示唆とはどんな意味?「示唆に富む」など使い方や言い換えできる類語、英語も解説

「示唆」とはどんな言葉?

「示唆」の意味は、「ほかの物事によって知らせること」「ほのめかすこと」「暗示」です。

類語は、「暗に示す」「それとなく言う」「糸口」。

英語で表すときは、「suggestion」を使います。

「示唆」とはどんな意味?読み方は?

「示唆」は「しさ」と読むのが一般的ですが、「じさ」と読む場合もあります。

「示唆」は次の意味をもっています。

示唆
・ほかの物事によってそれとなく教え知らせること
・ほのめかすこと
・可能性として暗示すること

「示唆」の語源

「示唆」のニュアンスは、言葉を作っている漢字の意味を考えるとよりくわしく理解できます。

「示唆」の「示」と「唆」は、次の意味をもつ漢字です。

・しめす
・さししめす
・おしえる
・そそのかす
・けしかける

「唆」の意味の「そそのかす」は、「相手がその気になるようにそれとなく働きかける」こと。「示」と「唆」を組み合わせた「示唆」は、「相手にそれとなく働きかけて教える」ことを意味する言葉です。

直接教えるわけではなく間接的に、それとなくヒントを示すときに「示唆」を使います。

「示唆」の使い方を例文で学ぼう

「示唆」の意味がわかったら、次は「示唆」を含むよく用いられる言い回しの意味や使い方を、例文でイメージしてみましょう。

示唆に富む
【意味】
暗に教えられることを多く含んでいる

【例文】
調査で得られたデータは、対策を考えるうえで示唆に富んだ内容だった。

示唆される
【意味】
・さりげなく手がかりやヒントが示される
・人に感化されていい影響を受けるさま

【例文】
今回の発表で、大きな変化が起こる可能性が示唆された。

示唆されない
【意味】
さりげなく手がかりやヒントが示されることがない

【例文】
上層部からはこの件についてなにも示唆されなかった。

示唆する
【意味】
・それとなく伝える
・遠回しに知らせる

【例文】
新たな可能性を示唆するデータが発表された。

示唆できる
【意味】
それとなく示し教えることができる

【例文】
今度導入される情報分析ツールは、事象の発生とほぼ同時にその事柄が及ぼす影響を示唆できる性能をもっている。

示唆を得る
【意味】
どうすればいいかを判断する手がかりをもらうこと

【例文】
会合で有用な示唆を得ることができた。

深い示唆
【意味】
役に立つ事柄をそれとなく教え知らせること

【例文】
この本は、私に深い示唆を与えてくれた。

示唆的
【意味】
・それが明示されているわけではないが、暗に何かが指し示されているかのような様子
・不適切なもの、または下品な何かを提案するさま

【例文】
①実験の結果に示唆的な特徴が見られた。
②彼は示唆的な言動が多い。

「示唆的」は必ずしもネガティブな意味を表しているわけではないですが、マイナスのニュアンスで使われることが多いです。

②の例文のようにいった場合は、「何かを暗示するような」という意味合いのつもりであったとしても、「不適切な言動が多い」のニュアンスで受け取られる可能性が高いため、使用するときは注意してください。

「示唆」の類語・言い換え表現

「示唆」の類語は、「暗に示す」「それとなく言う」「糸口」です。「示唆」は日常生活ではあまり使わない言葉のため、相手に意味が伝わらないこともあるかもしれません。また、堅いイメージのある言葉なので、シーンによっては相応しくない場合もあります。

言い換えが必要なときに備えて、類語もおさえておきましょう。

暗に示す
【意味】
それとなく示すこと

【例文】
商品の色は、伝えたいイメージを暗に示す役割を果たしている。

それとなく言う
【意味】
それとなく示すこと

【例文】
定時が過ぎていることをそれとなく言ってはいるが、なかなか帰宅させてもらえない。

糸口
【意味】
・巻いてある糸の端。糸の先
・きっかけ。手がかり
・墨壺(すみつぼ)の、墨糸を引き出す部分

【例文】
先輩との会話から、問題解決の糸口をもらった。

「示唆」は英語だと?

「示唆」を英語で表すときは、「suggestion」という名詞を使います。

suggestion
・提案すること
・提言すること
・忠告すること
・提案
・提言
・忠告
・提議
・暗示
・示唆
・ほのめかし
・思いつき
・連想

「示唆する」を英訳するときは、動詞の「suggest(提案する、示唆する、それとなく言う)」を用いてください。「示唆に富む」は、形容詞の「suggestive(連想させる、暗示的な、示唆的な)」を使用して「be highly suggestive」と表します。

「示唆」をうまく使おう

「ほのめかすこと」を硬い言い方で表現できる「示唆」は、ビジネスでよく使われます。この記事で紹介した言い回しを覚えておけば、使い方に困ることはまずないので、機会があったら積極的に「示唆」を使用してみましょう。

ただ、「示唆」はプライベートではあまり用いられない言葉でもあるため、もう少しやわらかい言い方が必要になる場合もあるかもしれません。使い分けできるように、類語もおさえておくことをおすすめします。