御用達の意味や正しい読み方は?類語・言い換え、英語表現も紹介

「御用達」とは「お気に入りの」という意味

「御用達」は、現代社会においては「お気に入りの」や「いつも使っている」の意味で使われることが多いですが、本来は違う意味だということを知っていますか?また、読み方も「ごようたし」「ごようたつ」で、今も迷っている人も多いはず。

また、「御用達」の対義語は、「馴染みがない」「気に入らない」「いつも使わない」などの言葉があてはまります。

本記事では、使い方、類語、言い換え表現、英語表現も含めてわかりやすく紹介するのでぜひチェックしてみてください。

「御用達」の読み方・意味

「御用達」は、現代の基本となる読み方は「ごようたし」となっています。しかし、広辞苑では「ごようたし」で表示されているものの、「ごようたつ」「ごようだち」も間違いではない旨が記されています。そのため、間違いだと指摘されることがある「ごようたつ」も正しい読み方だといえます。

(参照元:広辞苑無料検索

また、「御用達」の本来意味は次のとおりです。

①宮中、官庁などへ用品を納めること。
②御用商人。
→宮中、官庁などへの納品を認められた商人。江戸時代に幕府、藩所に用品納入、金銀調達などをした特権商人。

つまり、「宮中や官庁などが気に入って使っている」というところから派生し、現代のように、一般の人に関しても「お気に入りの」「いつも使っている」「おすすめの」の意味で使われるようになったというわけです。

「御用達」の使い方・例文

「御用達」はビジネスシーンだけでなく、プライベートでも多く使われる言葉なので、使用方法に迷うことはないと思いますが、一応例文をチェックしておきましょう。

例文
・プロ野球チームAの優勝を記念し、監督御用達のチーズケーキをスタジアムグルメとして出すことになりました。
・会長の誕生日プレゼントには皇室御用達の和菓子を取り寄せる予定です。
・人気モデル御用達のお店はやはりいつも混雑している。

「御用達」の類語・言い換え表現

「御用達」の言い換え表現としては、次の言葉が使えます。

「御用達」の類語・言い換え表現
・行きつけ
・お気に入り
・いつも使っている
・おすすめ
・贔屓(ひいき)

なお、「贔屓」には、「気に入った人を特に引き立てること。後援すること」という意味ですが、現代では「贔屓にしているお店」など、引き立てる対象が物や場所の場合もあります。

また、「行きつけ」は「いつも通っている」イメージがありますが、「お気に入り」は「いつも通っているわけではないけど好き」とも解釈できます。

言い換え表現はいくつかありますが、状況によっては適さないものもあるので、その場にあったものを選んで使うようにしましょう。

例文
・弊社社長御用達のお店。
・弊社社長行きつけのお店。
・弊社社長お気に入りのお店。
・弊社社長がいつも使っているお店。
・弊社社長おすすめのお店。
・弊社社長が贔屓にしているお店。

「御用達」の英語表現

「御用達」を英語で表現したい場合は、「purveyor=調達人」「favorite=お気に入り」が使えます。

Purveyor to the Royal Household.
(王室御用達)
・The president’s favorite store.
(社長御用達のお店)

なお、もとの意味である「認可」の意味をもつ単語としては「warrant」がありますが、「認証」「証明書」「保証」の意味もあるため、日本語の中で使われる「御用達」の意味とは少し離れてしまいます。

「御用達」の意味を理解し正しく使おう!

「御用達」は、宮中や官庁が気に入って使っていた商人を指し、「許可されている人」の要素が強いため、現代で使われている「お気に入り」や「おすすめ」の意味は、厳密には間違いです。

しかし、今では、「許可されている人」の意味あいで使うことは少ないため、「お気に入り」や「おすすめ」も間違いとはいいきれませんが、正しい意味を理解したうえで使うようにしましょう。