ファクターとはどんな言葉?意味や使い方、ファクターXなどの関連語も解説

ファクターとはどんな言葉?

ファクターの意味は、「要素」や「因子」「因数」です。

類語には、「コンポーネント」「エレメント」「イングリディエント」「コーズ」「エージェント 」「ブローカー」があります。

ファクターを英語でいいたいときには「factor」を使ってください。

ファクターについて、もっとくわしくみていきましょう。

ファクターとはどんな意味?

ファクターは、次の意味で使われるカタカナ語です。

ファクター
特定の結果をもたらす要素になるもの。要因。因子
・数学の世界では「因数」の意味になる

商取引の話でファクターが出てくるときには、「仲買人」「代理商」「問屋」の意味になることもあります。しかし、この意味でのファクターはまれな使い方で、ほかの分野ではあまり登場しません。

ファクターの英語は?

ファクターを英訳するときには、「factor」という単語を使います。

factor
ある現象や結果を生じさせる要因、因子、要素、原因
・代理商、代理人、問屋、仲買人
・数学の話で「因数」

「factor」の語源は、ラテン語の「factor(つくる人、行為者)」です。

「factor」は人を指す言葉からはじまった単語ですが、カタカナ語のファクターは、特定の分野を除きあまり人を指す言葉としては使われていません。

ファクターの使い方を例文で学ぼう

ファクターの意味がわかったら、次は言葉の使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・顧客満足度の調査結果をファクター別にみていく。
・野外イベントでは天候が重要なファクターになる。
・営業マンの振る舞い方は、交渉結果を左右するファクターだ。
・企業の海外進出に欠かせないファクターのひとつが、現地サプライヤーの選定だ。

覚えておきたいファクター〇〇

ファクターは、「ファクター〇〇」や「〇〇ファクター」の形で使われることがよくあります。ビジネスでもしばしば登場する言葉なので、あわせて覚えておきましょう。

ヒューマンファクターとは

ヒューマンファクターは、「人的要因」や「人間の行動特性」という意味です。

組織や機械、設備などのシステムを正常に働かせるためには、それを動かす人間側の次のような特性を考慮する必要があります。

・人間は錯覚を起こすことがある
・人間は不注意による失敗をすることがある
・人間は近道をしたがるものである
・人間は楽するために省略したがる

これらの特性がヒューマンファクターで、ビジネスでよく使われている言葉です。

MEMO
ヒューマンファクターが原因で起こった事故などの失敗は、ヒューマンエラーと呼ばれます。

ファクターアナリシスとは

ファクターアナリシスの意味は「因子分析」。たくさんある変数の間にある、相互の関係性を把握するために使われる解析方法のひとつです。

さまざまな調査や試験から得られる、目にみえるいろいろな結果を手掛かりにして、直接はみえてこないそれらに共通しているファクターを探りだすのがファクターアナリシス。

ファクターアナリシスはマーケティングや数学、心理学の分野で使われています。

ファクター投資とは

ファクター投資は、投資のプロのファンドマネージャーが行う「アクティブ運用」と、リスクが低くプロでなくても始めやすい「インデックス投資」の中間の考え方で投資する運用方法。

ファクター投資では、事前に「国」「業種」「株式の割安度」「小さい企業であること」「直近のパフォーマンスのよさ」など、銘柄をみるときに判断基準とするファクターを決めておきます。

さらに、そのファクターに従ってどのように投資するかのルールも決めておき、ルールに則って銘柄を決め投資します。

ファクター投資は「アクティブ運用」よりも小さなリスクで、「インデックス投資」より大きなリターンが期待できると考えられています。

MEMO
アクティブ運用:市場平均を上回る運用成績を目指して銘柄を選定し、投資する運用方法

インデックス投資:株式市場全体の平均を表している指標(インデックス)を、マネするように銘柄を選定して投資する運用方法

ファクターXとは

ファクターXは、同じ量の資源やエネルギーを投入したときに生産される財やサービスの量を、以前のやり方の「X倍」にするという意味の環境用語です。

ファクター4なら、同じ投入量で以前よりも4倍のものが出来上がり、ファクター10ならば10倍のものが得られるようになります。

MEMO
ファクターXが、「何らかの原因」や「解明できていない要因」という意味で使われることもあります。

リスクファクターとは

リスクファクターは「危険因子」という意味。何かの危険性を高める可能性があるファクターが、リスクファクターと呼ばれます。

リスクファクターは経済、金融、医療などの分野で使われている言葉です。

ファクターの類語・言い換え表現

ファクターの類語は、「コンポーネント」「エレメント」「イングリディエント」「コーズ」「エージェント 」「ブローカー」です。

ファクターの言い換えに使えるものばかりではないですが、意味は似ているので一緒におさえておきましょう。

コンポーネント

コンポーネント
何かを構成する部品や成分

コンポーネントは、機械やITの「ソフトウェア」や「システム」の話でよく用いられる言葉です。

「新機種には新しいコンポーネントが使われている」のように使います。

エレメント

エレメント
元素、要素、成分、素子

自動車などで使われる、ろ過フィルターを「エレメント」と呼ぶこともあります。

「元素」や「要素」という意味のエレメントは、「美味しいお酒を造るためのエレメントは、時間と気候だ」のように用います。

イングリディエント

イングリディエント
材料、原料、成分、要因、構成要素

イングリディエントは、英語圏の国で作られている商品の成分表記に「ingredient」と書かれているのが、そのままカタカナ語になって使われている言葉です。

「商品のイングリディエントを確認する」のように使用します。

コーズ

コーズ
・原因、理由、動機
・社会的な大義、信条

ビジネスではコーズをそのまま使うことはあまりなく、「コーズ・マーケティング」という熟語になって使用されるケースが多いです。

「コーズ・マーケティング」はある商品やサービスを購入すると、利益の一部が環境保護や社会貢献活動に寄付されるという企画を、大々的に宣伝して消費者の購入を促進する企業の販売手法のこと。

「コーズ・マーケティング」は純粋な社会貢献だけでなく、企業のイメージアップのためにも使われます。

「楽しく参加できるコーズ・マーケティングを企画する」のように用います。

エージェント

エージェント
・代理人、代理業者
・スパイ、諜報員

エージェントは、「仲買人」「代理商」「問屋」の意味でのファクターの言い換えに使われる類語です。

「エージェントと契約して海外進出の足場を固めた」のように用います。

ブローカー

ブローカー
売買の仲介をする人、仲買人

ブローカーは不動産や金融、保険業界でよく使われる言葉です。

「不動産ブローカーを雇って物件を探した」のように使用します。

【雑学】ロードバイクのファクター

ファクター(FACTOR)は、2007年にイギリスで誕生したレースバイクのブランド名です。完成車の販売はしておらず、フレームセットでしか購入できません。

軽量エアロオールラウンダーのO2、軽量クライミングバイクのO2 VAM、超軽量エアロレースバイクのOSTRO VAM(オストロヴァム)といった魅力的なフレームを取り扱っています。

日本での代理店はトライスポーツです。プロチームが採用するトップレベルのロードバイクに興味がある人は、問い合わせてみてください。

ファクターを正しく理解しよう

ファクターはマーケティングや経済、金融、医療などさまざまな分野で使われている言葉です。ほかの言葉と組み合わせて、「ファクター〇〇」や「〇〇ファクター」の形で使用されている関連語もたくさんあります。

ファクターはビジネスでも登場する機会が多い言葉なので、目にしたときに困らないようにそれぞれの意味を正しく理解しておきましょう。