「サジェスチョン」の意味は?「サジェスト」とは違う?使い方、類語、英語も紹介

「サジェスチョン」とは「提案」のこと

「サジェスチョン」は、「提案」という意味のカタカナ用語です。あまり日常生活の中では登場しませんが、ビジネスシーンではよく使われるので、社会人であるならばぜひ知っておきたい言葉のひとつです。

また、「提案」以外にも違ったニュアンスで使う場合もあるので、本記事では「サジェスチョン」の正しい意味や使い方のほか、英語での使い方類語、言い換え表現などについてもわかりやすく解説します。

「サジェスチョン」の英語は「suggestion」

「サジェスチョン」は英語で「suggestion」と書き、次のような意味で使われています。

・提案
・提案すること
・忠告
・忠告すること
・提言
・提言すること
・~気味
・気配
・連想
・暗示

イメージしやすいよう、熟語も少し紹介しておきます。

・suggestion of a retirement
(退職勧告)
・adpted suggestion
(採用された提案)
・concrete suggestion
(具体的な提案)
・Ask her to give you suggestions on how to improve your operations.
(彼女に業務の改善方法について提案してもらいます。)
・Do you have some suggestions for the plant construction plan?
(工場建設計画に対していくつか提案していただけますか?)

日本語においての「サジェスチョン」とは

日本のカタカナ用語としての「サジェスチョン」には次の意味があります。

「サジェスチョン」の意味

【暗示(あんじ)】
・手がかりを与えてそれとなく知らせること。
・人の考えなどが、間接的な手法により、無意識のうちにある方向に変化すること。
【示唆(しさ)】
・それとなく知らせること。
【提案(ていあん)】
・議案や意見を提出すること。また、その提出した議案や意見のこと。
【忠告(ちゅうこく)】
・まごころをもって相手の悪いところ、欠点を指摘し、直すよう勧めること。

ビジネスシーンにおいては、「提案」の意味で使われることが多いですが、「暗示」「示唆」「忠告」を指す場合もあるので、前後の文脈を考えて解釈しましょう。

また、「サジェスチョン」は、主に口語で使われる言葉なので、ビジネス文書内に出てくることはまずありません

「サジェスチョン」の使い方・例文

会話の中では、「提案する」の意味で、「サジェスチョン」するといった使い方をすることが多いです。ここでは、ビジネスシーンでの会話例をあげてみましたので、ぜひ参考にしてください。

例文

・悔しいけど、素晴らしい内容だったので、新入社員のサジェスチョンを受け入れることにした。
・うちの社長は、社員からのサジェスチョンにはすべて耳を傾けてくれる。
・自信がなくても一度サジェスチョンしてみれば?
・全社員からのサジェスチョンを受け付けます。
・どんな内容でもいいので、もっとサジェスチョンしてほしい。

「サジェスチョン」の類語・言い換え

「サジェスチョン」を日本語で言い換える場合、「提案」「暗示」「示唆」「忠告」のほかにもこんな言葉が使えます。

サジェスチョンの言い換え表現

・提言
・申し入れ
・助言
・ほのめかし
・黙示(もくし)
・ヒント
・入れ知恵

なお、「黙示(もくし)」は、「はっきりとは言わず、暗黙のうちに意思や考えを表すこと」をいいます

例文

・当社の経営コンサルタントAさんからの提言をふまえ、今後の事業方針を決定します。
・部下からの申し入れに耳をかたむける。
・先輩から助言してもらったお陰でスムーズに仕事が進んだ。
・彼女は先月から転職をほのめかしていたが、まさかヘッドハンティングだったとはね。
・今回の件については黙示の同意が得られたものとしている。
・Bさんが提示してくれたヒントにまったく気づかなかった。
・〇〇君の発言だとは思えないなぁ。誰に入れ知恵されたんだ?

また、カタカナ用語の類語としては、「サジェスト」「プロポーザル」「プロポジション」「サジェッションメニュー」があります。

サジェスト

「サジェスチョン」は「提案」「暗示」「示唆」「忠告」の意味をもつ名詞で、「サジェスト」は、「提案する」「暗示する」「示唆する」「忠告する」という動詞になります。

しかし、日本語の中では、一般的に「サジェストする」という使い方をします

例文

・私たちだけで話をしていても何も変わらないから、一度部長にサジェストしてみたら?

プロポーザル

「プロポーザル」には、「企画」「計画」「提案」の意味があります。よく耳にする「プロポーザル方式」は、複数の人からそれぞれ企画を出してもらい、その中から最も優れた企画を選ぶ方法をいいます。

例文

・新社屋の設計・建築は、プロポーザルの結果、A社に依頼することに決定しました。

プロポジション

プロポジション(proposition)には、「サジェスチョン」と同じように「提案」「意見」といった意味があります。日本においては、「バリュー・プロポジション」というマーケティング用語で使われることが多いです。

バリュー・プロポジション

製品やサービスのメリット、それらの独自性など、顧客が求めているものが求めている相手に届く価値のこと。

簡単にいえば、「顧客が求めている、他社にはない自社独自の価値」で、戦わずして勝つことを前提に考えていく必要があります。
例文

市場でシェアトップになるためには、これまでにないバリュー・プロポジションを作ることが大切だと思う。

サジェッションメニュー

ホテル用語として広く使われている「サジェッションメニュー」とは、「旬の食材や珍しい食材などを仕入れ、特別に調理されるその日のおすすめメニュー」のことをいいます。主にホテルのレストランや有名なレストランで利用されており、手書きメニューとして用意されていることが多いです。

例文

今日のサジェッションメニューは閉店2時間前に完売しました。

「サジェスチョン」の意味を理解して正しく使おう

「サジェスチョン」のもとは英語の「suggestion」なので、カタカナ用語としては、「サジェッション」「サゼスチョン」「サゼッション」など、さまざまな表記や発音をされることがあります。しかし、どれも本記事で解説した「サジェスチョン」を指しているので違いはありません。

ビジネスシーンにおいては「提案」で使われることが多いですが、「暗示」「示唆」「ヒント」を指す場合もあるので、複数の意味をしっかりと覚えておきましょう。