コンプライアンスの意味とは?コンプライアンス違反の事例や使い方、英語も解説

コンプライアンスとはどんな言葉?

コンプライアンスの本来の意味は、「要求命令などに従うこと」。ビジネスの場合は、「社会的ルールを遵守して企業活動を行うこと」という意味で使われます。

コンプライアンスを言い換えできるカタカナ語はありません。日本語なら、「法令遵守」や「倫理・法令遵守」を言い換えに使用できます。

コンプライアンスを英語で表すときは、「compliance」を用いてください。

コンプライアンスの意味とは?

コンプライアンスのもともとの意味は、「要求命令などに従うこと」です。

コンプライアンスはビジネス、医療、物理の分野で使われていて、分野ごとに意味が変わります。それぞれの分野での意味を確認しましょう。

ビジネスでのコンプライアンス

ビジネスでのコンプライアンスは、日本語で「法令遵守」と訳されます。しかし、法令のみを遵守していればいいわけではありません。

ビジネスでのコンプライアンス
社会的ルールを遵守して企業活動を行うこと

ビジネスでのコンプライアンスは法令だけでなく、社会的規範や倫理、社内規則、業務マニュアル、企業倫理(モラル)なども遵守する対象に含まれます。

「企業コンプライアンス」や、「ビジネスコンプライアンス」といわれることもあります。

コンプライアンスに関係する事柄

ビジネスでは、コンプライアンスとして次のようなものを守る必要があります。

・商法
・民法
・独占禁止法
・金融商品取引法
・不正競争防止法
・消費者保護法
・個人情報保護法
・製造物責任法(PL法)
・労働法などの法律、規則
・監督官庁の「命令」「指導」

医療でのコンプライアンス

医療でのコンプライアンスは、医師から出された服薬指示のとおりに服薬することです。日本語では服薬遵守と訳されます。

服薬だけでなく、食事療法などの治療計画やスケジュールに、全体を通して正確に従うこともコンプライアンスに含まれる場合があります。

物理でのコンプライアンス

物理でのコンプライアンスは、外力が加えられたときの物体の変化のしやすさを表す物理量

物体に加えられる力と、それによって発生する物体の位置の変化の比をとったものがコンプライアンスです。

覚えておきたいコンプライアンスの関連語

ビジネスでのコンプライアンスは、関連語がたくさんあります。重要な言葉が多いので、しっかり学んでおきましょう。

コンプライアンス遵守

コンプライアンス遵守は法律や企業倫理、社会的良識、社会規範などに背かず、それをよく守ること。

企業の上層部だけでなく、社員一人ひとりもコンプライアンスを遵守しモラルのある行動をとれるように、企業が管理する体制を作っておくことが重要です。

コンプライアンス違反

コンプライアンス違反の意味は、言葉のとおりコンプライアンスに違反することです。

法律的に禁止されていないことでも、社会的良識に反することをしてしまうとコンプライアンス違反とみなされ、損害賠償請求や企業活動の自粛、営業利益の低下などの社会的な制裁を受ける場合があります。

コンプライアンス違反の事例

例えば、次のような事柄がコンプライアンス違反とみなされます。

・利害関係者からの過度な接待や贈答
・粉飾決算
・検査偽装、産地偽装
・出資法違反
・横領
・談合
・リコール隠し
・サービス残業
・過労死
・セクシャルハラスメント
・パワハラ
・脱税
・インサイダー取引
・個人情報流出 など

コンプライアンス違反には、意図的な違反と不注意による違反、無自覚な違反があります。不注意による違反は個人情報流出、無自覚な違反はセクシャルハラスメントやパワハラ、サービス残業などが挙げられます。

意図的に違反するのは問題外で、多くの企業にとっては不注意による違反や無自覚な違反への対策のほうが大きな問題になります。

コンプライアンス経営

コンプライアンス経営とは、コンプライアンスを重視した公正かつ適切な経営のことです。

コンプライアンス経営に企業として取り組むことは、リスクマネジメントだけでなく、社会や消費者との信頼関係の構築にもつながります。

コンプライアンス経営を導入するときは、次のような対策が行われる場合が多いです。

・企業の行動指針や社員の行動規範を策定し、全社員の意識改革を行う
・コンプライアンスを確立するための組織体制やチェック体制を整える
・研修などを行う

コンプライアンスオフィサー

コンプライアンスオフィサーは、企業内でしっかり法令や社会的通念が守られているか、コンプライアンスに関する内部統制を管理する責任者です。

コンプライアンスの監視を担当するだけでなく、会社としてのガイドラインや教育プログラムを作るのも、仕事に含まれる場合があります。

コンプライアンス標語コンテスト

「コンプライアンス標語コンテスト」は、ハイテクノロジーコミュニケーションズ(株)が主催する、コンプライアンスをテーマにした標語のコンテストです。

応募作品は、主催者が制作、販売する「コンプライアンスカレンダー」に使われたり、企業や官公庁のコンプライアンス促進のために無償で提供されたりします。

コンプライアンスは英語だと?

コンプライアンスを英訳するときは、「compliance」という英単語が使われます。

compliance
・要求や命令、規則、法令、仕様、規格などに対する順守、応じること、応諾、追従
・規則などへの適合性、準拠、整合性
・人のよさ、親切
・人の願いなどをすぐ受けいれること、過度に相手に合わせること、従順であること
・服薬順守
・物理での弾性コンプライアンス

「compliance」で、「コンプライアンス遵守」も訳すことができます。

コンプライアンス違反は、違反という意味の「violations」と組み合わせて「compliance violations」と表します。

コンプライアンスの使い方を例文で学ぼう

コンプライアンスの意味がわかったら、次は言葉としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
コンプライアンスの徹底は、企業の社会的な信用向上につながる戦略的な取り組みだ。
・グローバル化に対応するため、世界水準以上のコンプライアンスを推進する。
コンプライアンスに準拠していることを確認する。
コンプライアンスに関する懸念がある​場合の相談窓口を設けた。
・社長自らコンプライアンスの強化の指揮をとる。

コンプライアンスの類語・言い換え

コンプライアンスを言い換えできるカタカナ語はありません。コンプライアンスは日本語で「法令遵守」と訳される場合も多いですが、言い換えには、「倫理・法令遵守」を使うほうがニュアンス的に近くなります。

例文
・法令遵守の体制整備を進める。
・倫理・法令遵守について学ぶ研修を定期的に開催する。

コンプライアンスを意識して働こう

コンプライアンスは、企業の信用や将来を守るために重要な事柄です。

会社として取り組むだけでなく、社員一人ひとりがコンプライアンスを意識した行動をとることが大切なので、ひとりのビジネスマンとしてしっかり認識しておく必要があります。

コンプライアンスについて正しく理解し、明日からのビジネスに活かしていきましょう。