「アウトライン」とは「あらすじ」「輪郭」のこと
「アウトライン」は、ビジネスシーンにおいては「概要」や「あらすじ」を意味しますが、分野によっては違う意味で使われています。そのため、それぞれの意味を知っていなければ、話の内容が理解できない場合があります。
また、「概要」や「あらすじ」を意味する「アウトライン」の対義語は「ディテール(detail)=詳細」です。知識として、ぜひセットで覚えておいてください。
本記事では、「アウトライン」というカタカナ用語のもとになっている英語での表現、カタカナ用語としての意味、使い方、言い換えなどについてわかりやすく解説します。
「アウトライン」の英語は「outline」
「アウトライン」は英語で「outline」と書き、カタカナ用語として使われている「アウトライン」とほぼ同じ意味合いで使われています。
【名詞】
・輪郭(線)
・外形
・(物事の)主要な部分
・(物事の)概要、おおまかな内容
・(計画などの)素案
【他動詞】
・(~の)輪郭を描く
・(~の)概要を述べる
文章中ではどのように使われているのかもチェックしておきましょう。
・outline in the picture
(絵のふちどり)
・outline a conservation plan
(保護計画の概要をまとめる)
・Can you give us an outline of the new project?
(新プロジェクトの概要を教えてください。)
・Give him an outline of this book.
(彼にこの本の概要を伝えてください。)
・Apply color along the outline.
(輪郭に沿って色をつける。)
日本語においての「アウトライン」とは
日本語の中での「アウトライン」は、多くの場合「あらすじ」「輪郭」を指しますが、分野によっては意味合いが異なります。
ビジネスでは「あらすじ」「概略」
ビジネスシーンにおいての「アウトライン」は、「あらすじ」や「概要」の意味で使われることが多いです。会議の開始時に全体の内容がわかりやすいようにするおおまかな流れ、資料の中にある目次なども「アウトライン」で表現します。
・資料の2ページ目にアウトラインを書いているのでご確認ください。
ExcelとWordでも指すものが異なる
Microsoftの表計算ソフトであるExcel(エクセル)、文書作成ソフトであるWord(ワード)に関する用語の中にも「アウトライン」がありますが、それぞれで意味が異なります。
指定した列や行をまとめる「グループ化」という機能で、列や行をまとめる作業を「アウトラインの設定」といいます。
文章を作成する形態として、章や文節などの構造を設定・表示する機能を「アウトライン」といいます。簡単にいうと、線が引かれたところに順番に文章を書いていくと、章や文節ごとに体裁よくまとまるといった仕組みです。この「アウトライン」は設定後非表示にすることも可能です。
デザイン分野では「輪郭」
デザインの分野においては、「輪郭」や「おおまかに描いた線」を意味します。この分野においては、「~をとる」「~をかける」といった使い方をします。
・アウトラインをかける作業は午後からやります。
イラストでのアウトライン化とは?
イラストレーターが使う「アウトライン」のひとつに「アウトライン化」というものがあります。これは、文字を線で縁取って色塗りをしたものを図形データに変換することをいいます。この作業をすると、「文字」ではなく「図形」として作業する事が可能です。
テニスでは「その側の線」
テニスコートには、両端の縦のラインが2本引かれており、その外側のラインを「アウトライン」と呼んでいます。テニスのプレースタイルは、1名ずつで試合をするシングルと、2人ずつ行うダブルスがあります。アウトラインはダブルスの際に使うラインのため、「ダブルスライン」といいます。
・シングルなのに勘違いをしてアウトラインを狙って打ってしまった。
「アウトライン」の類語・言い換え
「アウトライン」をほかの言葉で言い換える場合、「概要」の意味合いか「輪郭」の意味合いかによって異なります。
・要約
・大略
・概略
・大筋
・青写真 など
・まずはアウトラインの説明をします。
・まずは概略の説明をします。
・外縁
・枠
・外枠
・外形
・下絵 など
・アウトラインを描く。
・外枠を描く。
「アウトライン」の関連語
日本語の中には「アウトライン」が含まれた「アウトライン〇〇」といった言葉があります。ここでは3つをピックアップして解説します。
アウトラインプロセッサ
「アウトラインプロセッサ」とは、文章を描く際に、章や節などの見出しを構造的に管理することができるソフトウェアです。Microsoftのソフトであるワード(Word)にアウトラインという機能があるのは前述しましたが、「アウトラインプロセッサ」は、長文でも構造的に作り上げられるよう、アウトラインの機能をさらに向上させたものになります。
アウトラインフォント
「アウトラインフォント」とは、文字の輪郭を曲線のデータとしてもっているフォントを指します。「アウトラインフォント」にすることで、文字の拡大・縮小を行っても鮮明さがほとんど変わりません。
一方、点の集まりのデータとしてもちあわせているフォントを「ビットマップフォント」といいます。このフォントは、拡大の比率によって粗くなることがあります。
アウトラインステッチ
「アウトラインステッチ」とは、斜め向きに糸が重なっていく、刺繍の刺し方の一つです。図柄をはっきりさせたいときの縁取りに使ったり、図柄全体を塗りつぶすように糸を張る際に使います。
分野ごとの「アウトライン」を正しく理解しよう
「アウトライン」は、大きく分けて「実際の線」を表す場合と、「あらすじ」など、内容を表す場合があります。状況によってはひとつの会話の中に両方の意味の「アウトライン」が登場することもありますが、意味をきちんと理解し、内容を正しく解釈できるようにしておきましょう。