「メセナ」の意味は？企業のメセナ活動って？フィランソロピーとの違いも紹介

「メセナ」とは「企業よる文化芸術支援」のこと

美術展やコンサートに行ったとき、思いもよらない企業が主催者になっていたという経験はありませんか？「メセナ」とは、そういった、「企業による文化芸術支援」のことをいいます。

言葉そのものはあまり馴染みがないかもしれませんが、活動そのものは意外と広く知られています。本記事では、「メセナ」の言葉の意味だけでなく、活動内容、企業の例、混同されやすい「フィランソロピー」との違いもわかりやすく解説します。

「メセナ」の語源

「メセナ」は「文化の擁護（ようご）」を意味するフランス語が語源となっています。昔、経済的に恵まれない若者たちの後援者として尽力した、ガイウス・マエケナスの名前に由来するものとされています。

日本においての「メセナ」とは

日本においては、主に企業の活動領域の拡大、地域社会への浸透のほか、CSRの一環としてメセナ活動を実施しているところが多いです。この活動は、文化庁でも実態調査を行っているほどの公的活動で、「企業メセナ協議会」という支援機関も存在しています。

活動状況やメセナを実施している企業の例については後述しているので、ぜひこのまま読み勧めてみてください。
（参照元：文化庁　メセナ活動実態調査）

CSRとは？

「CSR」は、「Corporate Social Responsibility」の略語で、「企業の社会的責任」を意味します。

米国において、企業は、社会があってこそ存続することができ、企業が存続し続けられることで、社会が持続・発展し続けるための責任を担っているという理念があります。

日本でCSRが広まったのは米国よりもかなり遅く、そのきっかけは、食品成分や消費期限の偽装が頻発したことだといわれています。また、この事件からさまざまな問題が発覚し、消費者からの不信感が大きくなり、企業が果たすべき社会的責任について見直されるようになりました。

「メセナ」の使い方・例文

あまり馴染みのない言葉である「メセナ」、実際にはどのように会話で使われているのでしょうか。例文でチェックしてみましょう。

メセナ活動を実施している企業の例

日本においても、さまざまな企業がメセナ活動を実施しており、「企業メセナ協議会」の公式サイトでは参加企業の一覧も掲載されています。その中から一部をピックアップして紹介します。

メセナアワード

企業メセナ協議会では、文化庁の後援のもと、特に優れたメセナ活動をしている企業を表彰する「メセナアワード」を開催しています。ちなみに、2020年度は以下の賞が与えられました。

企業によるメセナ活動の例

メセナ活動を実施している企業の中から、わかりやすい公式サイトが公開されている次の2社を参考のために紹介しておきます。

「メセナ」と「フィランソロピー」の違い

「メセナ」と混同されやすいものに「フィランソロピー」があります。「フィランソロピー」は、アメリカにおいては企業による社会貢献活動、寄付行為の呼称として、日本では企業による公益活動のみの呼称として広く知られています。

「メセナ」は、「文化芸術」の分野のみの活動を指すため、フィランソロピーの中の一部が「メセナ」であると考えられます。

なお、フィランソロピーについても、活動に対しての応援をしてくれる「（データ参照元：公益社団法人　日本フィランソロピー協会）」が存在します。活動内容に興味のある人はぜひ検索してみてください。

「メセナ」の類語・言い換え

「メセナ」は「企業よる文化芸術支援」ですが、ほかにも次の言葉への言い換えが可能です。「メセナ」の説明が必要になった際は内容や状況に応じて使ってみましょう。

豊かな社会づくりに貢献するためにも積極的にメセナ活動をしよう

メセナ活動は、企業の活動や特色を広く知ってもらうためにも有効で、知名度や好感度アップにつなげることもできます。そのほか、転職を考えている人にとっては雰囲気を知ってもらうひとつの手段にもなるため、資金や人員などが確保できるのであれば、積極的にメセナ活動に挑戦するのもいいでしょう。

また、現代の日本においても私たちが気づいていないけど、実はメセナ活動の一つだったというものがあります。今後、展示会やコンサートに行った際は、「メセナ」を意識して支援者をチェックしてみてください。