「お願いしたく存じます」の意味は?ビジネスメールでの使い方、言い換え、英語表現も紹介

「お願いしたく存じます」とは「お願いしたいのですが…」という意味

「お願いしたく存じます」は「お願いしたいのですが…」と、相手に「どうですか?」と伺いをたてるニュアンスが含まれている言葉です。「お願いします」とストレートに言いにくいときに適していますが、どちらかというと硬い表現なので、使い方を迷う人もいるでしょう。

本記事では、どんな場合に使うのかや例文のほか、英語表現についてもわかりやすく解説します。

「お願いしたく存じます」の読み方・意味

「お願いしたく存じます」は「お願い」+「したく」+「存じます」で構成されています。

【お願い】
「願い」に接頭語の「お」がついた謙譲語。「負担をかけるかもしれませんが…」と配慮を含み依頼をする言葉。
【したく】
「~したく」は、「~したいので」「~したいと」「~したいと思います」などを短く表現した言葉。
【存じます】
「思います」の謙譲語。

そして、「お願いしたく」だけでも「お願いしたいと思います」という意味ではありますが、「お願いしたく存じます」の形にしたほうが、相手への敬意をより強調した表現になります。

また、「お願い」と「存じます」が謙譲語で、厳密には二重敬語ですが、広く使われているため、問題ない使用方法とされています。

「お願いしたく存じます」は目上の人に使える?

「お願いしたく存じます」は謙譲語なので、取引先の人や目上の人にも使えます。非常に丁寧な表現ですが、同僚や目下の人に対して使うと硬すぎるので、シーンは選ぶようにしましょう

「お願いしたく存じます」の使い方・例文

「お願いしたく存じます」は口語でも使用できますが、どちらかといえばビジネスメールで、相手に何かを依頼したい際に使うことが多いです。また、その際は、相手に迷惑をかけることに対しての配慮を表現するために、「恐れ入りますが」「恐縮ではございますが」「もしよろしければ」などのクッション言葉をつけることをおすすめします。クッション言葉は全体の文章をやわらかくする効果もあります。

例文

・調査するにあたりお客様からの依頼書が必要となります。ご面倒をおかけして恐縮ですが、添付書類にご記入をお願いしたく存じます
・お忙しいところ申し訳ございませんが、来週の打ち合わせに使用する資料の確認をお願いしたく存じます

「お願いしたく存じます」の類語・言い換え表現

「お願いしたく存じます」を違う言葉で表したい場合は、次のフレーズが使えます。

「お願いしたく存じます」の言い換え表現

・〇〇していただければ幸いです
・ご対応いただきたく存じます

「〇〇していただければ幸いです」は、「〇〇してもらえると嬉しいです」という意味で、「ご対応いただきたく存じます」は「対応してもらいたいと思います」の意味です。

どちらも「手間をかけて申し訳ない」と、相手を気遣う気持ちが込められていいます。

例文

・誠に恐縮ですが、資料の確認をお願いしたく存じます
・誠に恐縮ですが、資料をご確認いただければ幸いです
・誠に恐縮ですが、資料の確認にご対応いただきたく存じます

「お願い」のNGな使い方

「お願い」をしたい場合に「お願いできますでしょうか」というフレーズをよく耳にします。

「でしょうか」は「ですか」に推量が含まれており、柔らかい印象にすることができますが、「できます」と合わせて使うと二重敬語になります。そのため、「お願いできますでしょうか」は次の言葉への言い換えが正しいといえます。

・お願いできますか?
・お願いしてもよろしいでしょうか。

「お願いしたく存じます」の英語表現

「お願いしたく存じます」を英語で表現したい場合は、「Could you please~?」「I would like to~」などを使います。

・I would like to ask for your help.
(お願いしたく存じます。)
・Could you please send the documents?
(書類の送付をお願いしたく存じます。)

「お願いしたく存じます」の意味を理解し正しく使おう!

ビジネスメールでは、表情や声のトーンでの表現ができないため、文章の書き方が印象のすべてとなります。相手に不快な思いをさせないよう依頼を受けてもらうためにも、お願いの仕方は大切です。

「お願いしたく存じます」などの意味を正しく理解し、これらのフレーズを正しく使えるようにしておきましょう。