ルーツとは「根源」のこと
人や動物にも先祖がいて、出来事にもそれが生じた理由はあります。多くの物事には根源となるものがありますが、それを「ルーツ」といいます。日本語にもすっかり浸透しているルーツという言葉ですが、上手に使いこなせている自信がない方もいるかもしれません。
今回は、ルーツという言葉の意味や使い方、語源となった英語、類語などを網羅してご紹介します。
ルーツの意味と使い方
ルーツという言葉は、決まった動詞と組み合わせて使うことが多いです。表現のパターンを覚えておけば、日常生活でもビジネスシーンでも使いこなせるでしょう。
ルーツの意味①:根源・起源
これが基本の意味となります。身近なところにあるモノ、映画や音楽などのエンタメ、人や会社などの組織。とにかく幅広いものに対してルーツという言葉を使うことができます。
使い方としては、ルーツを「辿る」「知る」「調べる」「探る」といったものがあり、特に「ルーツを辿る」はよく用いられます。あるいは、「◯◯のルーツは〜にある」といった表現も意味が通ります。
・道路標識のルーツを辿ると、時代とともに変遷していることがわかって面白かった。
・この大ヒット映画のルーツは、10年前に制作したこの作品にある。
ルーツの意味②:先祖・祖先
人に関してルーツという言葉を用いる場合、先祖・祖先といった意味になります。自分の先祖のこと、家系図のことなどに触れるときに使用できます。
先祖にとってゆかりの地はどこだったのか、どんな生活をしていたのか。何を生業をしていたのか。そうしたことも「ルーツ」ということがあります。単に先祖や祖先が誰であるというだけでなく、その人がそんな暮らしをしていて、今の自分につながっているのかも含めます。
・彼のルーツを知って、いつもアクティブに過ごしている理由がわかった気がする。
・あの人は独特の雰囲気があるけれど、ルーツは何なのだろう?
ルーツの由来は英語の「roots」
「root」という単語には「根」という意味があります。その複数形が「roots」です。日本語のルーツはこの英単語に由来している言葉です。植物の「根」、物事の「根源」などに用います。
また、日本語でよく用いる「ルーツを辿る」に近い表現は、「trace one’s roots」です。traceとは、跡を追う、探し出す、明らかにするといった意味を持ちます。自分のルーツを探る場合は「trace my roots」となります。
ちなみに、道順について「このルートで行く」などと表現するときのルートは、「route」という別のスペルの単語が元になっています。
ルーツの類語・言い換え表現
「ルーツ」を言い換えるときは、やはり「根源」などの日本語を選ぶしかありません。同じ意味を持つ類語として挙げられるものがないのです。
少しだけニュアンスが似たカタカナ語としては「ソース」があります。料理のソース(sause)ではなく、情報源、出典という意味があるソース(source)です。
ルーツは幅広い物事の根源について使いますが、ソースは情報に特化して使うことができます。不確かな情報にあふれている昨今、情報源を確認したいときに「この情報のソースは?」などと表現します。
自分のルーツを調べる方法とは
自分のルーツを探りたいときには、いくつかの方法がありますが、定番なのは戸籍を追跡することです。戸籍には、一人ひとりが生まれてから死亡するまでの情報が記載されています。
プライバシーを守る観点から、戸籍の情報は誰でも取得できるわけではなく、戸籍に名前がある人やその配偶者、直系尊属などに限定されています。手間はかかりますが、誰でも自分のルーツを辿ることができます。
芸能人が自分のルーツを辿るという企画をときどきテレビなどで目にする機会もありますが、自分の先祖のことは意外と知らない方が多いでしょう。自分のルーツを調べると、自分が何者なのか、自身への理解が深まるかもしれません。
ルーツは人にも物にも幅広く使える言葉
ルーツという言葉は、幅広い対象に用いることができます。日常生活でもビジネスでも、さりげなく使えるとスマートな印象を与えられるでしょう。また、興味のある方は自分のルーツを辿ることにもトライしてみてください。