チュートリアルとは?マニュアルとの意味の違いは?使い方、英語、言い換えも紹介

「チュートリアル」とは「個別指導」「指導書」のこと

「チュートリアル」と聞くと、お笑い好きの人なら「チュートリアル徳井」「チュートリアル福田」というように、漫才コンビのチュートリアルが頭に浮かぶかもしれません。また、ゲームが好きな人であれば、「本編開始前の説明」と解釈するでしょう。

しかし本来は「個別指導」「指導書」の意味で、教育現場でも使われることがあるため、分野ごとに正しい解釈をしなければならないカタカナ用語です。

本記事では各分野における「チュートリアル」の意味や使い方のほか、言い換え、英語表現についてもわかりやすく紹介します。

「チュートリアル」の英語は「tutorial」

「チュートリアル」は英語で「tutorial」と表記し、こんな意味をもつ単語です。

・個別指導の
・個別指導
・指導書

英語圏では主に教育分野やゲームの分野で使われているので、会話例や熟語を少し紹介しておきます。

tutorial process
(個別指導法)
・personal tutorial system
(個人指導システム)
・I learned how to play this game by watching the tutorial.
(このゲームの遊び方は、ちゅーとりあるを見て覚えました。)
・At my tutorial class we practiced conversations in English.
(チュートリアルのクラスで、英語での会話練習をしました。)

日本語においての「チュートリアル」とは

日本語においての「チュートリアル」は、広い意味では「個別指導」「指導書」ですが、分野ごとでニュアンスが異なります。ここでは、使い方・例文も含めて解説します。

「ビジネス」においてのチュートリアル

ビジネスシーンにおいての「チュートリアル」は、印刷物でいうと「説明書」や「指導書」にあたります。

新しいソフトやアプリを利用する場合は、ダウンロード形式のチュートリアルが用意されている例も多いです。そのため、IT用語として紹介されていることがあります。自分一人に対し教えてもらえるシステムなので、「個別指導」の意味をもつ「チュートリアル」と呼ぶようになったといわれています。

また、ミシン、3Dプリンターなど、さまさまな操作を必要とする商品には、別途チュートリアルのみを収録したDVDが付属している場合もあります。

例文
・使い方が複雑だったが、チュートリアル動画が公開されていたのでスムーズに理解することができた。
・アプリの操作をチュートリアルを見ながらやりたいが、端末が一台しかない。どうしたものか…。

「教育」においてのチュートリアル

教育分野においての「チュートリアル」は、もとになっている英語の意味と同じ「個別指導」を指します。そのため、生徒一人に一人の指導員がつく家庭教師も「チュートリアル」になります。

そのほか、少人数の学生グループに課題を与え、グループでそれを検討・解決していくという教育方法がありますが、これを「チュートリアル教育」といいます。

例文

・学習塾ではついていけなかったが、自分のペースで進めてくれるチュートリアルにしてもらったおかげで成績がアップした。
・集団での協調性を伸ばすためにチュートリアル教育の導入を決定した。

「ゲーム」においてのチュートリアル

現在は、パソコンで行うオンラインゲームだけでなく、スマホやタブレット向けのゲームも多数配信されています。このようなゲームにおいての「チュートリアル」とは、初めてゲームを行う際に、進め方、操作方法、どんな機能があるのかなどを解説したものを指します。

ゲームによっては、「チュートリアル」をスキップすることも可能ですが、「チュートリアル」が全部終わった後になんらかのアイテムがもらえる場合があるので、面倒でも順番に進めていくほうが賢明かもしれません。

例文

・長いチュートリアルを全部クリアしたのに、なんのアイテムも出なかった。
チュートリアルスキップすればよかったな。この程度ならやりながらでも理解できたかもしれない。

「チュートリアル」の類語・言い換え

「チュートリアル」を日本語で言い換える場合、は次のようなものがあります

「見て学ぶ」場合の言い換え表現

・説明書
・指導書
・教材 など

「対面で学ぶ」場合の言い換え表現

・個別指導
・教習
・個人講習
・授業 など

そのほか、カタカナ用語の類語としては、「マニュアル」「チューター」「レクチャー」があげられます。

マニュアル

「マニュアル」とは、対象の物事の進め方や作業の手順などを体系的にまとめて記載された手順書のことを指します。しかし、「マニュアル」は参考にするページを探す作業は自分自身で行わなければなりません。

一方、パソコンのソフトやアプリなどのチュートリアルは、自動的に手順を示してくれます。どちらかといえば、「チュートリアル」のほうがより丁寧に説明されていることになります。

例文

・スキャンデータを加工したくてマニュアルを見てみたが、どのページを参考にすればいいのかわからない。

チューター

「チューター」とは、「個人指導の教師」や「講習会などの講師」を指します。つまり、「チューター」が行う講義は「チュートリアル」になるわけです。

例文

・今回のチューターは説明がわかりやすい。

レクチャー

「レクチャー」には、「講義」「口頭で詳しく説明すること」といった意味をもつカタカナ用語です。「チュートリアル」は「個人指導」「少ない人数での指導」ですが、「レクチャー」は大人数での講義も含まれます

例文

・工場の作業全般について、午後から工場長にレクチャーしてもらいます。

【番外編】チュートリアル塔の廃人

「チュートリアル」を検索すると「チュートリアル塔の廃人」が表示されますが、これは関連語ではなく、LINEマンガの作品名です。

【あらすじ】
ある日、突然世界中にモンスターと塔が出現。塔の名前は「チュートリアル塔」。ランダムに選ばれた人が強制的にそこに連れて行かれ、塔からの脱出にはあらゆる試練にクリアするしかない。そして、生き残った人は特殊能力をもったハンターに、さらに人類のヒーローになる。この塔の無限の呪いにかかり、12年間閉じ込められていた主人公の「佐藤健太郎」は、1349回のクリアを繰り返し、ある日ついに塔からの脱出に成功するのだが…。

「チュートリアル」作成するなら初心者の目線になろう

読んでもいまひとつ理解しきれないマニュアルを目にした人は多いでしょう。しかし、「チュートリアル」は、誰にでも理解できるものでないといけません。もし、「チュートリアル」を作成する立場になったときは、初心者の気持ちになって取り組むようにしましょう。