スノッブとはどんな言葉?
スノッブの一般的な意味は「俗物」です。
スノッブの類語はペダンチスト。ただし、同じ意味ではないため言い換えには向きません。反対語はジェントルマンです。
スノッブを英語で表すときには、「snob」を使います。
スノッブについて、くわしくみていきましょう。
スノッブの意味とは?
スノッブは、一般には「俗物」という意味で使われます。次のような人がスノッブです。
・上位の者に取り入り、下の者を見下す嫌味な人物
・紳士気取りの俗物
・成り上がり者
・時流を追う者
・知ったかぶりをする者
自分が一般大衆よりは優れた人間であると信じて、社会的に地位が高い人のマネをしようとしたり、身分が高い人の仲間に入ろうとする人がスノッブと呼ばれます。
ファッションでのスノッブ
ファッションでのスノッブは、都会的な感性で個性的なファッションを上品ではないけれど、粋に着こなすスタイルのこと。
モダンでおしゃれなセンスの持ち主は、ほかの人とは違う自分のファッションに自信を持っている気取り屋であるとも考えられるため、そういわれています。
スノッブな人とは?
「スノッブな人」といった場合、一般的には「お高くとまった人」や「知ったかぶり」などの悪口です。
しかし、ファッションに関する話題のときには、都会的なファッションをおしゃれに着こなすモダンで粋な人という意味になります。
スノッブの英語とは?
スノッブを英訳するときには、「snob」を使います。
・お高くとまった人
・嫌なやつ
・気取り屋でお高いやつ
・てんぐ
・偉そうな人
・紳士気取りの俗物
・エセインテリ
・通ぶる人
「snob」は、階級社会だった昔のイギリスで、「貴族ではない中産階級」を意味する言葉として作られた単語です。
貴族は特権階級で、高い地位が与えられていましたが、同時に地位に見合う責任や義務も課せられていました。
「snob」は、特権階級の貴族のようになりたいという欲求ばかりがあって、義務には目を向けようとしない人のことを皮肉った言葉です。
スノッブ効果とは?
スノッブ効果はマーケティング用語のひとつ。
「人と同じものは欲しくない」「人とは違う個性的なものが欲しい」という人間の心理から起こる、入手が難しいものほど買いたい気持ちが高まり、簡単に入手できるようになると購買意欲が減少する効果のことです。
スノッブ効果は、所得水準の高い人ほどはまりやすい効果といわれています。また、珍しいものや人と違うものを欲しがる人が多い、現代日本人に向いている売り込み方です。
スノッブ効果の例
次のようなものが、スノッブ効果を利用した集客方法です。
・期間限定品
・数量限定品
・プレミアム商品
・ハンドメイドフェスタ、ハンドメイド通販サイト
・プレミアム会員、VIP会員
スノッブ効果は、数が出回りすぎると需要が落ちるため、好評だったとしても売りすぎはよくありません。市場に出回らせる数量の管理が成功のカギになります。
セットで覚えたい〇〇効果
スノッブ効果のほかにも、マーケティング分野の話に登場する〇〇効果はたくさんあります。その中でも、とくにスノッブ効果と一緒に出てくる場合が多い効果を覚えておきましょう。
バンドワゴン効果はスノッブ効果の反対語です。
スノッブ効果とバンドワゴン効果は両立できることも
スノッブ効果とバンドワゴン効果は、まったく反対の心理による効果ですが、この2つは両立させることもできます。
次のような売り文句は、スノッブ効果とバンドワゴン効果を両立させたものです。
・おかげさまで完売間近!お早めにどうぞ
この2つは、どちらもたくさん売れてすでに多くの人が持っているものであると同時に、今手に入れようとすると数がわずかで、購入するのが難しい状態になっています。
また、「大好評を博したあの人気商品を期間限定復刻販売!」の復刻商品を、高級な仕様にして通常品よりも高い価格で販売することにすれば、ヴェブレン効果をさらに付け足すこともできます。
スノッブの使い方を例文で学ぼう
スノッブはビジネスでは、悪口と受け取られる心配のないファッションや、デザインの話で使われるケースが大半です。スノッブ効果としても使用されています。
スノッブの使い方を例文でイメージしてみましょう。
・この車は、スノッブさがうけて熱狂的なファンが付いている人気車種だ。
・ニューヨークのスノッブなホテルをイメージした、おしゃれなレストランをオープンする。
・新商品は、スノッブ効果を期待して数量限定で販売する。
スノッブの類語・言い換え
「俗物」という一般的な意味でのスノッブには、似た意味の類語があります。意味や使い方をおさえておきましょう。
ペダンチスト
ペダンチストは、「衒学者(げんがくしゃ)」や「学者ぶる人」という意味のカタカナ語。
論理的な話し方や厳密性、正確性に必要以上にこだわって相手を見下した態度をみせる人や、学識をひけらかして優越感に浸るような人のことです。
ペダンチストは学者を気取りますが、スノッブは上流階級の人間を気取っている言葉です。この2つは似ていますが、目指す方向が違っているため言い換えには向きません。
日本語の言い換え表現
カタカナ語にはスノッブを言い換えできる類語はありませんが、カタカナ語にこだわらなければ「エセ紳士」を言い換え語として使えます。
エセ紳士の意味は、「知性があるように振る舞ってみせてはいるが、実際は底が浅いうぬぼれ屋」。「食わせ者」という意味もあります。
スノッブの反対語はジェントルマン
ジェントルマンの意味は「紳士」です。
イギリスの貴族階級に属する男性の理想像で、支配階級にふさわしい教養と人格をあわせもつことが重要と考えられています。
スノッブは意味に注意して使おう
俗物という意味をもつスノッブは、人に対して使用すると「気取り屋」や「成り上がり者」などのニュアンスの、悪口になってしまう言葉です。不用意に使うと相手の気を悪くさせて、トラブルのもとになってしまうことも。
ファッションやマーケティングの分野では、別に悪いものではないという意味合いでスノッブが用いられています。ビジネスでスノッブを使用するときは、ほとんどのケースでこちらの意味になります。
スノッブを使うときには、相手に意味を誤解されないように、言い回しに注意して用いてください。