「ご確認ください」とはどんな意味?上司に使える?言い換え表現や「ご査収ください」との違いも解説

「ご確認ください」とはどんな言葉?

「ご確認ください」の意味は、「はっきりと確かめてください」です。

言い換えできる類語には、「ご確認いただけますか?」や「ご確認のほどお願いいたします」「ご確認いただければと存じます」「ご確認賜りますようお願い申し上げます」などがあります。

「ご確認ください」を英語で表すときは、「Please confirm.」や「Could you please confirm~?」を使ってください。

「ご確認ください」とはどんな意味?

「ご確認ください」は「ごかくにんください」と読みます。「確認」は次の意味をもつ言葉です。

確認
・はっきり認めること
・そうであることを確かに認めること

「ご確認ください」は「確認」することをお願いする言葉で、「はっきりと確かめてください」という意味になります。

「ご確認ください」は尊敬語?謙譲語?

「ご確認ください」は、「確認」に丁寧なニュアンスを付け加える接頭語の「ご」をつけた「ご確認」と、丁寧語の「ください」をつなげた敬語です。

接頭語の「ご」は、相手に関する言葉につくときは尊敬語、自分に関する言葉につくときは謙譲語になります。「ご確認ください」で「確認」するのは相手なので、この場合は尊敬語になりますね。

「ご確認ください」は上司に使える?

「ご確認ください」は文法的に正しい敬語なので、上司など目上の相手に使っても間違いではありません。しかし、相手によっては不快に感じさせてしまう恐れもあるため注意が必要です。

なぜ注意が必要かというと、「ください」は「くださる」の命令形「くだされ」が変化した言葉だから。「ご確認ください」が敬語であることは間違いないのですが、目上の相手に命令するのは失礼だと考える人もいます。

「ご確認ください」は、親しい間柄の上司など、ある程度気心が知れた相手に使用することをおすすめします。

「ご確認ください」は「ご確認下さい」でもいいの?

結論から先にいうと、「ご確認ください」の「ください」はひらがな表記するのが一般的。「下さい」と「ください」は、表現したい意味合いによって使い分けが必要な言葉とされています。

漢字で「下さい」と書くと、「水をください」のように何かものを「くれ」という意味の動詞になります。英語の「give」の意味ですね。

ひらがなの「ください」はほかの動詞にくっついて、「〇〇してください」とお願いするニュアンスを加える補助動詞です。「please」のような役割になります。

「下さい」と「ください」の使い分けは文化庁が定めた

文化庁の文化審議会国語分科会が公表した『新しい「公用文作成の要領」に向けて(報告)』では、「動詞・形容詞などの補助的な用法」をする言葉はひらがな表記すると定められています。

あくまでも公用文を作成するときの決まりなので、そのほかでは絶対に守らないといけないルールではありません。しかし、ビジネス文書もこの決まりに沿って作成するのが一般的になっています。

そのため、「ください」を補助動詞として使う「ご確認ください」も、ひらがなで表記することをおすすめします。 参考 新しい「公用文作成の要領」に向けて(報告)文化審議会国語分科会

「ご確認ください」の使い方を例文で学ぼう

「ご確認ください」の意味がわかったら、次は言葉としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・詳細については、添付資料をご確認ください
・イベントの中止・延期情報については、こちらのページでご確認くださいますようお願いします。
・当日のバス運行状況は、「本日の運行状況」のページでご確認くださいますようお願い申し上げます。
・くわしくは、お近くのショップにてご確認くださいませ。

「ご確認ください」と書かれたメールをもらったときには、確認するだけで済む用件ならば簡単に、「確認いたしました」「拝受いたしました」「拝見いたしました」などと返信すればOKです。文末に「ご連絡ありがとうございました」のようなお礼の言葉をつけると、より丁寧な返し方になります。

「ご確認ください」の言い換え表現

命令のニュアンスがある「ご確認ください」は、相手を選んで使用する必要のある敬語でしたよね。「ご確認ください」が使いにくいときにおすすめの言い換え語をご紹介します。

会話に向く表現
・ご確認いただけますか?
・ご確認いただけますでしょうか?
とても丁寧な言い方
・ご確認のほどお願いいたします
・ご確認いただければと存じます
・ご確認いただきたく存じます
・ご確認いただければ幸いです
かしこまった言い方で文書向き
・ご確認のほどよろしくお願い申し上げます
・ご確認いただきますようお願い申し上げます
・ご確認賜りますようお願い申し上げます

「ご確認ください」の類語

「ご確認ください」の類語は、「ご査収ください」です。

「査収(さしゅう)」は、「金額や物品、書類などをよく調べて受け取ること」を意味します。

「ご査収ください」は、契約関係の重要書類や代金支払い、物品のやり取りなど、間違いがないか相手にしっかり確認してもらう必要がある場合に使います。「ご確認ください」は、もっと幅広い物事に対して使用できる点が違います。

例文
先日ご依頼いただきました提案書をお送りしますので、ご査収のほど何卒よろしくお願いいたします。

「ご確認ください」は英語だと?

確認することをカタカナ語で「チェックする」という場合があるように、英語でも「check」で「確認する」を表せます。しかし、ビジネスの場合は、より硬いニュアンスの「confirm」のほうが向いています。

confirm
・真実であることを証拠をしめして確かめる。確認する。裏付ける
・裁可、批准などで追認する。承認する。正式に発表する
・決心、態度、決意、信念、意見などを確かにする。ますます強くさせる。固める。支持する

「ご確認ください」を英訳するときは、お願いのニュアンスを付け加える「Please」と組み合わせて、「Please confirm.」と表します。ビジネスメールなどでフォーマルな言い方をしたいときは、より丁寧なニュアンスの「Could you please confirm~?」がぴったりです。

「ご確認くださいますようお願いします」のような非常に丁寧な文の場合は、「I kindly ask for your confirmation.」もおすすめ。「kindly」は丁寧なニュアンスを表現するときに使う単語、「confirmation」は「確認」という意味の名詞です。

「ご確認ください」を使いこなそう

「ご確認ください」は文法的に問題のない敬語ですが、命令のニュアンスがあるので、相手を選んで用いる必要があります。

この記事で紹介した言い換えに使用できる敬語表現と合わせて頭に入れておき、うまく使いこなせるようになりましょう。