「その節は」の読み方や意味は?未来、過去のどちらに使う?例文、類語、英語も紹介

「その節は」は「過去のある時点やある出来事」のこと

ビジネスシーンでも日常の中でも「その節はありがとうございました」という表現はよく聞かれます。この「その節は」とは、「過去のある時点やある出来事」を指しているのですが、実際は意味を明確に理解して使っている人は少ないでしょう。

本記事では、「その節は」の意味を確認するとともに、基本的な使い方、類語、言い換え表現、英語についてもわかりやすく紹介します。

「その節は」の読み方・意味

「その節は」の読み方は「そのせつは」で、「過去のある時点やある出来事」を指す言葉です。「先日〇〇ホールで行われた講演会では~」と言うところを「その説は~」に置き換えることができるため、ビジネスの場においても頻繁に使われます。

また、「その節は」は指す過去は、思い出すのに苦労するほどの昔ではなく、比較的近い過去であるのが条件です。

同僚や部下に対しては、「あの時は」や「この前は」でも構いませんが、目上の人や、取引先の相手には「その節は」で表すようにしましょう。

「その節は」の使い方・例文

「その説は」は、基本的には「過去」を表しますが、主に「お礼」「謝罪」を述べる際の枕詞としての役割も果たしています。また、よく使われるフレーズもあるので、いくつか紹介しておきます。

その節はありがとうございました

過去に起こった出来事に対してのお礼で使うフレーズで、シンプルな表現なので日常会話の中でも登場することが多いです。

例文

その節はありがとうございました。次の機会にもぜひよろしくお願いいたします。

その節はお世話になりました

過去にお世話になった人に対してのお礼のフレーズです。間に「大変」を入れ、「その節は大変お世話になりました」という言い方もします。

例文

その節はお世話になりました。来春の新規製品に御社部品の搭載を検討しており、今回ご連絡させていただきました。

その節はお心遣いありがとうございました

「お心遣い」には、2通りの意味があります。

・相手に気を配ってもらう
・誰かが自分や会社などに与えてくれたお金

つまり、「その節はお心遣いありがとうございました」は、「先日は気を配ってくれてありがとう」「この前はお金を与えてくれてありがとう」という意味になります。

例文

その節はお心遣いありがとうございました。さっそく娘の入学準備のために使わせていただきました。
その節はお心遣いありがとうございました。ご紹介いただいたお陰で、この度A社に契約していただけることになりました。

例文の①はお金をいただいたお礼、②は気を配ってもらったことに対してのお礼を伝えています。

「その節は」未来のことに関して使う場合もある

「その説は」は、基本的に過去を表す言葉として使われますが、まれに「未来」に対しても使うことがあります。

【例】
その節はよろしくお願いいたします。

これは、まだ会う予定がないときに「次に会う機会があったらよろしくお願いします」という社交的な挨拶に、会うことが決まっている場合は、「〇〇で会いますね。そのときはよろしくお願いします」という意味でも使えます。

「その節は」の類語・言い換え表現

「その節は」の類語には「その折」「そのとき」「その際」がありますが、若干意味合いが異なるものもあるので、会話の内容によって使い分けをしてください

その折

「折」は、「二つに折り曲げる」のほかに、「時節」「機会」の意味ももっており、「その折」とは、ある特定の時期やタイミング、機会を指す場合に使う言葉です。「その節」は、主に過去の事柄に使いますが、「その折」は過去、未来の両方に対して使うことができます

例文

・今週の金曜日にそちら出張することになりました。その折には是非お会いしたいと思っているのですが、いらっしゃいますか?
その折は大変お世話になりました。

そのとき

「そのとき」は、過去、もしくは未来のある時点を指す言葉です。少しカジュアルな表現なので、フォーマルな場面にはあまりふさわしくありません

例文

・もしかすると、〇〇がそちらに伺うかもしれません。そのときはよろしくお願いいたします。
そのときはこの方法が万全だと思っていたのですが、勧めるべきではなかったんですね。

その際

「その際(そのさい)」は、「ある特定の場合や時点」を意味する言葉で、「現在・未来」のことに対して使います

例文

・途中退席は可能です。その際は係の者にお声掛けください。
・大型の台風が接近中で、交通機関にも影響がでる可能性があります。その際は、支店長の判断により、スタッフの帰宅時間を定めてください。

「その節は」の英語表現

「その節は」を英語は、「時、場合」の意味をもつ「occasion」を使い、「on that occasion」で
表します。

・Thank you for your kindness on that occasion.
(その際はお世話になりました。)
・Thank you for your help on that occasion.
(その節はありがとうございました。)

「その節は」の意味を理解し正しく使おう!

「その節は」は、ビジネスシーンではよく使われますが、フォーマルな表現のため、相手によっては堅苦しさを感じることがあります。「その際」など、類語の意味も併せて覚え、状況に応じて上手に使い分けをしてください