「オフレコで頼む」と言われたら何をすればいい?意味、類語、英語も紹介

「オフレコ」とは「公表しない」という意味

「オフレコ」は、「公表しない」の意味をもつカタカナ用語です。しかし、公表しない範囲のしばりはなく、そのときどきで変化することも多いため、その概念はとてもわかりにくいものとなっています。

本記事では、「オフレコ」の本来の意味や使い方だけでなく、英語での使い方、類語、言い換え表現についても解説します。

なお、「オフレコ」の反対語は「オンレコ」です。オフレコよりも登場頻度は少なくかもしれませんが、セットで覚えておきましょう。

「オフレコ」の英語は「off the record」

オフレコを英語で表すと、「off the record」という熟語で、「記録しない」「非公開の」「非公式の」の意味で使われています。英語圏でも意味合いは同じですが「オフレコ」と略しては使わないのでご注意ください。

Please keep any information from here off the record.
(ここからの情報はオフレコでお願いします。)

日本語においての「オフレコ」とは

日本でカタカナ用語として使われている「オフレコ」の語源は、英語の「off the record」ですが、もとは、報道機関での用語として使われていました。

本来の意味は、「会見や懇談などで、記録や公表をしないことを条件として、情報を提供すること」です。報道機関側は、この条件をのむことで、発信者の本音が聞けたり、ほかの情報を引き出せたりするメリットがあるとされています

本当のオフレコは「記録」もしない

カタカナ用語の「オフレコ」は、「公表しない」だけではなく、「記録もしない」ことが条件となります。しかし現代においては「公表しない」の意味のみで使われることが多いです。

本来は、記録もしないため、聞いたことは自分のところで留めておくものですが、実際には「公表禁止の範囲」はそのときどきで異なっています。

報道機関だけでなく、担当者が「オフレコで」で入手してきた情報は、多くの場合同一部署内では共有されています。

「オフレコ」の使い方・例文

「オフレコ」は主に口語で使われており、文書内では「公表は控えてください」「口外されませんよう」など、きちんとした言葉で表現します。

例文

・これからお話しする内容はオフレコでお願いします。
・工場移転の計画は、まだ他部署へはオフレコにしておいてください。

また、オフレコの反対語の、「公表してもさしつかえない」を意味する「オンレコ」であるということを「オフレコ」を使って表現することもあります。

例文

・今日の記者会見の内容はオフレコなしで問題ありません。
・今日の記者会見の内容はオンレコで問題ありません。

「オフレコ」の類語・言い換え

「オフレコ」をほかの言葉で言い換える場合は次のようなものが使えます。

「オフレコ」の言い換え表現

・非公表
・非公開
・非公式
・ここだけの話
・内緒
・秘密の話
・記録外情報
・掲載禁止

例文

・本日のインタビューの中で話した新規事業についてはオフレコでお願いします。
・本日のインタビューの中で話した新規事業については非公開でお願いします。
・本日のインタビューの中で話した新規事業については非公表でお願いします。
・本日のインタビューの中で話した新規事業についてはここだけの話でお願いします。
・本日のインタビューの中で話した新規事業については掲載禁止でお願いします。

また、カタカナ用語の類語としては「コンフィデンシャル」や「シークレット」があげられます。

「コンフィデンシャル」の意味

「コンフィデンシャル(confidential)」は「機密の」「内密の」の意味があり、主に公式の場で使われる言葉です。また、書面では書類などの一番最初に「confidential」や「マル秘」と表記されているのが一般的です。

「シークレット」の意味

「シークレット(secret)」には「秘密」という意味があります。コンフィデンシャル
も同様の意味ですが、コンフィデンシャルのほうが秘密にする内容が重要事項であり、公式の場で用いられます。

仲間内で秘密にしておいてもらいたい場合は「シークレット」、企業間で極秘にしたい内容については「コンフィデンシャル」と使い分けをします。

例文

・この話はシークレットで頼む!
・この会議の内容はコンフィデンシャルとします。

「オフレコ」は古い言葉?

「オフレコを使うのはもう古い」「オフレコはもう死語だ」と考えている人がいますが、「オフレコ」は略語であり、英語圏では「off the record」で、正式に使われている言葉です。そのため、流行語ではないので、使う人が少なくなってはいても死語というわけではありません

オフレコ破りとは?

ニュースや新聞などにおいて、ときどき「オフレコ破り」という言葉を見聞きします。これは、オフレコを条件に入手した情報を無断で公表されてしまうことをいいます。簡単にいうと「約束破り」です。

意味がまったく異なる「オフレコ」に似た言葉

「オフレコ」に似た言葉に「アフレコ」や「アテレコ」があります。しかし、「公表しない」の意味あいとはまったく異なるので類語として使わないようにしましょう。

「アフレコ」の意味

「アフレコ」は「アフターレコーディング」の略で、あらかじめ無音で作られた画像に、あとからそれに合わせた声、音楽、効果音などを録音することをいいます。

「アテレコ」の意味

「アテレコ」とは、映画などの俳優のセリフや、アニメーションの声を当てることをいいます。つまり「吹き替え」は「アテレコ」になります。

アニメの声を入れることを「アフレコ」と認識している人は多いですが、正確には、声を当てるのは「アテレコ」で、音楽や効果音も含めて作り上げる作業が「アフレコ」になります。つまり、「アテレコ」は「アフレコ」の一部というわけです。

「オフレコで頼む!」と言われたら他言はやめよう

「オフレコ」を単なる「内緒話」と軽くとらえる人がいます。しかし本来は、紙や音声での記録も残してはいけないものです。もし、このさき「オフレコでお願いします」と言われた場合は、「自分の頭の中だけで留めておかなくてはならない内容」ということをしっかり意識して聞くようにしましょう。