キャパシティとはどんな言葉?意味や日本語として違和感のない使い方、言い換え語も解説

キャパシティとはどんな言葉?

キャパシティの意味は、「容量」「受け入れる能力」「能力の限度」です。

キャパシティの類語は「キャパ」。日本語では、「容量」「収容力」「力量」が言い換えに使えます。

キャパシティを英語で表すときは、「capacity」を使用してください。

キャパシティの意味とは?

キャパシティは次の意味をもつカタカナ語です。

キャパシティ
・容量
・受け入れる能力
・能力の限度

キャパシティはどのくらいまでなら耐えられるか限界の数や量を表す言葉。定員、容積、最大積載量、許容量、対応能力、処理能力、収容能力、生産力などいろいろなものを指して使われます。

IT分野でのキャパシティとは?

IT分野でのキャパシティの意味も基本は、「容量」「受け入れる能力」「能力の限度」です。

具体的には次のような意味で使われます。

・プロセッシングやネットワークなら単位時間あたりの処理能力
・通信回線なら最高通信速度
・記憶装置なら記録できる最大データ量
・ストレージやデータベース管理システム(DBMS)なら、管理できる最大データ量
・WebアプリケーションやWebサイトなら最大同時接続数

何について話しているか、文脈に合わせて適したニュアンスを選んでください。

キャパシティは英語だと?

キャパシティを英訳するときは、「capacity」を使います。

capacity
・収容能力、最大限の収容力、収容可能数、定員
・限度容量、最大容積
・包容力、度量、才能
・知的能力、理解力
・生産できる能力、最大の生産量
・成長や発展の潜在的な可能性
・適合できる能力、性質、資格
・機能を果たす地位、立場

英語の「capacity」には、「度量」の意味があり、「a man of great capacity(度量の大きい人)」のようにも使用されます。

しかし、カタカナ語のキャパシティを「人格的な器や度量の大きさ」を意味する言葉として使用すると、違和感を覚える人もいます。そのため、「人格的な器や度量の大きさ」というニュアンスを伝えたいときは、日本語で「器」や「度量」というほうが無難です。

キャパシティが「広い」「多い」「大きい」どれが正解?

キャパシティは、体積や容量を表す立方(㎥・ℓ)の概念に似た言葉。「大容量」という言葉があることからもわかるように、体積や容量は「大きい」と組み合わせて使うワードで、キャパシティの場合も「大きい」が正解です。

キャパシティが「広い」や「多い」とはいいません。

「キャパシティを広げる」という言い方もよくされますが、この言い方が正しいかどうかは解釈が分かれます。「拡大する」のニュアンスで用いられているため、間違いではないとする考え方の人もいるので誤用とは言い切れません。しかし、問題のない言葉使いを心がけるなら、「キャパシティを大きくする」に言い換えるのがおすすめです。

同様に、「キャパシティ」が「狭い」「小さい」「少ない」も、「小さい」とするのが正解です。

キャパシティの使い方を例文で学ぼう

キャパシティの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・会場のキャパシティを超える来客があったため、入場制限を行った。
・感染拡大防止対策のため、キャパシティを減らして有観客のイベントを開催する。
・工場のキャパシティを考慮して仕事を受注する。
・配送のキャパシティの不足により、一部のお客様がライバル店に流れてしまった。
・国内最⼤級のキャパシティを誇るリゾート施設がオープンする。
・個々の社員のキャパシティを見極め、適切な仕事量を割り振る。

覚えておきたいキャパシティの関連語

キャパシティは、ほかの言葉と組み合わせて熟語にした関連語もよく使われています。それぞれの意味もおさえておきましょう。

キャパシティオーバー

キャパシティオーバーは、あるものの許容量や処理能力を超えている状態です。

建物の収容力や記録媒体の容量などの物理的な容量の限界を超えているときと、人間に対してその人の体力・技術力・精神力といった能力の限界を超えているときのどちらにも使用します。

キャパシティオーバーは、和製英語なので英語圏の人には通じません。英語では物理的な容量の場合は「Over capacity」、人に対しては「Overwhelmed」「Inundated」を使うとニュアンスを伝えられます。

キャパシティプランニング

キャパシティプランニングは、ITシステムを計画・開発・改修するときに、最適なシステム構成を計画することです。

キャパシティプランニングでは、まずそのシステムにどの程度の能力が求められているのか、予想される利用者数や使用目的などから需要を把握。そのうえで、そのニーズを満たすために必要な機材の処理性能や台数、記憶容量、回線容量などのキャパシティを考えます。

コストとの兼ね合いも重要で、やみくもに高性能なものを作ればいいというわけではありません。

キャパシティ管理

キャパシティ管理は、ビジネスの目的を達成するために過不足のない最適なキャパシティのITシステムを、適正なコストで運用するための管理プロセス

システムの使用状況やパフォーマンスの状況を監視し、得られたデータを分析することで将来的な需要を予測。それをもとに今後システムをどうするかを計画し、必要ならば各種設定に変更を加え、さらに監視を継続します。

キャパシティが小さすぎるとビジネスがうまく回らなくなり、大きすぎると無駄なコストがかかってしまいます。丁度いいバランスを見極めるのが重要です。

キャパシティの類語・言い換え表現

キャパシティの類語は「キャパ」です。

キャパシティを略した表現で、意味はキャパシティと同じ。キャパシティよりも砕けた印象に聞こえるため、身内向きの言葉です。同僚などに使うのは問題ないですが、お客さんや取引先の人など目上の相手には向きません。

例文
イベントの会場として、3,000人キャパのホールを押さえた。

日本語では、「容量」「収容力」「力量」もキャパシティの言い換え語に使えます。

キャパシティをうまく使おう

ビジネスだけでなく日常生活でも耳にする機会が多いキャパシティは、定員、容積、最大積載量など、いろいろなものに対して使われるカタカナ語です。しかし、「人格的な器や度量の大きさ」の意味で用いると違和感を覚える人もいます。

また、キャパシティが「広い」や「多い」とはいわず、キャパシティが「大きい」とするのが正しく、似た言い方なのに間違った表現になってしまう場合もあります。キャパシティの意味や使い方を正しく理解し、自信を持って使用できるようになりましょう。