観たり使ったりした周囲の人に及びます。
この意味でモチーフとテーマを考えた場合、2つの言葉は次のようにして使い分けることができます。
モチーフは「個別の表現方法」テーマは「全体を貫く主題」
2つ目の考え方は、モチーフが音楽やデザインなどの分野では、「作品の一部を形成する個々の単位」という意味で使われていることからきています。
この考え方でのモチーフは、作品や商品の部分部分に使われる個別の表現方法。テーマは全体を貫く主題です。
部分的なものと全体に及ぶもので、モチーフとテーマは異なる性質のものであると考えられています。
モチーフとテーマがひとつ目と2つ目、どちらの意味で使い分けされているのか、文脈から読み取れるようになりましょう。
モチーフとコンセプトの違い
コンセプトは、次の意味をもつ言葉です。
モチーフとコンセプトも、人によって異なる2通りの考え方で違いが説明されます。
モチーフは「きっかけ」コンセプトは「一貫した考え」
ひとつめの考え方では、モチーフは「人が作品や商品を作るきっかけになったもの」、コンセプトは「全体を通して変わらない一貫した考え」として言葉を使い分けます。
コンセプトは「一貫した考え」モチーフは「具体的な手段」
2つ目の考え方では、コンセプトは「全体を通して変わらない一貫した考え」、モチーフは「コンセプトを形にするために使われる具体的な手段、要素」として使い分けられます。
モチーフの意味を正しく読み取れるようになろう
モチーフは「創作行動を起こさせる原動力、刺激、動機となる中心的な題材」と、「作品の一部を形成する個々の単位」の異なる2つの意味で使われるカタカナ語です。
話している相手や文章を書いている相手がどちらの意味でモチーフを使っているのかは、文脈から読み取らなければなりません。
モチーフの意味を頭に入れておき、相手の意図を正しく読み取れるようになりましょう。