「ご健勝」とはどんな意味?目上に使える?「ご清祥」や「ご多幸」などの類語についても解説

「ご健勝」とはどんな言葉?

「ご健勝」の意味は、「相手が元気で健康に優れており、すこやかなこと」。「人」に対して使う言葉です。

「ご健勝」の類語は、「ご清祥」「ご多幸」「ご盛栄」「ご繁栄」。

「ご健勝」を英語で表すときは、「healthy」や「health」を使用してください。

「ご健勝」の読み方は?どんな意味?

「ご健勝」は「ごけんしょう」と読み、次の意味で使われます。

ご健勝
相手が元気で健康に優れており、すこやかなこと

「ご健勝」は「人」に対して用いる言葉です。相手を気遣う気持ちを込めて使います。気遣う相手が個人でも複数でもいいですが、企業や組織に対しては使用できないので気をつけてください。

病気や怪我をしている人には使わない

「ご健勝」は相手の健康を願う言葉なので、病気や怪我をしているとわかっている人に対して用いるのには向きません

とくに注意が必要なのは、相手が高齢だったり、持病を持っていたりする場合です。最近会ったり連絡を取ったりしていて、元気であることがわかっている場合は大丈夫ですが、しばらく会っていない人だと、会わないうちに体調を崩している可能性もあります。

相手の状況が把握できていないときは、別の挨拶を使うほうが無難です。

「ご健勝」は目上の人に使える?

「ご健勝」は、「健康で元気なこと」「すこやか」を意味する「健勝」に、丁寧なニュアンスを加える接頭語の「ご」をつけた言葉です。

接頭語の「ご」は、相手に関する言葉につくときは尊敬語、自分に関する言葉につくときは謙譲語になります。「ご健勝」は相手の健康を祈る言葉なので、尊敬語ですね。

尊敬のニュアンスをもっている敬語なので、上司など目上の相手にも使えます

「ご健勝」はこんなときに使う

「ご健勝」は、次のようなシーンで使われます。

・手紙やメールの時候の挨拶や結びの挨拶
・年賀状の結びの挨拶
・お祝いの席でのスピーチ
・乾杯の挨拶
・退職や転勤、転居時の挨拶 など

「ご健勝」は、文書や改まったシーンでの挨拶に用いる硬い印象の言葉で、普段の会話では使用しません

「ご健勝」のメールに返信は不要

「ご健勝」は、お約束の挨拶言葉として使われている場合が大半のため、「ご健勝」が使用されたビジネス文書をもらったとしても、「ご健勝」の挨拶そのものに対してわざわざ返事をする必要はありません。

ただし、人事異動や退職の挨拶メールなどは、相手との関係がその先も続いていくケースがあるため、返信をするのがマナーとされています。

その場合は「ご挨拶をいただきまして、まことにありがとうございます。〇〇さんの、ご健勝とご活躍をお祈り申し上げます」など、相手の健康や活躍を祈る言葉を添えて返信してください。

「ご健勝」の使い方を例文で学ぼう

「ご健勝」の意味がわかったら、次は「ご健勝」を使った挨拶文を例文でイメージしてみましょう。

例文
・晩夏の候、皆様におかれましてはますますのご健勝のこととお慶び申し上げます。
・bouteX株式会社の皆様におかれましては、ご健勝のことと存じます。
・最後になりますが、改めて皆様のご健勝をお祈りします。
・皆様の今後一層のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。

「ご健勝」は、企業や組織に対しては使えない言葉です。しかし、例文の「bouteX株式会社の皆様におかれましては」のように、人に向けての言葉であるとわかる表現をつけていれば、企業名を出して使用するのもありです。

「ご健勝」の類語・言い換え表現

「ご健勝」は、元気な人が相手でないと使えなかったり、企業や組織には使用できなかったりします。「ご健勝」を用いることができないときに備えて、言い換えに使える類語もおさえておきましょう。

ご清祥

「ご清祥(ごせいしょう)」は、「健康と幸せ」を意味する言葉で、相手が元気で幸せに暮らしていることを祝福したり願ったりするニュアンスで使います。

「ご健勝」と同じく人に対して使用する言葉です。

例文
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

「時下」は、「このごろ」や「目下」という意味です。

ご多幸

「ご多幸(ごたこう)」の意味は、「たくさんの幸せ」。あなたの幸せを祈るというニュアンスで、結びの言葉として使われるケースが大半です。「ご多幸」も人に対して使用します。「ご健勝」とセットで用いられる場合も多いです。

例文
皆様方のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

ご盛栄

「ご盛栄(ごせいえい)」は、相手の商売が盛んであることを祝う言葉。商売をしている人か、企業に対して用います。

相手の会社のビジネスがうまくいっているときに使用する言葉なので、事業がうまくいっているか不明のときには、使わないように気をつけてください。

また、病院や葬儀会社など、儲かることが嫌味に受け取られてしまう恐れがあるので、「ご盛栄」とは言わない方が良いでしょう。

例文
処暑の候、貴社ますますのご盛栄のこととお喜び申し上げます。

ご繁栄

「ご繁栄(ごはんえい)」は、相手の事業が発展し豊かに繁栄しているという意味。

個人に使えないこともないですが、企業や組織に使用するケースのほうが多い言葉です。

例文
株式会社bouteXのますますのご繁栄を祈念申し上げます。

「ご健勝」は英語だと?

「ご健勝」を英語で表すときは、「healthy」や「health」を使用してください。

healthy
・健康な、健全な、健康そうな、健やかな
・健康によい、健康的な、衛生的な、精神的に健全な
・有益な
・判断などが道理にかなった、もっともな、当然の
・大量の、ばく大な
・ビジネスなどが好調な、堅実な
health
・健康、健全
・身体の状態、健康状態
・健康法、保健、衛生
・健康を祈っての乾杯
・経営や財政などの健全性

「ご健勝とご多幸をお祈り申し上げます」を英訳するときは、「I pray for your health and good fortune.(皆様のご健康とご幸運をお祈り申し上げます)」を用いるとニュアンスを伝えられます。

「healthy」と「health」は使われていませんが、「ご健勝のことと存じます」は「Hope you are doing good.(あなたがうまくやっていることを願っています)」と訳される場合が多いです。

「ご健勝」をうまく使おう

相手の健康を祈る「ご健勝」は、ビジネス文書などでよく使われる挨拶言葉です。覚えておくと便利な敬語ですが、いつでも使用できるわけではありません。

ご紹介した類語と使い分けして、「ご健勝」をうまく用いてみましょう。